野球ファンなら誰もが知っている、大谷翔平選手。彼の規格外のホームランを見ると、「一体どうしたらあんなに飛ばせるんだろう?」と不思議に思いますよね。実は、その秘密は彼が2025年シーズンから使い始めた、常識外れの35インチという長いバットに隠されているんです。
この記事では、なぜ大谷翔平が35インチのバットを使うのか、その理由を物理学的な観点から徹底解説します。さらに、一般のプレイヤーが憧れの長尺バットを試す際の注意点や、段階的な取り入れ方まで、あなたの野球上達に役立つ情報をたっぷりとお届けします。
さあ、大谷選手のバッティング理論を一緒に解き明かしていきましょう。
常識を覆す!大谷翔平が35インチの”物干し竿”バットを選ぶ3つの科学的理由
大谷選手が2025年シーズンから使用している35インチ(約88.9cm)のバットは、メジャーリーグでも最長クラスです。身長201cmのアーロン・ジャッジ選手ら、ごく一部の選手しか使わない規格外のサイズで、ドジャースのコーチ陣からも「長すぎるのでは?」と心配されるほどです。
大谷翔平のバットサイズ変遷とその効果
大谷選手は、ここ数年でバットのサイズを着実に変化させています。2022年までは33.5インチ、2023年には34.5インチへと伸ばし、再び34インチに戻すなど、シーズンごとに微調整を繰り返していました。そして2025年、ついに過去最長の35インチという選択に至ったのです。
どういうことかというと、このサイズアップは単なる気まぐれではなく、飛距離と打球速度のさらなる向上を追求した、科学的なアプローチなんです。実際に35インチのバットを使用した2025年3月のオープン戦では、メジャー最速記録を更新する打球速度190.7キロをマークしました。このことからも、このバットが彼の打撃にどれだけ好影響を与えているかがわかります。
メジャーでも異例!35インチバットの圧倒的メリット
なぜ大谷翔平は、あえてこの35インチという長いバットを選ぶのでしょうか。その主な理由は、以下の3つの科学的なメリットにあります。
- リーチ拡大効果:バットが長くなることで、従来届かなかった外角の球にまでバットが届きやすくなり、広いストライクゾーンを完全にカバーできます。
- 遠心力による破壊力:長いバットほどスイング時の遠心力が増し、ヘッドスピードが向上するため、打球の初速と飛距離が劇的にアップします。
- 重量による慣性力:32オンス(約907g)という重さが、打球に強力な慣性力を与え、投手の球威に負けない打撃を可能にします。
これは「てこの原理」と同じで、支点から先端までの距離が長いほど、先端部分の速度が上がります。この物理学的な優位性を最大限に活用することで、大谷選手は自己最高の飛距離記録をさらに更新する可能性を秘めているのです。
ジャッジも認める長尺バットの物理学的優位性
実は、この長尺バットの優位性は、大谷選手だけでなく、メジャーリーグの強打者たちも認めているんです。同じく35インチのバットを愛用するアーロン・ジャッジ選手は、「腕が長い打者は、遠心力を活かしてフィールド全体に強い打球を飛ばせる」と語っています。
どういうことかというと、身長193cmを超えるような体格を持つ選手にとって、短いバットは「ゾーンを素早く通り過ぎてしまい、芯で捉えにくい」というデメリットがあるんです。その点、長いバットはスイング軌道が安定しやすく、体格を最大限に活かした打撃が可能になります。ジャッジ選手も35インチバットでア・リーグ新記録となる62本塁打を達成しており、この事実が長尺バットの物理学的優位性を裏付けています。
プロが明かす!35インチバットが生み出す驚異の飛距離アップ効果
長尺バットは、打球の飛距離を劇的に伸ばすための物理法則を味方につけています。ここでは、その効果をより具体的に見ていきましょう。
遠心力とヘッドスピードが生む破壊力の秘密
バットの長さをわずか2.5cm伸ばすだけで、スイング時の遠心力は理論上約3%向上すると言われています。この遠心力の増加が、打球初速を押し上げ、驚異的な飛距離を生み出す鍵なんです。
どういうことかというと、遠心力によってバットの先端が加速し、硬いメープル材のバットが持つ反発力と組み合わさることで、ボールに伝わるエネルギーが最大化されます。これは、重いバットほど一度加速すると止まりにくい「慣性モーメント」の理論とも一致し、投手の球威に打ち負けることなく、力強いスイングを可能にしているのです。実際に、大谷選手は34インチのバットを使っていた時よりも、35インチに切り替えてから明らかに打球速度が向上しています。
打席カバー範囲拡大で外角球も楽々ヒット
長尺バットのもう一つの大きなメリットは、打席での対応範囲が飛躍的に広がる点です。たった2.5cmの違いでも、バットが外角に届く範囲が広がり、これまで手が出しにくかったコースの球にまで対応できるようになります。
これはつまり、メジャーリーグの投手が多用する外角への配球を、大谷選手が完全に攻略できることを意味します。投手の心理からすれば、「どこに投げてもヒットにされてしまうかもしれない」という恐怖感を与えることになり、結果として投手の配球パターンを制限させ、打者有利の状況を作り出すことができるんです。
チャンドラー社製バットが支える大谷のパワー
大谷選手のパワーを最大限に引き出しているのが、彼が2023年から使用しているチャンドラー社製のバットです。このバットには、彼のために特別に開発された技術が詰まっています。
どういうことかというと、チャンドラー社独自の「XP」という特殊硬化処理は、バットの硬度を通常の2倍に高めます。さらに、反発力が高い最高級のハードメープル材を厳選して使用することで、飛距離を最大限に伸ばすための最高の「ツール」となっています。この大谷翔平のバットは、アーロン・ジャッジのモデルをベースに改良された、世界に一つしかない専用仕様なんです。
あなたには向かない?35インチバットの知られざるデメリットと対策法
ここまで読んで、「自分も大谷翔平のような35インチのバットを使ってみたい!」と思った方もいるのではないでしょうか。しかし、正直にお伝えすると、35インチのバットは誰にでも向いているわけではありません。ここからは、そのデメリットと、もし挑戦するならどうすれば良いかを解説します。
長尺バットが要求する驚異的な筋力とスイング技術
35インチのバットは、非常に高い筋力とスイング技術を要求します。メジャーリーガーですらごく一部の選手しか使わないのは、その扱いが極めて難しいからです。このバットを使いこなすには、単に腕力があるだけでなく、強靭な体幹や下半身の筋力、そして何よりもスイングスピードを維持する技術が不可欠です。
どういうことかというと、長いバットほどスイング時のブレが大きくなり、正確にボールを捉えることが難しくなります。さらに、重さがあるため、試合後半になると疲労が蓄積しやすく、パフォーマンスの低下や怪我のリスクも高まります。そのため、独学でいきなり35インチに挑戦するのは、現実的ではないと言えるでしょう。
バットコントロールの難しさと習得期間
長いバットは、慣れるまでに相当な時間がかかります。プロの打撃コーチによると、たった1インチ(約2.54cm)サイズを伸ばすだけでも、バットコントロールの習得には最低でも半年から1年間の調整期間が必要になると言われています。ミート率が大幅に低下する可能性も高く、うまく振れない期間が続くことで、自信を失ったり、スランプに陥ってしまうリスクもあるんです。
長尺バットは、あくまでも大谷選手のようなトップレベルの筋力と技術があるからこそ、その効果が最大限に発揮されるツールなんです。安易に真似をしてしまうと、かえって打撃フォームを崩してしまうことにも繋がりかねません。
一般プレイヤーが実践できる段階的長尺化メソッド
「それでも、いつか長尺バットに挑戦してみたい!」という熱い想いを持つ方のために、現実的なアプローチをご紹介します。
- ステップ1:まずは現在使っているバットから、0.5インチだけ長いバットに挑戦してみましょう。
- ステップ2:その長さで、しっかりとしたスイングができるようになったら、さらに0.5インチ長いバットへステップアップします。
- ステップ3:バットのサイズアップと並行して、体幹や下半身を鍛える筋力トレーニングも欠かさず行いましょう。
このように段階的にステップを踏むことで、体への負担を減らしながら、長尺バットを振りこなすための技術と筋力をじっくりと養うことができます。焦らず、自分のペースで取り組むことが成功への近道ですよ。
よくある質問と回答
Q. 一般的なアマチュア選手に最適なバットの長さはどれくらいですか?
A. 一般的には、身長から100cmを引いた数値が目安となります。例えば、身長170cmの方であれば、約70cm(27.5インチ)が適正サイズです。しかし、最終的には個人の体格やスイングスタイルによって最適な長さは異なりますので、実際に振ってみてしっくりくるものを選ぶことが大切です。
Q. 大谷選手がバットメーカーをアシックスからチャンドラー社に変更した理由は何ですか?
A. 契約期間が満了したことに加え、チャンドラー社のバットが持つ「硬さ」と「反発力」を求めての変更だと言われています。特に、同社独自の特殊硬化技術が、彼の求める高いレベルの打球速度と飛距離に繋がっていると考えられます。
Q. 35インチバットを使うと、本当に打率が上がりますか?
A. 必ずしも打率が上がるとは限りません。むしろ、バットコントロールが難しくなるため、ミート率が一時的に下がる可能性が高いです。長尺バットは、ミート率よりも「より遠くへ飛ばす」ことを目的としたツールであり、打率を求める場合は、より扱いやすいサイズのバットを選ぶ方が良いでしょう。
まとめ:明日からどう変わる?今後の展望と使い方
今回は、大谷翔平選手がなぜ35インチのバットを使うのか、その驚くべき理由を深掘りしました。今回の記事のポイントは以下の通りです。
- 大谷翔平のバットは、リーチ拡大や遠心力向上といった物理的な優位性を追求するために35インチにたどり着いた。
- 長尺バットは、大谷選手のようなトップアスリートの筋力と技術があって初めて、その真価を発揮する。
- 一般プレイヤーが挑戦する場合は、無理をせず、段階的にサイズアップしていくことが怪我なく上達するための鍵である。
憧れの選手と同じ道具を使うことは、野球を上達させる上で大きなモチベーションになります。しかし、重要なのは「なぜその道具を使うのか」という背景を理解することです。ぜひ今回の記事を参考に、ご自身の野球道具選びを、より科学的で戦略的な視点から考えてみてください。きっと、新たな発見があるはずです。
参考文献
- サイト名:スポーツニッポン:ドジャース・大谷 さらなる進化へ 昨季より2.54センチ長い新たな”物干し竿”35インチ (出典)
- サイト名:スポーツニッポン:伸ばした「大谷の1インチ」 長尺34.5インチの世界一バットで (出典)
- サイト名:スポーツニッポン:ヤンキース・ジャッジ独占インタビュー 長尺バットで飛ばす極意 (出典)
- サイト名:翔太水’s BLOG:大谷翔平が愛用するバットメーカーは?バットの秘密とその理由を徹底解説 (出典)
- サイト名:Authentico:大谷翔平が使うバットとグローブのメーカーは?こだわりの道具を徹底解説 (出典)
- サイト名:デイリースポーツ:【野球】”大谷効果”はバット市場にも影響 今季からメーカー変更→「硬い。エグい」米チャンドラー社に熱い視線 (出典)
- サイト名:Full-Count:大谷翔平の一発に表れた「2.5cmの効果」 専門家が見た長尺バットの威力 (出典)
- サイト名:Number:大谷翔平、ジャッジも使用「あの黒いバット」の正体は? 日本の担当者に聞いた (出典)
- サイト名:東洋経済オンライン:大谷翔平の「チャンドラー社バット」日本で流行へ (出典)
- サイト名:FMVスポーツ:バレル率 バットの重心 大谷翔平 村上宗隆 (出典)


