「今年の年末、京都のホテルが信じられないほど高い」——そんな噂がネット上を飛び交う一方で、ニュースでは「中国人客のキャンセル相次ぐ」「ホテル代が暴落」という報道も出ており、情報が錯綜しています。
結論から言えば、現在の京都は「高級ホテルは高騰し続けているが、中級ホテルは値崩れを起こしている」という極端な二極化(ポラライゼーション)の状態にあります。なぜこのような現象が起きているのか、そして「中国人観光客の減少」は価格にどう影響しているのか、2025年末の最新事情を解説します。
何が起きたのか:2025年末の「京都異変」時系列
まずは、直近数ヶ月で京都の観光市場に何が起きたのかを整理します。
- 2025年10月頃:
紅葉シーズンに向け、宿泊予約は好調。ホテル価格は強気の設定(高騰)が続く。 - 2025年11月:
「チャイナショック」発生。日中関係の冷却化を背景に、中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけたとの情報が流れる。 - 2025年12月上旬:
中国国営メディアなどが「日本行きの航空券キャンセルが54万件超」と報道。実際に京都のホテルでも中国人団体客のキャンセルが相次ぐ。 - 現在(12月26日):
空室を埋めるため、一部のホテル(特に中級・ビジネスホテル)が年末年始の価格を急遽値下げする動きが出ている。
詳細検証:「中国人客減少=値上げ」は本当か?
ユーザー様が気にされている「中国人客が減ったから値上げしたのでは?」という説ですが、経済原理(需要と供給)からすると、これは「誤り」である可能性が高いです。
1. 基本的には「客が減れば値下げ」が正解
中国人観光客(特に団体客)が減れば、空室が増えます。ホテル側は空室を埋めるために価格を下げるのが通常です。実際、報道によると中価格帯のホテルでは「1泊1万円以下」のプランが再登場するなど、値崩れが起きています。
2. なぜ「値上げ」と感じるのか?(3つの要因)
では、なぜ「大幅な値上げ」という印象があるのでしょうか。それは、以下の要因が絡み合っているためです。
- 欧米豪の富裕層は減っていない:
円安効果もあり、アメリカやヨーロッパからの観光客は依然として活発です。彼らが好む「ラグジュアリーホテル」や「有名旅館」は、中国人の動向に関係なく強気の価格設定(1泊10万円以上など)を続けています。 - 人手不足による「売り止め」:
清掃スタッフやフロント係が足りず、全客室を稼働させられないホテルが多発しています。「満室」に見えても実は部屋が余っている状態ですが、供給数を絞っているため単価は下がりません。 - 単価向上戦略へのシフト:
一部のホテルは、減ってしまった団体客(薄利多売)を追うのをやめ、少数の富裕層から高く取る戦略に切り替えました。これが「客は少ないのに高い」という現象を生んでいます。
つまり、「中国人が減ったから値上げした」のではなく、「中国人が減って空いた穴を埋めるために単価を上げる戦略に出たホテル」と「埋まらないから値下げしたホテル」に分かれたというのが正確な状況です。
これで日本人観光客は増えるのか?
「中国人が減ってホテルが安くなれば、日本人が行きやすくなるのでは?」という期待については、半分正解で半分間違いと言えます。
チャンスはあるが「心理的ハードル」が高い
- 【朗報】中級ホテルは狙い目:
ビジネスホテルや中堅シティホテルは、直前割などで安く泊まれるチャンスが増えています。「京都は高すぎて無理」と諦めていた層には朗報です。 - 【悲報】物価と混雑は変わらず:
ホテル代が下がっても、京都市内の飲食代や拝観料はインフレで上昇しています。また、有名な観光地(清水寺など)は、欧米系観光客や修学旅行生で依然として混雑しており、「静かな京都」が戻ってきたわけではありません。 - 日本人の財布の紐は固い:
実質賃金の伸び悩みもあり、いくらホテルが多少安くなっても、旅費全体で見ると「高い」と感じる日本人は多く、劇的な日本人客のV字回復には至らないと予測されます。
まとめ
2025年末の京都ホテル事情は、単純な「値上げ」一辺倒ではありません。
- 中国人客減少の影響:中級・ビジネスホテルを中心に「値下げ(価格崩壊)」を引き起こしている。
- 値上げの正体:欧米客向けの高級ホテルや、人手不足による供給制限が原因。中国人減少が直接の原因ではない。
- 日本人の動向:安くなったホテルを利用する層は戻るかもしれないが、エリア全体の物価高もあり、完全な回帰には時間がかかる。
もし年末年始に京都旅行を検討されている場合は、予約サイトで「直前値下げ」を行っている中級ホテルを探すと、思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれません。


