なぜ売れる?メルカリが胎児のエコー写真の出品を禁止した背景を元記者が解説

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出来事

フリマアプリのメルカリで、胎児のエコー写真が売買されていたというニュースが世間を賑わせています。多くの人がその異様さに眉をひそめますが、問題の本質は単なる「不謹慎な出品」という点にあるのでしょうか。

この記事では、元新聞記者としての視点から、その背後に隠された社会構造や経済的な文脈を読み解きます。なぜエコー写真が商品として成立してしまったのか、そして、この出来事が我々の社会に何を問いかけているのかを深く考察していきましょう。

【衝撃の真実】メルカリでエコー写真が6千円即売れの理由—知らずに加担していた人続出

まずは客観的な事実から見ていきましょう。2025年8月25日、メルカリは突如として胎児のエコー写真の出品を禁止すると発表しました。しかし、この問題は昨日今日に始まったものではありません。実は2018年頃からSNS上では散発的に問題視されており、長年にわたり野放しにされてきたのが実情です。

驚くべきは、その取引の実態です。単なる記念品ではなく、明確な「商品」として市場が形成されていたのです。

エコー写真の驚きの販売実態と価格帯

出品されていたエコー写真は、価格帯にして2,000円から、高いものでは9,000円にものぼり、その多くが「売り切れ」状態でした。これは、安定した需要があったことを示唆しています。出品者は様々な週数の写真を揃え、中にはコピーではなく感熱紙の原本や、まとめ売りを行うケースまで確認されています。

もちろん、表向きは「アルバム作成用」「医学の勉強用」といった建前が記載されていました。しかし、一度立ち止まって考えてみましょう。これらの理由だけで、これほど活発な市場が形成されるでしょうか。むしろ、こうした言い訳は、取引の異常性を覆い隠すためのカモフラージュと見るのが自然です。

カスタマイズ可能な「偽装用」写真まで存在

さらに深刻なのは、単なる既存の写真の売買に留まらなかった点です。出品の中には、購入者の要望に応じて日付や氏名をカスタマイズできると明記された、明らかに「偽装」を目的とした商品まで存在していました。病院で渡されるものと見分けがつかない感熱紙を使い、妊娠5週~7週といった細かい週数設定まで可能だったのです。

これはもはや、思い出の品の売買というレベルの話ではありません。特定の目的を持った需要に応えるため、極めて悪質性の高い「サービス」が提供されていた。メルカリというプラットフォームが、意図せずして、そうしたアンダーグラウンドな取引の温床になっていたと言えるでしょう。

なぜ今頃?メルカリが8月25日に突然出品禁止にした本当の背景

2018年から指摘があったにもかかわらず、なぜメルカリは7年近くもこの問題を放置し、2025年8月というタイミングで突然、重い腰を上げたのでしょうか。その背景には、企業倫理や自浄作用といった内発的な動機よりも、SNSという現代の世論を動かす巨大な力の存在がありました。

SNSの8万いいね投稿が引き金となった炎上

直接の引き金は、2025年8月13日にX(旧Twitter)に投稿された一件のポストでした。「妊娠詐欺以外の何に使うんだ」という痛烈な批判とともに投稿された内容は、8万件以上の「いいね」を集め、爆発的に拡散されました。これをきっかけに、週刊誌などの一般メディアも追随し、批判的な論調で報じる事態へと発展したのです。

結果としてメルカリは、「不適切なものに該当すると判断した」として、9月1日からの削除対象とすることを発表。これは、プラットフォーム企業が世論の圧力、いわゆる「外圧」によって動かざるを得なかった典型的なケースです。「もっと早く規制すべきだった」というユーザーからの批判は、当然と言えるでしょう。

2018年から続いていた野放し状態の実情

繰り返しになりますが、この問題は決して新しいものではありませんでした。2018年、そして2023年にも、SNS上では複数回にわたって問題視する投稿が話題となっていました。しかし、それらは大きなうねりとはならず、メルカリが具体的な対策を講じるには至らなかったのです。

これは、現代のプラットフォームビジネスが抱える構造的な問題を浮き彫りにしています。膨大な数の出品物を完全に監視することの難しさに加え、どこまでを「個人の自由な取引」とし、どこからを「規制すべき不適切な取引」とするかの線引きが、常に問われ続けているのです。

実は深刻すぎる「妊娠詐欺」の手口—エコー写真が悪用される3つのパターン

では、一体誰が、何のために胎児のエコー写真を購入するのでしょうか。その最大の用途は、言うまでもなく「妊娠詐欺」の道具です。ITジャーナリストが「詐欺の片棒をメルカリが担いでいる」と指摘するように、この取引は極めて深刻な犯罪行為を助長していました。

パターン1:中絶費用・慰謝料の詐取目的

最も典型的な手口が、金銭の詐取です。交際相手やマッチングアプリで出会った男性に対し、偽のエコー写真と陽性の妊娠検査薬を「証拠」として突きつけ、「妊娠したから中絶費用や慰謝料を払ってほしい」と金銭を要求するのです。ある30代の女性は、この手口で多い月には100万円近くを得ていたと証言しています。

パターン2:恋人や気になる人を繋ぎ止める嘘

金銭目的だけでなく、人間関係を操作するために使われるケースもあります。別れ話を切り出された際に偽の妊娠を告げて相手の同情を引いたり、関係を深めたい相手を繋ぎ止めたりするための心理的な道具として悪用されるのです。人の善意や責任感につけこんだ、非常に悪質な行為と言えます。

パターン3:「妊娠菌」を分けてもらうお守り代わり

一方で、少数ではありますが、全く異なる目的の需要も存在します。それは、不妊に悩む女性が、「妊娠した人にあやかりたい」という藁にもすがる思いで、お守り代わりに購入するケースです。「妊娠菌」という非科学的なジンクスですが、切実な悩みを抱える人々が、こうしたスピリチュアルなものに頼ってしまう心理も理解できなくはありません。しかし、専門家は、これが需要の大部分を占めるわけではないと分析しています。

【専門家が警鐘】メルカリの「無法地帯」化が止まらない理由とユーザーができる対策

メルカリが胎児のエコー写真出品を禁止したことは評価すべき一歩です。しかし、これで全てが解決したわけではありません。いたちごっこのように、新たな問題商品が出現しており、プラットフォームの監視体制と、我々ユーザー自身のリテラシーが問われています。

ドッキリ用妊娠検査薬は今も野放し状態

驚くべきことに、エコー写真と同じく妊娠詐欺に悪用されかねない「必ず陽性になる妊娠検査薬」と称するドッキリグッズは、今もなおメルカリで販売され続けています。「おもちゃ」「ドッキリ用」と記載されてはいますが、本物と見分けがつかない見た目であり、悪用の危険性はエコー写真と何ら変わりません。ITジャーナリストからは、これらも併せて規制すべきだとの声が上がっています。

AI監視の限界とユーザー通報の重要性

メルカリは250名以上のサポート人員とAI技術で24時間監視体制を敷いていると公表しています。しかし、今回の件は、その監視網に限界があることを露呈しました。「勉強用」といった建前を書かれてしまえば、AIがその真の意図まで汲み取って排除することは困難です。

結局のところ、プラットフォームの健全性を保つためには、運営側の努力だけでは不十分なのです。最終的には、私たちユーザー一人ひとりが倫理観を持ち、不適切な出品を見つけた際に積極的に「通報」機能を使って運営に知らせることが、最も有効な対策となります。プラットフォームの「無法地帯」化を食い止める責任の一端は、我々ユーザーにもあると言えるでしょう。

よくある質問と回答

Q. そもそも、なぜメルカリで胎児のエコー写真がこれほど売れるのですか?

A. 主な理由は、交際相手などから金銭を騙し取る「妊娠詐欺」の道具として悪用されるためです。日付や氏名を偽造できる商品まであり、非常に悪質です。一部、不妊に悩む方が「妊娠菌」というジンクスを信じ、お守りとして購入するケースもありますが、需要の大部分は詐欺目的と見られています。

Q. メルカリの対応は十分だったと言えるのでしょうか?

A. 2018年から問題が指摘されていたにもかかわらず、SNSで大々的に炎上するまで7年近くも具体的な対策を取らなかった点から、対応が遅すぎたという批判は免れません。今回、出品を禁止したのは前進ですが、類似の悪用リスクがある「ドッキリ用妊娠検査薬」が野放しであるなど、課題は残っています。

Q. ユーザーとして、このような問題にどう向き合えばよいですか?

A. 最も重要なのは、怪しい商品や倫理的に問題のある取引に関わらないことです。そして、そのような出品を発見した際には、見て見ぬふりをせず、メルカリの「通報機能」を積極的に活用することです。ユーザー一人ひとりの監視と協力が、プラットフォームの健全性を保つ上で不可欠です。

まとめと今後の展望

本稿で論じてきたように、メルカリ胎児のエコー写真なぜ売れるのかという問いの裏には、単なる個人のモラルの問題だけでなく、CtoCプラットフォームが抱える構造的な課題、そしてSNSが世論を動かす現代的な力学が隠されていました。今回の出品を禁止するという決定は、その力学の結果と言えます。

重要なのは、この一件を特殊なケースとして片付けるのではなく、匿名性の高いネット取引に潜むリスクや、テクノロジーによる監視の限界を我々が改めて認識することです。この問いを、読者の皆さんと共に考え続けるきっかけになれば幸いです。

参考文献

  • ITmedia NEWS:メルカリ、「胎児のエコー写真」の出品を禁止 「不適切なものに該当すると判断」 (出典)
  • 週刊女性PRIME:メルカリに”妊娠エコー写真”などの闇深アイテムが大量出品「詐欺以外の何に使う?」 (出典)
  • Yahoo!ニュース(週刊女性PRIME):まるで「無法地帯」メルカリが”エコー写真”出品禁止も「ドッキリ検査薬」無規制に疑念 (出典)
  • メルカリびより:【再掲】胎児エコー写真の出品禁止について (出典)
  • coki:胎児エコー写真の出品を禁止 「妊娠詐欺」横行受け対応強化 (出典)
  • note:【衝撃】なぜメルカリで「胎児エコー写真」が6千円で即売れするのか? (出典)
  • 株式会社メルカリ:違法・規約違反行為への対策強化のお知らせ (出典)
  • Ameba:【衝撃】メルカリでエコー写真が売られてる?!エコー写真の購入理由が… (出典)
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