【Expedition 33】AI生成発覚でIndie Game Award受賞取り消しの真相!どこに使われていたのか?

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エンタメ

2025年、インディーゲーム界を揺るがす大きな事件が発生しました。圧倒的なグラフィックで話題をさらった期待作『Clair Obscur: Expedition 33』が、受賞していた「The Indie Game Awards」のタイトルを突如として剥奪されたのです。

理由は「開発プロセスにおける生成AIの使用」

「えっ、あの超絶グラフィックはAIだったの?」と驚く方もいるかもしれませんが、事実はもう少し複雑です。
今回は、元プログラマーである私、村上陽介が、「なぜ受賞取り消しに至ったのか」「具体的にゲームのどの部分にAIが使われていたのか」について、技術的な背景を交えて解説します。

何が起きたのか?受賞から剥奪までの時系列まとめ

まずは、事態の経緯を時系列で整理しましょう。今回の騒動は、大手アワード「The Game Awards」ではなく、インディーゲームに特化した「The Indie Game Awards(Six One Indie主催)」で発生しました。

  • エントリー時
    開発元のSandfall Interactiveは、アワードの規約にある「生成AIの使用有無」に対し、「使用していない」としてエントリーを行う。
  • 授賞式当日
    『Expedition 33』が「Game of the Year(大賞)」と「Debut Game」の2冠を達成。華々しく称賛される。
  • 問題発覚
    同日、プロデューサーの過去のインタビューや発言から「開発初期にテクスチャの仮素材(プレースホルダー)として生成AIを使用していた」という事実が確認される。
  • 運営の判断
    運営委員会は「開発のいかなる段階でも生成AIの使用を禁止する」という厳格なルールに基づき、受賞の取り消し(失格)を決定。
  • 結果
    受賞タイトルは次点作品であった『Blue Prince』と『Sorry We’re Closed』にそれぞれ変更された。

なぜ起きた?「完成品」と「プロセス」の認識のズレ

この事件の核心は、「AIを使った」という定義の解釈の違いにあります。

1. どこにAIが使われていたのか?

ユーザーの皆さんが一番気になるのはここでしょう。結論から言うと、私たちが遊ぶ製品版(またはトレイラー)の映像に、AI生成物は含まれていないとされています。

開発元が認めた使用箇所は以下の通りです。

  • 用途:開発初期の「プレースホルダー(仮置き素材)」としてのテクスチャ。
  • 状況:ゲームの動きやシステムを確認する際、正式なデザインが決まるまでの間に「とりあえず貼っておく画像」としてAI生成画像を使用。
  • 処置:製品版に向けて開発が進む段階で、これらのAI素材はすべて人間のアーティストが作成した正規データに差し替え(削除)られた。

2. プログラマー視点の解説:なぜ仮素材でAIを使った?

ここからは私の推測も入りますが、開発現場ではよくある話です。
プログラムを組む際、デザイナーからの正式な画像データが届くのを待っていると作業が止まってしまいます。そのため、これまではフリー素材や適当な図形で代用していましたが、最近では「Midjourneyなどでそれっぽい画像を生成して仮置きする」ほうが、完成イメージが掴みやすく効率的であるケースが増えています。

開発元としては「最終的な製品には残っていないから、AIは使っていない(ノーカウント)」という認識だったのでしょう。

なぜ「仮素材」でもアウトになったのか?

ここが今回の最大の論点です。アワード運営側は非常に厳格なポリシーを持っていました。

「The Indie Game Awardsは、ノミネートプロセスおよび式典全体を通じて、生成AIの使用に対して断固たる姿勢をとっています。(中略)アセットが修正(削除)されたとしても、それは我々が定めた規定に違反します」
※運営声明の要約

つまり、アワード側にとっては「完成品に残っているかどうか」ではなく、「クリエイティブな工程のどこかで、人間の仕事をAIに代替させた事実があるか」が重要だったのです。開発プロセスの一部分でもAIに頼ったのであれば、それは「純粋な人間の創作物(としてこの賞で評価するもの)」ではない、という判断です。

まとめ:今後のインディーゲーム界への影響

今回の『Expedition 33』の受賞取り消し騒動は、業界に大きな教訓を残しました。

  • 開発者への教訓
    「最終的に消せばOK」は通用しない場合がある。特にアワードやコンテストでは、規約の「使用」の定義(プロセスを含むか否か)を厳密に確認する必要がある。
  • ユーザーへの事実
    『Expedition 33』の製品版のクオリティが「AIによる手抜き」であるわけではない。あくまでコンテストのレギュレーション違反であり、ゲーム自体の面白さや、最終的なグラフィック(Unreal Engine 5の技術力)が否定されたわけではない。

一部では「厳しすぎる」という声もありますが、クリエイターの権利保護を重視するインディー界隈ならではの判断だったと言えます。
ゲームそのものは非常に期待値の高い作品ですので、今回の騒動と作品の質は切り離して見る冷静さが、私たちゲーマーにも求められています。

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