2026年1月25日に行われた第45回大阪国際女子マラソン。パリ五輪後の新たなヒロイン候補として注目が集まる中、衝撃的な記録が誕生しました。
トラック種目で活躍してきた矢田みくに選手(エディオン)が、初マラソンにして2時間19分57秒という驚異的なタイムを叩き出し、日本人トップの4位に入賞したのです。
「2時間20分切り」は、日本の女子マラソン界において特別な意味を持つ壁です。それをデビュー戦でやってのけた彼女はいったい何者なのか? 過去の経歴や強さの秘密、そしてなぜこれほど話題になっているのかを深掘りしてまとめました。
第45回大阪国際女子マラソンで何が起きたのか
まずは、今回のアレースで矢田みくに選手が成し遂げた偉業を整理します。単に「速かった」というだけでなく、歴史的な快挙であることが分かります。
- 初マラソン日本最高記録更新
- これまでの初マラソン日本最高記録(安藤友香選手の2時間21分36秒)を大幅に更新しました。デビュー戦での「サブ20(2時間20分切り)」は日本女子史上初の快挙です。
- 国内レース日本人歴代2位の好タイム
- 日本国内で開催されたレースにおける日本人選手の記録としても、前田穂南選手(天満屋)に次ぐ歴代2位のタイムです。
- 世界と戦える「ラスト勝負」
- 多くの日本人選手が後半に失速する中、矢田選手は長居陸上競技場(トラック)に入るまで海外招待選手たちと2位争いを展開。最後までスピードが落ちないスタミナと精神力を見せつけました。
「うれしいです。すごく楽しくて。キツイ中でも楽しみながら走りました。(タイムは)すごくビックリしてます」
(レース後のインタビューより)
矢田みくにとは何者?経歴とプロフィールの詳細
トラックのスピードランナーとして知られていた矢田選手ですが、マラソンへの適性は未知数でした。彼女がどのような道を歩んでここに至ったのか、その経歴を振り返ります。
基本プロフィール
- 名前:矢田 みくに(やだ みくに)
- 生年月日:1999年10月29日(26歳 2026年1月時点)元デンソー
- 出身地:熊本県熊本市
- 出身校:熊本市立力合中学校 → ルーテル学院高等学校
- 所属:エディオン(2022年〜)
高校時代:世代トップクラスのスピード
熊本の強豪・ルーテル学院高校時代からその才能は開花していました。高校総体(インターハイ)の地区大会や県大会では圧倒的な強さを誇り、U20世界選手権の日本代表にも選出されています。この頃から「バネのある走り」には定評がありました。
実業団での転機:デンソーからエディオンへ
高校卒業後の2018年、名門デンソーに入社。アジアジュニア選手権5000mで優勝するなど順調にキャリアを重ねていましたが、2022年に大きな決断を下します。
エディオンへの移籍です。
インターネット上やファンの間では「環境を変えてさらに上を目指したかったのではないか」と推測されていますが、結果的にこの移籍が奏功しました。エディオン加入後、名城大学などで実績のある指導体制のもとでスタミナ強化に取り組み、トラックのスピードを維持したまま長い距離に対応できる身体を作り上げました。
世界への挑戦(2025年東京世界陸上)
記憶に新しいのが、昨年(2025年)の東京世界陸上です。女子10000mの代表として出場し、世界の強豪に揉まれながら20位で完走しました。この「世界大会でのトラック経験」が、今回の大阪国際でのラストスパート(海外勢に食らいつく走り)に生きたことは間違いありません。
なぜ「2時間19分57秒」が凄まじいのか
今回の記録の凄さは、単なる数字以上に「マラソンの常識を変える」点にあります。
1. 「スピードランナーはマラソンに弱い」説を覆した
従来、トラック(5000mや10000m)で速い選手は、マラソンの30km以降で失速するケースが多く見られました。しかし、矢田選手は自身の持ち味である「スピード」を42.195kmの最後まで維持しました。これは、世界的なトレンド(シファン・ハッサン選手など、トラックとマラソンを両立するスタイル)に日本選手が追いつき始めたことを示唆しています。
2. ロス五輪への「一番星」
今回の記録により、2028年ロサンゼルスオリンピックに向けた選考レース(MGCシリーズ)の出場権を獲得しました。パリ五輪が終わった直後のシーズンで、いきなり2時間19分台という「世界と戦える基準」をクリアした選手が現れたことは、陸上界にとって最大のニュースと言えます。
世間の反応・評価
SNSやネットニュースのコメント欄では、驚きと称賛の声が溢れています。
- 「初マラソンで19分台はバケモノすぎる」
- 「トラックのスピードがあるから、ラストの競り合いが見ていて気持ちよかった」
- 「解説の野口みずきさんも興奮してたな」
- 「アイドル並みにルックスも可愛いから、これからメディア露出が増えそう」
特に、レース終盤でも笑顔を見せるような余裕と、ゴール後の爽やかな表情が多くのファンの心を掴んだようです。「新ヒロイン誕生」という見出しが各メディアで踊っています。
まとめ:今後の展望
第45回大阪国際女子マラソンで鮮烈なデビューを飾った矢田みくに選手。彼女の強みは以下の3点に集約されます。
- トラック仕込みの圧倒的なスピード
- 海外勢と競り合えるメンタルの強さ
- 後半でも崩れないフォームとスタミナ
今後は「日本記録(2時間18分59秒)」の更新、そしてロサンゼルスオリンピックでのメダル獲得が現実的な目標となってくるでしょう。トラックからマラソンへ、華麗なる転身を遂げた彼女の次走から目が離せません。


