先日お伝えしたリスボンのグロリア線で発生した痛ましいケーブルカー事故。この悲劇は、リスボン市の観光交通システム全体を揺るがす事態へと発展しています。現在リスボンに滞在中の方、あるいはこれから旅行を計画している方の中には、「ケーブルカーに乗れないと、観光プランが台無しだ」と頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。
安全確保のためとはいえ、突然の運休は旅行者にとって大きな混乱を招きます。この記事では、今回のリスボンのケーブルカー事故を受けた全線運休の期間はいつまでなのか、そしてこの状況を乗り切るための具体的な代替交通手段や、新たな観光の楽しみ方について、元新聞記者としての視点から冷静に、そして徹底的に解説していきます。
リスボン旅行予定のあなたへ緊急情報 – ケーブルカー全4路線が無期限運休中、再開時期は未定
リスボンのホテルを出てお散歩してたら、なんかたくさん報道カメラがいるなー、と思ったらケーブルカーが脱線して大破してた…。
— キア (@kia_twt) September 4, 2025
一日早く来てたら、きっと乗ってたな…。 https://t.co/3DIfYz4g6E pic.twitter.com/IBldnu9R1N
まず、最も重要な情報からお伝えします。2025年9月3日のグロリア線での脱線事故を受け、リスボン市は市内のケーブルカー全4路線(グロリア線、ビッカ線、ラヴラ線、グラサ線)の運行を即時停止する決定を下しました。2025年9月5日現在もこの運休は継続しており、再開の目処は立っていません。
カルロス・モエダス市長は「市民と観光客の安全が最優先」として、全路線における徹底的な技術点検を指示しました。これは、一つの事故を個別の問題として捉えるのではなく、システム全体の信頼性が問われているという厳しい認識の表れです。この事故の詳細については、以前の記事で詳述していますので、そちらも併せてご覧ください。
【運休期間詳細】いつまで乗れない?各路線の現状と点検スケジュール
旅行者にとって最大の関心事は「一体、いつまで運休が続くのか?」という点でしょう。現時点では「無期限」としか発表されていませんが、各路線の状況や過去の事例から、ある程度の予測は可能です。
グロリア線:事故現場として当面運休継続
事故が発生したグロリア線は、警察と検察による原因調査が最優先となります。現場検証や車両の撤去、そして事故原因と疑われるケーブルやブレーキシステムの検証には、数週間から数ヶ月単位の時間がかかる可能性があります。この路線の早期復旧は極めて困難と見るべきでしょう。
ビッカ線・ラヴラ線・グラサ線:安全点検のため無期限停止
事故を起こしていない他の3路線も、同様のケーブルシステムを採用しているため、安全が確認されるまで運行は再開されません。注目すべきは、1885年開業の古い路線と、2024年に開業したばかりの新しいグラサ線が同時に運休となっている点です。これは、設備の年数に関わらず、保守管理体制そのものにメスを入れるという市の強い意志の表れと言えます。
過去の運休事例から見る復旧期間の予測
過去のデータを見てみましょう。2018年にグロリア線で負傷者の出なかった脱線事故が起きた際も、復旧には約1ヶ月を要しました。また、通常の定期点検ですら30日以上かかることがあります。今回は全4路線の同時点検という前例のない事態です。元新聞記者としての私の見立てでは、少なくとも1ヶ月以上、場合によっては数ヶ月にわたる運休も覚悟しておく必要があると考えるのが現実的です。
知らないと困る!ケーブルカー代替ルートと移動手段完全ガイド
ケーブルカーが使えないからといって、リスボン観光を諦める必要は全くありません。坂の街リスボンには、魅力的な交通手段が他にもたくさんあります。ここでは、具体的な代替ルートを解説します。
サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台への3つのアクセス方法
グロリア線の目的地として人気のこの絶景スポットへは、以下の方法でアクセスできます。
- 徒歩:地下鉄駅から約15分の坂道です。体力に自信のある方向けですが、街並みを肌で感じる良い機会になります。
- バス:758番や709番のバスを利用すれば、比較的楽に丘の上まで行くことが可能です。
- タクシー/配車アプリ:最も簡単で確実な方法です。数人で利用すれば、料金もそれほど高くはなりません。
トラム28番線の混雑回避テクニック
観光客に絶大な人気を誇るトラム28番線は、もはや交通手段というより「走るアトラクション」です。ケーブルカー運休の影響でさらに混雑が予想されます。乗車するなら、始発駅で早朝(8時前)に乗るのが鉄則。日中は満員で途中乗車が困難なことも多いため、過度な期待は禁物です。
地下鉄・バス・タクシーの賢い使い分け術
リスボン観光の基本は、これらの交通機関の組み合わせです。主要な移動は地下鉄、ピンポイントの移動や丘の上へはバスやタクシー(Uber/Bolt推奨)と使い分けるのが賢い選択です。特に24時間乗車券は非常にお得なので、滞在日数に合わせて購入を検討しましょう。ただし、バスは時刻表通りに来ないことも多いので、時間に余裕を持ったプランニングが重要です。
プロが教える今だからこそ楽しめるリスボン観光の新発見スポット3選
「ケーブルカーに乗れないなら、リスボンの魅力は半減だ」——そう思うのは早計です。ちょっと待ってください、それって逆の発想もできるのではないでしょうか。この状況は、普段見過ごしがちなリスボンの新たな魅力に気づく絶好のチャンスでもあるのです。
ケーブルカー以外で絶景を楽しめる隠れビューポイント
リスボンには、ケーブルカーの終点以外にも素晴らしい展望台(ミラドウロ)が点在します。市内で最も高い場所にある「セニョーラ・ド・モンテ展望台」や、サン・ジョルジェ城からのパノラマビューは圧巻の一言。これらはトラムや徒歩でアクセス可能で、新たな発見があるはずです。
徒歩で巡る石畳の街並み散策コース
ケーブルカーに頼らず、自分の足で坂道を歩いてみませんか?ファド発祥の地アルファマ地区の迷路のような路地裏や、バイシャ地区から続く美しい石畳の道は、歩くことでしか感じられない発見に満ちています。街の呼吸や人々の生活の匂いを、五感で感じ取ってみてください。
地元民おすすめの坂道グルメスポット
坂道を登った後には、ご褒美が待っています。丘の上のバイロ・アルト地区には、本格的なファドが聴けるレストランが軒を連ね、アルファマ地区には地元民に愛される安くて美味しい魚料理の店が隠れています。自分の足でたどり着いた店で味わうグルメは、きっと忘れられない思い出になるでしょう。
よくある質問と回答
Q. 運休期間がさらに延長される可能性はありますか?
A. 可能性は十分にあります。点検作業で深刻な問題が見つかった場合、部品の交換や大規模な修復が必要となり、運休期間は大幅に延長されることが予想されます。当局の公式発表を注視する必要があります。
Q. ケーブルカーが動いていないと、リスボン観光の魅力は半減しますか?
A. いいえ、そんなことはありません。ケーブルカーはリスボンの魅力の一つですが、それが全てではありません。本記事で紹介したように、徒歩や他の交通機関を使えば、より深く、多角的にリスボンの街を楽しむことができます。むしろ、新たな発見の機会と捉えるべきです。
Q. 運休に関する最新情報はどこで確認できますか?
A. リスボンの公共交通機関を運営する「Carris」社の公式サイトや公式SNSアカウントが最も信頼できる情報源です。また、リスボン市観光局のウェブサイトでも、観光客向けの情報が発信される可能性があります。旅行前や滞在中に、定期的にチェックすることをお勧めします。
まとめと今後の展望
今回のリスボンのケーブルカー事故に端を発した全線運休は、旅行者にとって不便であることは間違いありません。しかし、この期間は、リスボン市が観光都市としての安全性を再構築するために必要な「生みの苦しみ」と捉えるべきでしょう。
私たち旅行者に求められるのは、この状況を冷静に受け止め、柔軟にプランを変更する対応力です。ケーブルカーに乗れなくても、リスボンの魅力が色褪せることはありません。むしろ、この機会に普段とは違うルートを歩き、自分だけのリスボンを発見する。そんな前向きな発想こそが、旅をより豊かにするのではないでしょうか。安全が確認され、再びあの黄色い車体が坂道を上り下りする日を待ちながら、今できる最大限の楽しみ方を見つけていきましょう。
参考文献
- NIT – Notícias de Informação e Turismo:Circulação nos elevadores da Bica, Lavra e Graça está suspensa (出典)
- SIC Notícias:Carlos Moedas manda suspender operações dos ascensores da Bica e do Lavra e do Funicular da Graça (出典)
- Euronews:Lisbon funiculars suspended after accident kills 17 people (出典)
- Time Magazine:What to Know About the Lisbon Funicular Crash (出典)
- Travel Vision:サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台への「ケーブルカー」運休情報 (出典)
- Note – harukainportugal:リスボンの移動手段を徹底解説!トラム・バス・電車で効率よく観光する方法 (出典)
- Wikipedia:Ascensor da Glória derailment (出典)


