2025年12月22日、クレジットカード大手の「楽天カード」が東京国税局から約42億円もの追徴課税を受けたと報じられました。「脱税なのか?」「私たちが貯めているポイントに影響はあるのか?」と不安に感じた方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、これは悪質な所得隠し(脱税)ではなく、複雑な金融取引における「税務上の見解の相違」である可能性が高いです。
本記事では、元システムエンジニアでありトレンド情報を追う村上陽介が、今回のニュースの事実関係と、なぜこのような巨額の課税が発生したのかを分かりやすく解説します。
何が起きたのか(時系列まとめ)
まずは、報道されている事実を時系列で整理します。
- 時期:2025年12月22日(月)昼頃に各社が一斉に報道。
- 対象:楽天カード株式会社。
- 指摘内容:東京国税局の税務調査により、2023年12月期までの4年間で消費税の申告漏れを指摘された。
- 金額:追徴税額は、過少申告加算税を含めて約42億1000万円。
- 対応:楽天カード側は既に全額を納付済み。
- 争点:事業資金の調達に関連する取引の消費税処理について、国税局と見解が分かれた模様。
なぜ42億円も?課税された原因を解説
一般の方にとって「消費税の申告漏れ」というと、売上を隠して税金を払わなかったイメージがあるかもしれません。しかし、今回のような金融系の大企業の場合、事情はもっと複雑です。
「資金調達」にかかる消費税とは?
報道によると、原因は「事業資金の調達」に関する消費税処理です。
クレジットカード会社は、私たち利用者がお店で買い物をした代金を、一時的に立て替えてお店に支払っています。そのため、常に莫大な「現金(資金)」を確保しておく必要があります。この資金を集める方法(資金調達)には様々なコストがかかりますが、ここが税務上の難しいポイントです。
- 利子(利息):消費税はかかりません(非課税取引)。
- 手数料(役務提供):消費税がかかります(課税取引)。
今回、楽天カードが行っていた資金調達スキーム(例えば債権の流動化など高度な金融取引)の中で支払ったコストを、楽天側は「非課税」として処理していたものの、国税局は「これは手数料的な性質があるから課税対象だ(=仕入税額控除の対象外あるいは課税売上割合への影響)」と判断した可能性があります。
つまり、「隠していた」のではなく、「ルールの解釈が国税局と違っていた」というのが実情でしょう。
楽天カード側の主張と今後の対応
楽天カードはこの指摘に対し、以下のような姿勢を示していると報じられています。
「外部の専門家の助言を受けながら法令に沿った適切な税務処理に努めてきました。今後も当社の税務処理の適法性を引き続き訴えてまいります」
このように、一旦は追徴金を支払ったものの、会社としては「自分たちの処理は正しかった」と考えており、今後不服申し立てなどを行う可能性も示唆しています。
私たちユーザーへの影響は?
最も気になるのは、楽天ポイントやカード利用への影響です。
- カード利用:全く問題ありません。通常通り使えます。
- ポイント還元:現時点で変更のアナウンスはありません。
ただし、42億円というのは決して小さい金額ではありません。企業の利益(純利益)がその分減ることになるため、長期的にはキャンペーン予算の縮小や、ポイント付与条件の厳格化(いわゆる改悪)などが検討されるリスクはゼロとは言い切れません。
とはいえ、楽天経済圏の中核である楽天カードの信頼を損なうような急な変更は考えにくいため、過度な心配は不要でしょう。
まとめ
- 楽天カードが東京国税局から約42億円の追徴課税を受けた。
- 原因は「資金調達」に関する消費税の処理ルールの解釈違い。
- 楽天カード側は「適法だった」と主張しており、見解の相違が大きい。
- ユーザーのカード利用に直ちには影響しないが、今後の動向(決算への影響など)には注目が必要。
大企業と国税局の「見解の相違」による追徴課税は、実は珍しいことではありません。引き続き、新しい情報が入り次第、本ブログでも更新していきます。


