近年、アイドルのライブやVTuberのイベントなどで、ファンが花を贈る「スタンド花(フラワースタンド・フラスタ)」に関連するトラブルが急増しています。
「お金を払ったのに花が届いていない」「主催者と連絡が取れない」といった詐欺まがいのケースから、大規模な業者による未設置トラブルまで、その手口は様々です。
この記事では、「なぜこうした被害が起きるのか」という仕組みと、「騙されないための具体的なチェックポイント」について、元プログラマーの視点から事実に基づいて解説します。
何が起きているのか(最近の事例とトラブル)
大きく分けて、以下の3つのパターンで被害が報告されています。
- 事例1:大規模イベントでの「未設置・返金困難」トラブル
2025年10月頃、人気ゲーム『ウマ娘』や『プロセカ』のイベントにおいて、公式指定業者とされていた「株式会社フラスタ」が、受注したスタンド花を設置できず、さらに自社での返金も困難になるという事態が発生しました。
最終的に運営元(Cygames等)が返金代行を発表する異例の事態となりましたが、多くのファンが「花を贈れなかった」という悲しみを背負うことになりました。
※本件は意図的な詐欺か経営破綻かは断定できませんが、ユーザー視点では「代金を払ったのにサービスが提供されなかった」重大な事例です。 - 事例2:SNS上の「有志企画」持ち逃げ
X(旧Twitter)などで「〇〇ちゃんの生誕祭にフラスタを贈ろう!」と参加者を募り、PayPayなどで集金した後に主催者がアカウントを削除して失踪するケースです。
匿名性の高いSNSだけでやり取りが完結してしまう点が悪用されています。 - 事例3:実在しない「偽花屋サイト」
検索エンジンで上位に表示される「格安の花屋サイト」でお金を振り込んだものの、実際には花屋が存在せず、商品が届かない(フィッシング詐欺・EC詐欺)ケースです。
詳細・事実関係(IT視点で手口を分析)
なぜ、デジタルリテラシーが高いはずの層でも騙されてしまうのか。IT技術やWebの仕組みの観点から解説します。
1. 「SEO汚染」された偽サイトの罠
偽の花屋サイトは、プログラマーの視点で見ると「既存の正規サイトのデータをスクレイピング(自動収集)して作られたコピーサイト」であることが多いです。
- 手口:実在する花屋の商品写真や説明文を丸ごとコピーし、価格だけを「市場価格の半額」などに書き換えます。
- 検索順位:一時的に検索エンジンのアルゴリズムを騙し、検索結果の上位に表示されることがあります。
- ドメイン:URLの末尾が「.xyz」「.top」など、格安で取得できるドメインが使われている場合、99%詐欺です。
2. SNS企画における「信用の錯覚」
X(旧Twitter)での持ち逃げ犯は、以下のような手口で信用を演出します。
- フォロワー購入:数百円でフォロワー数を水増しし、「大手アカウント」に見せかけます。
- 実績の盗用:他人が過去に出したフラスタの画像を「自分の実績」としてプロフィールに掲載します。
騙されないための対策(今日からできる自衛策)
被害に遭わないために、以下のチェックリストを活用してください。
SNSでの企画参加時
- 主催者のID変更履歴を見る:頻繁にIDを変えているアカウントは、過去に炎上して逃げた可能性があります。
- 集金プラットフォームの確認:個人口座やPayPay送金のみの募集は避けること。「ミンサカ」や「PassMarket」など、身元確認があるプラットフォーム経由の企画に参加しましょう。
- 画像の画像検索:主催者がアップしている「過去の実績写真」をGoogleレンズ等で画像検索してください。全く別人のブログ等がヒットすれば、それは盗用(=詐欺師)です。
花屋サイトでの注文時
- 振込先の確認:サイト名と異なる「個人名義」の口座への振込を求められたら、絶対に振り込まないでください。これはEC詐欺の典型的なサインです。
- 会社概要の住所検索:記載されている住所をGoogleマップで検索してください。空き地や民家、あるいは存在しない住所であるケースが多々あります。
世間の反応・公式声明
一連のトラブルを受け、イベント運営側も注意喚起を行っています。
(ウマ娘・プロセカ等の事例を受けて)
運営会社が「指定業者の選定基準見直し」や「トラブル時の救済措置」に乗り出すケースが増えています。しかし、基本的には「ファン活動は自己責任」の原則があるため、公式のサポートを過信せず、自衛することが求められています。
まとめ
スタンド花トラブルは、「推しを祝いたい」という純粋な気持ちを踏みにじる悪質な行為です。
「安いから」「みんなが参加しているから」と安易に判断せず、「この業者は実在するのか?」「この主催者は信頼できるのか?」を一歩立ち止まって確認する習慣をつけてください。
特に、ITリテラシーを駆使して「画像の出所」や「サイトの運営実態」を調べることは、現代の推し活における必須スキルと言えるでしょう。


