フィリピンのある都市で、市長が中国のスパイである疑惑が浮上し、大きな注目を集めています。
この市長がどのようにして市長の座に就いたのか、なぜこのような疑惑が持ち上がったのか、その背後にある驚きの事実を徹底解説します。
フィリピンで女市長が中国のスパイだった事件が発生!
フィリピンの首都マニラ北部に位置するバンバン市で、市長を務めていたアリス・グォ氏が中国のスパイである疑惑が浮上しました。
2022年に市長に当選した彼女は、庶民派をアピールして市民からの支持を得ていましたが、出生や就学を証明する書類が一切存在しないことが判明しました。
さらに、2024年3月に違法なオンラインカジノが摘発された際、アリス市長の指紋が中国人女性グォ・ファピン氏のものと一致し、スパイ疑惑が持ち上がったのです。
市長がスパイはなぜ起きたか?中国とのつながり
フィリピンで市長を務めていたアリス・グォ氏が中国のスパイとして活動していた経緯や、違法なオンラインカジノとの関係を詳しく説明します。
アリス・グォが中国のスパイだと発覚した経緯
アリス・グォ氏は2022年にバンバン市の市長に当選しましたが、彼女の経歴には多くの疑問がありました。
2024年3月、フィリピン警察がバンバン市内のオンラインカジノを摘発した際、カジノの土地の半分を所有していたのがグォ市長でした。
グォ市長を捜査し指紋を調べると、2003年にフィリピンに入国した中国人女性グォ・ファピン氏のものと一致しました。
これにより、彼女が中国のスパイである可能性が高まりました。
違法なオンラインカジノとは
バンバン市内で摘発された違法なオンラインカジノは、中国人を主な顧客として運営されていました。
フィリピンでは賭博が禁止されているにもかかわらず、こうしたカジノが多数存在し、しばしば違法ビジネスの温床となっています。
グォ市長がカジノの株式の半分を所有していたことから、彼女が違法な活動に関与していることが明らかになり、さらなる捜査が進められました。
市長は背乗りで成りすましスパイ活動をしていた
アリス・グォ市長が中国のスパイであると判明した背景には、彼女が他人の身分を乗っ取って成りすましていた「背乗り」という行為がありました。具体的な手口や、その影響について詳しく解説します。
背乗りとは何か?
「背乗り(はいのり)」とは、工作員や犯罪者が他人の身分や戸籍を乗っ取って、その人物になりすます行為を指します。
架空の人物を偽装するのではなく実際にいる人物に成りすますので、バレにくくなる効果があります。この手口を使うことで、正体を隠しつつ活動することができます。
スパイ活動では特に利用されることが多く、他人になりすますことで監視を逃れたり、秘密裏に活動したりすることが可能になります。
背乗りの手口は?
アリス・グォ市長の指紋が、2003年にフィリピンに入国した中国人女性グォ・ファピン氏のものと一致したことから、彼女が他人の身分を乗っ取っていたことが明らかになりました。
グォ・ファピン氏は12歳の時にフィリピンに来て、何らかの手段で本物のアリス・グォさんに成りすましました。
この手口を「背乗り」と呼びます。背乗りされた実際のアリス・グォさんは行方不明となり、彼女の身分が利用されましたが、詳細な経緯やその後の運命は不明です。
この背乗り行為により、グォ市長はフィリピンの市長という立場を利用して中国のスパイ活動を行っていたとされています。
彼女の経歴が疑問視された結果、捜査が行われ、指紋の一致から彼女の正体が暴かれました。この事件はフィリピン国内だけでなく、国際的にも大きな話題となり、スパイ活動の実態を浮き彫りにしました。
フィリピンのバンバン市はどこにある?
フィリピンのバンバン市はどこに位置しているのか、その地理的特徴について解説します。この都市の位置や周辺の環境について理解を深めましょう。
バンバン市の場所
バンバン市(Bamban)は、フィリピンのタルラック州に位置する第2級自治体です。
首都マニラから約99キロメートル、タルラック市からは約25キロメートルの距離にあります。
2020年の国勢調査によれば、人口は約78,260人です。バンバン市は、パルア川に沿って広がり、その川は灌漑用水、食料、建設資材の砂利を供給する重要な資源です
歴史と文化
バンバン市の名前の由来は、かつてこの地域に広がっていたバンバン植物(Donax canniformis)にちなんでいます。
この地域は、スペイン統治時代以前から人々が定住し、農業を営んできました。
1700年頃には、アウグスチノ修道会が「バンバンの人々の使命」(Mission de Pueblos de Bamban)を設立しました。当初はパンパンガ州の一部でしたが、1837年にタルラック州の一部となりました。
バンバン市の見どころ
バンバン市には、歴史的な遺産や観光名所が数多く存在します。
例えば、「サント・ニーニョ教会」は1812年に創立され、地域の歴史と文化を象徴する重要な建物です。
また、「バンバン洞窟」と「マタユムタイム井戸」は、スペイン統治時代や第二次世界大戦中に重要な役割を果たしました。これらの遺産は、歴史的な価値が高く、多くの観光客を引きつけています。
バンバン市は、その豊かな文化と歴史的背景から、訪れる人々にとって魅力的な場所となっています。地域の伝統行事や祭りも多く、住民のコミュニティ意識が強く感じられる都市です。
日本でも起きた背乗り黒羽・ウドヴィン事件とは?
黒羽・ウドヴィン事件は、1965年に福島県で失踪した日本人男性、黒羽一郎に成りすましたロシアのスパイが、30年以上にわたり日本国内外でスパイ活動を行った事件です。
工作員は、黒羽の身分を乗っ取り、日本やアメリカの軍事情報や産業技術を収集していました。
1995年にCIAの情報提供で事件が発覚し、警視庁は家宅捜索でスパイ活動の証拠を押収。
しかし、スパイ本人は逮捕されず、事件は未解決のままです。黒羽の妻もソ連のエージェントとして活動しており、二重生活を送っていたことが確認されました。この事件は、日本国内でのスパイ活動の危険性を浮き彫りにしました。
まとめ
フィリピンで起きた女市長アリス・グォのスパイ事件は、衝撃的な内容とその広がりで注目を集めました。
中国のスパイとして活動していた彼女は、偽の経歴と背乗りにより市長の地位を獲得し、違法なオンラインカジノを通じて資金を動かしていたとされています。
この事件は、中国とフィリピンの緊張関係をさらに深め、日本でも背乗り事件が実際に起きていることを改めて認識させました。私たちは、情報の信頼性と安全保障の重要性を再確認する必要があります。