トヨタ自動車を含む5社の認証不正事件まとめ!何が起きたのか発覚の経緯と手口を徹底解説

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トヨタ自動車や他の主要自動車メーカーで発覚した認証不正事件について、本記事では詳細に解説します。各社の不正行為の内容から発覚の経緯、影響、そして再発防止策まで、全体像を把握できるようにまとめました。今回の出来事を通じて、自動車業界の信頼性にどのような影響が及ぶのかを見ていきましょう。

認証不正の発覚とその内容を解説

トヨタ自動車やマツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキなどの主要自動車メーカー5社で、不正な型式指定申請が行われていたことが明らかになりました。型式指定とは、車両の大量生産前に安全基準への適合性を審査する国の認証制度で、これに違反した行為が問題となっています。

不正の発覚は、ダイハツ工業と豊田自動織機での認証不正がきっかけとなりました。国土交通省は85社に対し調査・報告を求め、その結果、トヨタを含む5社から不正行為の報告があったのです。

不正行為とは何した?具体的内容を解説!

各社の不正行為は、試験方法の違反やデータの改ざんなど、さまざまな形で行われていました。

トヨタ自動車の不正行為内容

カローラフィールダー、アクシオ、ヤリスクロスなどの現行モデル3車種、クラウン、アイシス、シエンタ、レクサスRXなどの過去生産車4車種で不正行為が確認されました。試験データの転用や古い基準での試験が問題視されています。

ホンダの不正行為内容

フィット、N-BOXなど22車種で騒音試験やエンジン出力試験において不正が発覚。試験条件の逸脱やデータの書き換えが行われていました。

マツダの不正行為内容

ロードスターRF、マツダ2など5車種でエンジン制御ソフトの書き換えやエアバッグ試験での不正が確認されました。

スズキの不正行為内容

アルトの貨物仕様でブレーキ試験のデータ改ざんが発覚。試験成績書に虚偽の停止距離を記載していました。

ヤマハ発動機の不正行為内容

YZF-R1、YZF-R3、TMAXの二輪車3車種で騒音試験や警音器試験において不適切な行為が確認されました。

不正行為に対して各社の対応まとめ

今回の認証不正問題に対し、各自動車メーカーは迅速に対応し、謝罪会見を行いました。以下に、ホームページで公表された各社の対応と謝罪内容を詳しく見ていきます。

トヨタ自動車

トヨタ自動車の豊田章男会長は、6月3日に記者会見を開き、「トヨタグループの責任者として、お客様、車ファン、全てのステークホルダーの皆様に心よりお詫び申し上げます」と謝罪しました。トヨタは2014年以降、計7車種で国の基準と異なる方法で試験を行い、型式指定を取得していました。現行生産車の「カローラフィールダー」「カローラアクシオ」「ヤリスクロス」については即座に出荷と販売を停止し、国土交通省の指導の下で速やかに適切な対応を進めることを表明しました。

ホンダ

ホンダの三部敏宏社長は同日に会見を開き、「遵法性の意識に大きな問題があった」と述べ、騒音試験や原動機車載出力試験で不正があったことを認めました。ホンダでは、過去に販売した22車種で試験条件の逸脱やデータの書き換えが行われており、累計販売台数は325万台に上ります。三部社長は「多くのステークホルダーに心配をおかけし、おわびする」と陳謝し、再発防止策として認証業務のデジタル化や監査機能の強化を進める方針を示しました。

マツダ

マツダの毛籠勝弘社長は、「精緻に試験するために試験のルールを独自解釈してしまった」と説明し、エンジン制御ソフトの書き換えやエアバッグ試験の不正があったことを認めました。マツダでは生産中の「ロードスターRF」と「マツダ2」、過去生産車の「アテンザ」「アクセラ」「マツダ6」の計5車種で不正が確認されました。毛籠社長は、「約3500件の受注があり、出荷停止で(顧客に)迷惑をかけることをお詫びする」と述べました。

スズキ

スズキの不正は、2014年に生産された「アルト(貨物仕様)」で確認されました。スズキは、フェード試験において停止距離を短く記載する不正を行っていました。社内認証試験におけるブレーキ踏力の不適切さから試験成績書の提出期限に対して再試験が行えず、結果的にデータを改ざんしていたことを発表しました。スズキは再発防止策として、法規認証部門の立ち会いによる試験結果と成績書の確認を行うプロセスを導入し、コンプライアンス強化に努めています。

ヤマハ発動機

ヤマハ発動機は、計3車種の二輪車で不正が確認されました。現行生産車の「YZF-R1」では騒音試験での不正、過去生産車の「YZF-R3」と「TMAX」では警音器試験の成績書に虚偽記載があったことが発表されました。ヤマハ発は、「再試験の上、実際の使用に支障は生じないことを確認済みである」として、出荷を一時停止しています。再発防止策としては、試験規程の見直しや教育の強化、記録管理の徹底などを進めています。

不正発覚の経緯とその影響

不正行為は、ダイハツ工業や豊田自動織機での認証不正を受けた内部告発や国土交通省の調査を契機に発覚しました。国土交通省は自動車メーカー85社に調査・報告を求め、その結果、トヨタ、マツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキの5社から不正行為の報告がありました。

各社の不正行為が発覚したことにより、対象車種の出荷停止や販売停止が行われ、影響は広範囲にわたります。特にトヨタでは、現行生産車3車種の出荷停止が大きな問題となっており、年末に向けて業務の見直しを進める予定です。また、ホンダやマツダでも多くの車種で不正が発覚し、対応が求められています。

不正した型式指定制度とは?

型式指定とは、自動車の大量生産と安全性を両立するための認証制度です。自動車メーカーは新車を生産する際、国土交通相に申請し、ブレーキ性能などの安全性や環境性能に関する基準に適合しているか審査を受けます。審査が通り型式指定されると、メーカー内で基準に適合しているかを確認する「完成検査」を経て出荷されます。この仕組みにより、一台一台の車両を個別に検査する手間が省かれ、大量生産が可能となります。

型式指定制度は1951年に施行され、以来、日本の自動車産業の発展に寄与してきました。しかし、近年ではデータ改ざんなどの不祥事が相次ぎ、認証制度の信頼性が揺らいでいます。三菱自動車や日産自動車の不正が発覚したことを受け、国土交通省は制度の厳格化を進めています。

各メーカーの不正対象の車種と販売停止措置

不正が発覚した対象車種とその影響について詳しく見ていきます。

不正対象の車種と販売停止措置

トヨタ自動車をはじめとする5社で発覚した認証不正問題では、複数の車種が対象となっています。それぞれの車種と不正行為の内容、そしてその影響について詳しく見ていきます。

トヨタ自動車

トヨタでは、以下の7車種で不正行為が確認されました。現行生産車の3車種と過去生産車の4車種が含まれます。

  • 現行生産車:
    • カローラフィールダー
    • カローラアクシオ
    • ヤリスクロス
  • 過去生産車:
    • クラウン
    • アイシス
    • シエンタ
    • レクサスRX

トヨタは、これらの車種で不正な試験方法を用いて型式指定を取得していました。例えば、カローラフィールダーとアクシオでは歩行者保護試験のデータを不正に転用し、ヤリスクロスでは積み荷試験の基準を古いまま使用していました。不正が発覚した3車種の現行モデルについては、販売と出荷を停止しています。

ホンダ

ホンダでは、過去に生産された22車種で不正行為が見つかりました。

  • 対象車種:
    • フィット
    • N-BOX
    • CR-Z
    • アクティ
    • バモス
    • ステップワゴン
    • レジェンド
    • アコード
    • フィットシャトル
    • インサイトエクスクルーシブ
    • CR-V
    • フリード
    • N-ONE
    • オデッセイ
    • N-WGN
    • ヴェゼル
    • グレイス
    • S660
    • シャトル
    • NSX
    • ジェイド

ホンダは、騒音試験やエンジン出力試験で試験条件の逸脱やデータの書き換えが行われていました。累計販売台数は325万台に上り、影響は広範囲にわたります。

マツダ

マツダでは、5車種で不正が確認されました。

  • 現行生産車:
    • ロードスターRF
    • マツダ2
  • 過去生産車:
    • アテンザ
    • アクセラ
    • マツダ6

マツダは、エンジン制御ソフトの書き換えやエアバッグ試験の不正を行っていました。累計生産台数は15万台に達します。

スズキ

スズキでは、アルトの貨物仕様で不正が発覚しました。

  • 対象車種:
    • アルト(貨物仕様)

スズキは、ブレーキ試験で停止距離を短く記載するなどの不正を行っていました。

ヤマハ発動機

ヤマハ発動機では、二輪車の3車種で不正が確認されました。

  • 現行生産車:
    • YZF-R1
  • 過去生産車:
    • YZF-R3
    • TMAX

ヤマハ発動機は、騒音試験や警音器試験での不正行為を行っていました。

各社の再発防止策

各社は再発防止策として、認証業務のデジタル化や試験プロセスの見直し、内部監査機能の強化を進めています。具体的な再発防止策は以下の通りです。

  • トヨタ: 認証業務の見直しと現場の負担軽減を図るため、認証プロセスの標準化や品質基準の整理を進めています。また、豊田会長が自ら現場に出向き、認証工程の改善を推進する予定です。
  • マツダ: 認証業務と開発業務を明確に区別し、試験プロセスの遵法性を担保するための方法を見直し、教育を強化しています。さらに、記録管理の徹底と試験結果の正確性を確保するための仕組みを構築しています。
  • ホンダ: 認証業務のデジタル化や型式指定審査に特化した監査組織の発足、試験結果の自動入力システムの導入などを進め、再発防止に努めています。
  • スズキ: 法規認証部門の立ち会いによる再発防止策を導入し、コンプライアンス強化に努めています。
  • ヤマハ発動機: 試験規程の見直しや教育の強化、記録管理の徹底などの再発防止策を発表しています。

今回の出来事に対する感想と今後の考察

今回の認証不正事件は、トヨタ自動車という業界最大手だけでなく、ホンダ、マツダ、スズキ、ヤマハ発動機といった他の大手自動車メーカーも関与していた点が非常に大きな衝撃を与えました。これは自動車業界全体の信頼性に対する重大な打撃であり、消費者からの信頼を回復するためには各社が徹底した再発防止策を講じる必要があります。

このような大規模な不正行為が明るみに出た背景には、各社の内部統制の甘さや認証制度に対する理解不足があると考えられます。今後、自動車メーカーは内部監査機能の強化や認証業務のデジタル化などの再発防止策を確実に実行し、法令遵守の意識を徹底することが求められます。

さらに、国土交通省も認証制度の見直しや厳格な監視体制の構築を進める必要があります。これにより、自動車メーカーが再び同様の不正行為を行わないよう、信頼性の高い認証プロセスを確立することが重要です。

この事件を契機に、自動車業界全体が透明性と信頼性を高め、消費者の信頼を取り戻すための努力を続けることが期待されます。今後の動向に注目し、企業と規制当局がどのように対応していくかを見守ることが重要です。

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