四国の大規模停電の原因「周波数低下リレー」とは?初心者にもわかりやすく解説

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2023年11月9日に四国で発生した大規模な停電。その原因とされたのが「周波数低下リレー」というシステムです。

この用語は専門的で、一見するとわかりにくいかもしれません。しかし、電力の安定供給には欠かせない重要な仕組みです。

この記事では、電力に詳しくない方でも理解できるように「周波数低下リレー」と停電の関係について、できるだけわかりやすく解説します。

1. 電気の「周波数」とは何か?

まず、電気の「周波数」について知っておきましょう。周波数とは、電気が振動する速さのことを指し、単位は「Hz(ヘルツ)」です。日本では、地域によってこの周波数が異なり、東日本は50Hz、西日本は60Hzの電力が使われています。

重要ポイント:周波数は電力の安定の指標
電力を安定して供給するには、周波数を一定に保つことが非常に重要です。周波数が急に変わると、電気機器に不具合が生じたり、最悪の場合は大規模な停電に繋がることがあります。

村上陽介
村上陽介

周波数って普段は意識しないものですが、電力の世界ではこれが安定の鍵なんです。少しでも変動すると電気の流れが乱れ、全体に影響が出てしまいます

2. 需要と供給のバランスと周波数の関係

電力の世界では、「需要と供給のバランス」が重要です。ここでいう需要とは「みんなが使いたい電力量」、供給とは「発電所が送れる電力量」のことです。このバランスが取れていると周波数は安定しますが、バランスが崩れると周波数も変動してしまいます。

例えば、電気を使う量(需要)が急に増えると、供給が追いつかなくなり周波数が低下します。逆に、発電量(供給)が多すぎる場合には周波数が上がることがあります。電力会社は、このバランスを常に調整しながら安定供給を維持しています。

村上陽介
村上陽介

電気って水のように常に一定量が流れていると思われがちですが、実は使う量と送る量を絶えず調整しているんです

3. 周波数低下リレーとは?

「周波数低下リレー」とは、周波数が一定の範囲を下回ったときに作動する「保護装置」です。今回の停電の原因となった装置ですが、なぜ必要なのでしょうか?

周波数低下リレーは、周波数の急激な低下を察知すると、負荷(需要)を自動的に切り離してバランスを保つ役割を果たします。これにより、発電所や送電網にかかる負担を軽減し、最悪のケースである「連鎖的な大停電」を防ぐことができます。

例:高速道路の出口を閉じるようなイメージ
周波数低下リレーの動作をイメージすると、事故や渋滞で道路が混雑したときに、一部の出口を閉じて車の流れを制御するようなものです。こうすることで、全体が完全に麻痺してしまうのを防いでいるのです。

村上陽介
村上陽介

安全装置が作動することで、全エリアの停電を防ぐ“ブレーキ”のような役割を果たしているんですね

4. 今回の停電はなぜ起こったのか?

四国電力によると、今回の停電は「本州向きの電気の流れが急増し、四国内の供給が不足した」ために発生しました。この背景には、四国と本州を繋ぐ「送電線の一部が使えない状態」が影響しています。

四国と本州を結ぶ送電線には2つのルートがありますが、そのうちの1つが事故と作業停止で一時的に使用できない状態でした。そのため、残る1つの送電線で電力の融通をしていたのですが、何らかの原因で本州向きの電力が急増。これにより四国内の供給が不足し、周波数が低下しました。

周波数低下により周波数低下リレーが作動
周波数が一定値を下回ると周波数低下リレーが働き、四国内の一部地域の電力供給を強制的に遮断し、結果として広範囲で停電が発生しました。

5. 周波数低下リレーのメリットとデメリット

周波数低下リレーには、システム全体を守るための大きなメリットがありますが、その一方で一部地域が強制的に停電するリスクも伴います。

メリット

  • 連鎖的な大規模停電の防止:広範囲の停電を防ぐため、あえて一部の供給を切り離すことで、電力網全体の崩壊を防ぎます。
  • 発電所や送電設備の保護:周波数低下により設備が過負荷になるのを防ぎます。

デメリット

  • 対象エリアの強制停電:安定供給のために仕方のない措置とはいえ、一部エリアで急な停電が発生するリスクがあります。
村上陽介
村上陽介

一部の地域には迷惑がかかりますが、全体の電力供給を守るためには必要な措置なんですね

6. まとめ:なぜ周波数低下リレーが重要なのか?

今回の四国での停電は「周波数低下リレー」が作動したために発生しました。このシステムは、一見不便に感じられるかもしれませんが、電力供給全体の安定を保つための安全装置です。

需要と供給のバランスが崩れると周波数が乱れ、最悪の場合は全国規模の大停電に繋がる可能性もあります。そのリスクを回避するために、周波数低下リレーが重要な役割を果たしています。

よくある質問(FAQ)

Q1: 周波数低下リレーはどのようなときに作動しますか?
A1: 電力の需要と供給のバランスが崩れ、周波数が一定の範囲を下回ったときに自動で作動します。これにより、一部エリアの電力供給を遮断して、システム全体の保護を行います。

Q2: なぜ停電が四国内でだけ発生したのですか?
A2: 四国と本州を繋ぐ送電線の一部が使えない状態で、他エリアへの電力供給が増えたため、四国内で供給不足が発生しました。この影響で周波数低下リレーが作動し、四国内の一部が停電しました。

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