「えっ、あのミュゼが!?」大手脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の突然の休業と給料未払い問題、本当に衝撃的でしたよね。でも、これって決して他人事じゃないかもしれません。「まさか自分の会社が…」なんて思っていても、気づかないうちに危険なサインが出ている可能性だってあるんです。
この記事では、ミュゼの事例をきっかけに、あなたの会社が大丈夫か見極めるための「ヤバい会社」の7つの危険な兆候を、元新聞記者の視点から分かりやすく解説します。この記事を読めば、万が一の時に自分の身を守るためのヒントが見つかるはずです。
他人事じゃない!ミュゼで今、何が起きているの?
「ミュゼプラチナム」といえば、全国に店舗を展開する有名な脱毛サロン。その大手企業が、まさかの事態に陥っているんです。一体、何が起きているのでしょうか?
大手脱毛サロンが突然の休業…
まず驚いたのが、2025年3月末からの全店舗一時休業の発表です。背景には、なんと2024年末頃から給料の支払いが遅れたり、支払われなかったりする問題が続いていたようです。一部の従業員さんが自主的に休業する事態にまで発展し、さらに経営トップの役員が全員解任されるなど、内部はかなり混乱している様子がうかがえます。これは穏やかではありませんね…。
「給料3ヶ月未払い」従業員の悲痛な叫び
さらに深刻なのが、従業員の方々の状況です。「給料が3ヶ月も支払われていない」「生活が困窮している」といった悲痛な声が報じられています。毎日頑張って働いているのに、お給料がもらえないなんて…。信じられない話ですが、これが現実として起こっているわけです。
生活がかかっている従業員の方々の心境を思うと、本当に胸が痛みます。
あなたの会社は大丈夫?「ヤバい会社」7つの危険サイン【元従業員の証言より】
ミュゼの件は確かに衝撃的ですが、「うちの会社は大手だから安心」「まさか給料未払いなんて…」と油断は禁物かもしれません。実は、会社が危なくなる前には、いくつかのサインが出ていることが多いんです。元従業員の方の証言なども参考に、見過ごしがちな「ヤバい会社」の危険なサインを7つ、見ていきましょう。
【サイン1】ありえない経費削減が始まる(例:トイレットペーパー、飲み物)
まず分かりやすいのが、経費削減の動きです。もちろん、健全なコストカットは必要ですが、「え、そこまで削る!?」と驚くような削減が始まったら要注意かもしれません。
たとえば、今まで普通に補充されていたトイレットペーパーや共有スペースの飲み物が急になくなったり、質が極端に落ちたり…。必要な備品や投資まで削り始めるのは、資金繰りがかなり厳しくなっているサインである可能性があります。
【サイン2】給料日や経費精算がなぜか遅れる…
これはかなり危険なサインと言えるでしょう。給料日にきちんと給料が支払われない、立て替えた経費の精算が理由なく遅れる…。これは、単に「ルーズだから」では済まされない問題です。
実は、給料の支払いを遅らせることは、労働基準法という法律で原則禁止されています(労働基準法第24条)。違反すると罰金が科されたり、遅れた日数分の利息(遅延損害金)を支払わなければならなくなったりすることもあるんです。
法律で定められた義務を果たせないということは、会社の経営がかなり切迫しているか、コンプライアンス意識(法律を守る意識)が低いかのどちらか、あるいは両方かもしれません。いずれにしても、従業員の生活や信頼を揺るがす重大な問題です。
【サイン3】頼れる先輩や同僚が次々に辞めていく
会社の将来に不安を感じた人は、早めに見切りをつけて転職していくことがあります。「最近、優秀な人や長く勤めていた人が立て続けに辞めているな…」と感じたら、それは水面下で何か問題が起きているサインかもしれません。
特に、会社の内部情報に詳しい立場の人が辞めていく場合は、より注意が必要と言えるでしょう。人がどんどん辞めていくと、残った人の負担が増え、さらに会社の活力が失われる…という悪循環にも陥りがちです。
【サイン4】会議で根拠のない「大丈夫!」が増える
業績が悪化しているのに、会議で具体的な対策や数字の話が出ず、「気合で乗り切ろう!」「我々は大丈夫だ!」といった精神論ばかりが語られるようになったら、少し立ち止まって考えてみましょう。
問題を直視せず、根拠のない楽観論や精神論に終始するのは、経営陣が有効な手を打てていない、あるいは問題を隠そうとしている可能性も考えられます。冷静な分析や具体的な計画がないままでは、状況が好転する見込みは薄いかもしれません。
【サイン5】社長や上層部の様子が急に変わる(良くも悪くも)
経営トップや役員の言動、雰囲気の変化も重要なサインです。たとえば、急に羽振りが良くなったり、逆に常にイライラしていたり、やつれているように見えたり…。あるいは、以前は頻繁に顔を出していたのに、めったに姿を見せなくなったり、説明もなく方針がコロコロ変わったりするのも気になります。
経営層の不安定な様子は、会社の状況を映し出している鏡である可能性が高いでしょう。
【サイン6】現場を知らない?無理なノルマや指示が飛んでくる
「これ、本当に達成できるの?」と思ってしまうような、現実離れした高いノルマや、現場の状況を無視したような無茶な指示が増えるのも危険な兆候です。業績が悪化すると、焦りから短期的な成果を求め、無理な目標設定をしがちです。
しかし、現場の状況やリソースを考えない指示は、従業員の疲弊を招き、かえって業績を悪化させることにもなりかねません。経営陣が現場の実態を把握できていない、あるいは軽視している証拠とも言えるでしょう。
【サイン7】社内の雰囲気がピリピリ…悪い噂が絶えない
会社の雰囲気が悪くなるのも、見過ごせないサインです。従業員同士の会話が減ったり、愚痴や不満ばかりが聞こえてきたり、将来に対する不安や悪い噂(「ボーナスが出ないらしい」「リストラがあるかも」など)が絶えなかったり…。
コミュニケーションが減り、社内の士気(やる気)が低下している状態は、会社全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。ギスギスした雰囲気は、働きがいを失わせるだけでなく、会社が抱える問題の表れかもしれません。
なぜ気づけない?危ないサインを見逃さないための心がけ
これらのサイン、思い当たる節はありましたか?「うちの会社、もしかして…」と感じても、日々の忙しさの中で見過ごしてしまいがちです。では、どうすれば危ないサインに気づきやすくなるのでしょうか? 大切な心がけを3つ、お伝えします。
会社の「当たり前」を疑ってみる
まず大切なのは、「これが普通だ」「昔からこうだから」と思い込まず、会社の状況を客観的に見る視点を持つことです。毎月給料がきちんと支払われること、必要な備品があること、これらは決して「当たり前」ではないのかもしれません。
少しでも「あれ?」と思うことがあれば、そのままにせず、なぜそうなっているのか考えてみることが重要です。
信頼できる同僚と情報交換する
一人で抱え込まず、信頼できる同僚と日頃からコミュニケーションを取ることも大切です。「最近、〇〇なのが気になるんだけど、どう思う?」といった情報交換をすることで、自分だけでは気づかなかったサインが見えてきたり、状況を多角的に判断できたりします。
ただし、不確かな噂話に振り回されないよう、冷静な視点は忘れないようにしましょう。
自分の市場価値を把握しておく
会社の状況に一喜一憂するだけでなく、「いざとなったら、自分にはどんな選択肢があるのか?」を知っておくことも、心の安定につながります。自分のスキルや経験が、社外でどれくらい通用するのか(=市場価値)を把握しておくこと。
そして、必要であれば新しいスキルを学んだり、資格を取ったりして、自身の価値を高めておくことが、いざという時のための「お守り」になります。
「もしかしてウチも…?」不安になった時に取るべき行動ステップ
もし、ここまで読んで「うちの会社、ちょっと危ないかも…」と本気で不安になったら、どうすればいいのでしょうか? パニックにならず、冷静に行動するためのステップを3つ、ご紹介します。
まずは冷静に情報収集&状況確認
まず大切なのは、焦って結論を出さず、客観的な情報を集めることです。会社の公式発表や信頼できるニュース、業界の動向などをチェックしましょう。そして、同僚とも慎重に情報を共有し、状況を冷静に見極めることが重要です。感情的に判断せず、事実に基づいて考えることを心がけてください。
いざという時のために転職準備も
不安が続くようなら、万が一に備えて転職の準備を少しずつ始めておくのも一つの手です。具体的には、
- 自分のスキルや経験を整理する(自己分析)
- 履歴書や職務経歴書を最新の状態にしておく
- 転職サイトに登録したり、転職エージェントに相談してみる といった行動です。すぐに転職するつもりがなくても、準備をしておくだけで心の余裕が生まれますし、いざという時にスムーズに行動できます。
一人で抱え込まない!相談できる場所は?
給料未払いなど、法的な問題が発生している、あるいは発生しそうな場合は、専門機関に相談することも考えましょう。
- 労働基準監督署: 全国の労働局や労基署にある「総合労働相談コーナー」では、賃金未払いや解雇など、労働に関する様々な問題を無料で相談できます。
- 弁護士: 労働問題に詳しい弁護士に相談すれば、法的なアドバイスや具体的な対応策を教えてもらえます(相談料がかかる場合が多いですが、初回無料相談などもあります)。
一人で悩まず、専門家の力を借りることも、自分を守るためには非常に有効な手段です。
まとめ:ミュゼ問題は対岸の火事じゃない!自分の身を守るためにできること
今回は、ミュゼプラチナムの休業・給料未払い問題をきっかけに、「ヤバい会社」の危険なサインや、いざという時のための心構え、行動についてお伝えしてきました。
大手企業だからといって、絶対に安心とは限りません。今回ご紹介した7つのサインは、どんな会社でも起こりうる可能性のあるものです。大切なのは、日頃から会社の状況に関心を持ち、「おや?」と思ったサインを見逃さないこと。そして、いざという時に備えて、情報収集や自己投資、相談先の確保など、「自分の身は自分で守る」という意識を持つことです。
あなたの会社員生活が、少しでも安心して送れるものになるよう、この記事がその一助となれば幸いです。
📌 近藤 健太郎|元新聞記者 / フリーライター 社会・経済・ニュース解説を中心に、鋭い視点と分かりやすさをモットーに執筆。堅苦しくなりがちなテーマも、読者に寄り添う言葉で解き明かします。