えっ、それってアリなの？――今、SNSで話題になっているのが“タイミー営業”。
スキマバイトの現場で本業の営業活動をするという、なんとも絶妙な立ち回りが注目を集めています。
今回はこの“タイミー営業”について、実際の体験談やSNSの声をもとに、その実態やリスク、ちょっと笑える（？）エピソードまでまるっとご紹介します。
副業が当たり前になりつつある今、あなたも他人事じゃないかも…？
最近話題の“タイミー営業”って何？
まずはこの“タイミー営業”というちょっとクセのある言葉が何を指しているのか、わかりやすく解説していきます。
ニュースで話題になった事例をざっくり解説
“タイミー営業”とは、単発バイトアプリ「タイミー」で働きながら、本業の営業をしちゃうというちょっとグレーな行為。
たとえば――
ある飲食店が人手不足でタイミーを使って人材を募集。そこに現れたのは、笑顔が素敵ないちご農家さん。
「実はいちご農家をやっていて…」と話していたところ、なんとその飲食店がコラボスイーツを開発する話に！
このように、本来の業務中に自分のビジネスを売り込むことで、偶然にも商談につながるケースが出てきているんです。
ただし、これはあくまで“成功例”。
中には「タイミーで雇った人に営業された！」「業務と関係ない話をされて不快だった」など、戸惑う声も少なくありません。
SNSでの賛否両論まとめ
では、実際にSNSではどんな声が上がっているのでしょうか？
“タイミー営業”に対する意見は大きく分けて次の2つ。
中でも、「宗教の勧誘やMLMっぽい話をされたら怖い」という声も。
実際、今のところ明確なトラブル報告は少ないですが、短期バイトという性質上、何かしらの勧誘トラブルが起きやすい構造でもあります。
一方で、「農家が市場調査のために飲食店に入ってるのって、むしろ賢い活用法じゃない？」といったマーケティング的視点からの意見もあり、賛否はかなり分かれています。
実際に“タイミー営業”してる人ってどんな人？
では、この“タイミー営業”を実際にやっているのはどんな人たちなのでしょうか？ 体験談やSNS投稿から見えてきた実像を掘り下げてみましょう。
農家・個人事業主・副業営業マン…体験談から見える実像
「農業の閑散期にタイミーで働いている」という方は意外と多いです。
その中で「自分はいちご農家で…」と軽く話したことが、思わぬビジネスチャンスにつながったというケースも。
また、飲食業や製造業など、タイミーで得られる“現場体験”をマーケティングに生かしたいと考える個人事業主も増えています。
いわば「リサーチを兼ねた副業」みたいな感覚ですね。
一部では、「副業営業マン」がタイミーを活用して接点を広げようとする例もあるようですが、現場での営業行為は原則NG。
あくまで“雑談の中でチャンスがあれば”というレベルにとどめておくのが、今のところの“暗黙のルール”のようです。
宗教やMLM、怪しい勧誘目的のケースも？
明確な証拠は出ていませんが、「実際にMLM（ネットワークビジネス）っぽい勧誘をされたことがある」という口コミはちらほら見られます。
たとえば、「肌荒れにはこの化粧品がいいよ〜」から始まって、「もし興味あれば紹介するよ！」みたいなパターン。
一見フレンドリーですが、こうした勧誘は労働環境の安心感を損ねかねません。
また、勧誘目的でスポットバイトを利用し、職場のLINEグループに入り込む…といった話も都市伝説のように語られています。
もちろん、タイミーの利用規約では営業・勧誘は禁止されていますので、発覚すればアカウント停止の対象になります。企業側はどう思ってる？「迷惑だった」「商談につながった」本音
“タイミー営業”は、ワーカー側の視点ではチャンスでも、企業側から見るとどうでしょうか？
実際のコメントや事例をもとに、雇う側の本音をのぞいてみましょう。
雇用主の困惑コメントから見える現場の声
SNSやコメント欄では、「バイト中に自社のビジネスの話を延々とされた」「展覧会でブースを出してたら営業目的の人が来た」など、ちょっと戸惑う声がいくつか見られます。
「本業の営業をしたいなら、まず事前に連絡してほしい」「業務の時間を使って話を持ちかけるのは違うんじゃない？」といった指摘もあり、やはり勤務中の営業行為には慎重な声が目立ちます。
また、勤務中に営業されると「本来の業務に集中してくれてない」と見なされるケースも。
とくに接客業では、タイミーで雇った人が自社とは関係のない話をお客さんにしてしまい、企業の信用を損なうリスクもあるんです。
企業としては「営業される場ではない」という認識が強く、“タイミー営業”が定着するのは難しそうな雰囲気です。
「営業されてよかった」意外なポジティブ事例
…とはいえ、全部がネガティブな反応ばかりではありません。
たとえば、農家がスイーツ工場で働いていた際、「うちのいちごを使った商品を一緒に開発してみませんか？」と話が進んだ例も。
これは「偶然の出会いがビジネスにつながった」レアな成功パターンと言えるでしょう。
また、短期バイトで働いた人の働きぶりが評価され、「うちの会社で長期で働かない？」と声をかけられたケースもあります。
この場合は“営業”とは少し違いますが、タイミーが出会いの場として機能した好例です。
要するに、「相手に迷惑をかけない範囲でのアプローチ」は、歓迎される可能性もあるということ。
大切なのは、タイミーの場が“本業の商談の場”ではないことをしっかり理解しておくことですね。
副業ブームの中で、何が“OKライン”で何がNG？
ここまでで、“タイミー営業”には賛否があることがわかってきました。
では、副業が当たり前になった今、何がセーフで何がアウトなのか？その境界線を見ていきましょう。
「職務専念義務」ってどこまで守らないとダメ？
“職務専念義務”という言葉、聞いたことありますか？
これは「勤務時間中は仕事に集中してくださいね」という、労働者としての基本ルールのこと。
たとえば、8時間働く契約をしているのに、そのうちの30分を本業の営業トークに使っていたらどうでしょう？
それは「契約違反」にあたる可能性があります。
実際、企業の就業規則には「業務と関係ない活動は禁止」と書かれていることが多く、副業OKの会社でも、勤務中の営業活動には厳しい目が向けられます。
つまり、“タイミー営業”が意図的であればあるほど、リスクも高まるというわけです。
うまくやるには？迷惑をかけない“賢い副業術”
とはいえ、「せっかくの出会いをチャンスに変えたい」という気持ちもわかりますよね。
そこで、トラブルを避けつつ、うまく立ち回るための“賢い副業術”を紹介します。
たとえば…
- あくまで業務優先、営業トークは雑談レベルにとどめる
- 相手が興味を持ったときだけ、名刺を渡す or SNSを教える
- 「この場所では営業しません」と明言して信頼を得る
また、タイミーの利用規約では営業活動が明確に禁止されているため、やり方次第ではアカウント停止になるリスクも。
営業をしたい場合は、タイミー以外の機会で行うのがベターです。
営業目的ではなく、「現場を見る」「マーケティングの勉強をする」など、学びや情報収集を目的にするなら副業としても非常に有効です。
農家が飲食店の動向を探るように、自分のビジネスに役立つ体験をしにいくのは、ある意味“攻めの副業”とも言えます。
まとめ
“タイミー営業”は、いわば副業時代のグレーゾーン。
うまく使えば新たなチャンスになるけれど、間違えれば信用を失うリスクもある――そんな諸刃の剣です。
とくに「勤務中の営業活動」はNG行為と見なされる可能性が高く、慎重な対応が求められます。
副業が当たり前になった今だからこそ、「どこまでがOKか」を自分でしっかり考え、“相手の立場に立った行動”を心がけることが何より大事なのかもしれませんね。
あなたなら、“タイミー営業”、どう考えますか？
📌 近藤 健太郎｜フリーライター（元新聞記者）
社会・経済系の話題を柔らかく解説するスタイルが得意。時事ネタもわかりやすく、読者目線で届けます。
