日本アニメ界を支えた名バイプレーヤー、塩屋浩三さん逝く
2026年1月20日、日本のアニメファンにとって非常に悲しいニュースが駆け巡りました。青二プロダクション所属のベテラン声優、塩屋浩三(しおや こうぞう)さんが死去されたことが報じられました。
『ドラゴンボール』シリーズの魔人ブウ役をはじめ、数多くの作品でコミカルかつ存在感のあるキャラクターを演じてきた塩屋さんの突然の訃報に、ネット上では悲しみの声が溢れています。
本記事では、塩屋浩三さんがどのような人物だったのか、そして彼が演じた愛すべきキャラクターたちを通じて、その偉大な足跡を振り返ります。
何が起きたのか:報道の概要
所属事務所および関係各所からの情報によると、事実は以下の通りです。
- 死去日:2026年1月20日
- 年齢:享年70歳(1955年生まれ)
- 所属:青二プロダクション
葬儀・告別式については、ご遺族の意向により近親者のみで執り行われたと報じられています。現時点で詳細な死因については公表されていませんが、多くのファンがその早すぎる別れを惜しんでいます。
塩屋浩三さんとはどんな人だった?:兄弟声優としての顔も
塩屋浩三さんは、1955年(昭和30年)8月18日生まれ、鹿児島県出身の俳優・声優です。青二プロダクションに所属し、長年にわたりアニメ、吹き替え、ナレーションの第一線で活躍されました。
兄は同じく声優の塩屋翼さん
塩屋浩三さんを語る上で欠かせないのが、実兄である塩屋翼(しおや よく)さんの存在です。
兄の翼さんは『ジョジョの奇妙な冒険』のウィル・A・ツェペリ役や、『SLAM DUNK』の宮城リョータ役などで知られる名優です。兄弟そろって日本のアニメ界を支えてきた「声優兄弟」として、業界内でも知られた存在でした。
演技のスタイルと特徴
塩屋浩三さんの声質は、一度聞いたら忘れられない独特の響きを持っていました。
- 愛嬌のあるハイトーン:太ったキャラクターやコミカルな役柄において、憎めない愛らしさを表現する天才的な技術を持っていました。
- 狂気と威圧感:その一方で、トーンを落とした時のドスの効いた声や、狂気じみた演技にも定評があり、悪役としての存在感も抜群でした。
- アドリブの名手:現場ではムードメーカーとしても知られ、台本以上の面白さを引き出すアドリブ技術は多くの若手声優の模範となっていました。
塩屋浩三さんが演じた主なキャラクター・代表作
塩屋さんが演じたキャラクターは数え切れませんが、ここでは特に印象深い代表作を振り返ります。
1. 『ドラゴンボール』シリーズ:魔人ブウ / グルド
塩屋さんのキャリアにおいて、世界的に最も有名な役柄と言えば、やはり「魔人ブウ」でしょう。
「わたしを食べてチョコになっちゃえ!」
この無邪気さと恐怖が入り混じったセリフは、塩屋さんの演技あってこそのものでした。
- 演技の幅:魔人ブウには「無邪気(太っちょ)」「悪(ガリガリ)」「純粋(チビ)」など複数の形態が存在します。塩屋さんはこれらを全て演じ分け、子供のような声から野太い怪物のような声まで、変幻自在の声色を披露しました。
- グルド役:同シリーズでは、ギニュー特戦隊の「グルド」も演じています。「時間よ止まれ!」のセリフと共に記憶しているファンも多いはずです。
2. 『SLAM DUNK(スラムダンク)』:高宮望
桜木花道の親友であり、和光中学出身の「桜木軍団」の一人、ぽっちゃりメガネの高宮望(たかみや のぞみ)も塩屋さんのハマり役でした。
バスケットボールの試合中にボケをかましたり、桜木をからかったりするコミカルな演技は、シリアスな展開が多い試合シーンにおいて重要な清涼剤となっていました。また、作中の解説役である「Dr.T」の声も担当されていました。
3. 『ONE PIECE』:ゲンゾウ / パッパグ / エドワード・ウィーブル
国民的アニメ『ONE PIECE』でも、複数の重要な役を演じています。
- ゲンゾウ:ナミの故郷・ココヤシ村の駐在さん。ナミを娘のように想う温かく不器用な父親代わりを、人情味たっぷりに演じました。
- パッパグ:魚人島編に登場するヒトデのデザイナー。ハイテンションで調子の良いキャラクターは、塩屋さんの真骨頂でした。
- エドワード・ウィーブル:白ひげの息子を自称する海賊。知性の足りない凶暴さと、母親に従順な子供っぽさの同居する難しい役どころでした。
4. ゲーム『戦国無双』シリーズ:今川義元
ゲームファンにとっては、『戦国無双』シリーズの今川義元も外せません。「麻呂は~」という口調で蹴鞠を愛する、貴族趣味のキャラクターをユーモラスに演じ、プレイヤーに強烈なインパクトを残しました。
世間の反応と今後の影響
SNS上では、突然の訃報に対し、多くのファンや関係者が追悼のコメントを寄せています。
SNS上のファンの声
「魔人ブウの声、もう聞けないのか…唯一無二の声だった。」
「スラムダンクの高宮の声が大好きでした。桜木軍団のやり取りが忘れられない。」
「最近のアニメでもお元気そうだったのに、信じられない。」
特に『ドラゴンボール』シリーズは新作の展開も続いているため、「後任は誰になるのか」「あの独特の声は誰にも真似できないのではないか」と、今後のキャスティングを懸念する声も見られます。
業界への影響
塩屋さんは、青二プロダクションの養成所などでも講師を務め、後進の育成にも力を入れていたと言われています。技術だけでなく、役者としての「心構え」や「現場での振る舞い」を伝えてきたベテランの喪失は、声優業界全体にとって大きな損失と言えるでしょう。
まとめ:心に残る「あの声」は永遠に
享年70歳。声優としてはまだ現役で活躍できる年齢での旅立ちは、あまりにも早すぎます。
しかし、塩屋浩三さんが命を吹き込んだキャラクターたちは、作品の中で生き続け、これからも新しい世代のファンを楽しませてくれることでしょう。魔人ブウの無邪気な笑い声や、高宮望のツッコミを聞くたびに、私たちは塩屋さんの素晴らしい演技を思い出すはずです。
心よりご冥福をお祈りいたします。

