「バドミントンの志田千陽選手がストーカー被害に…」そんなニュースを見て、「怖い」「もし自分だったら…」と不安に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか？ ニュースになるような特別なことだけではなく、ストーカー被害は、実は誰の身にも起こりうる、とても身近な問題なんです。
この記事では、そんな言いようのない恐怖や不安な気持ちに寄り添いながら、ストーカー被害のリアルな実態、そして「自分の身は自分で守る」ために今すぐできる具体的な対策から、万が一の時に頼れる相談窓口まで、分かりやすくまとめています。
これを読めば、漠然とした不安が少し和らぎ、「もしも」の時にどうすればいいか、具体的な行動のヒントが見つかるはずです。
志田選手の告白は、私たちへの警鐘かもしれない
人気アスリートである志田千陽選手が、長期間にわたるストーカー被害を告白したというニュース、本当に衝撃的でしたよね。遠征先のホテルの中にまでつきまとわれるなんて、どれほど怖くて、心が休まらなかったことかと思います。「有名人だから狙われたんでしょ？」…そう思う方もいるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか？
ストーカー被害は、特別な誰かだけの問題ではありません。警察庁の統計を見ると、ストーカー事案の相談件数や、警察からの警告・禁止命令の数は、決して少なくないんです（令和5年は禁止命令が260件も！）。
これは、私たちのすぐそばで、多くの人がストーカーという見えない恐怖に怯えている現実を示しているのかもしれません。この記事では、志田選手の勇気ある告白をきっかけに、決して他人事ではないストーカー問題について、一緒に考えていきたいと思います。
「他人事じゃない」ストーカー被害のリアルな恐怖と心理
「ストーカー」と聞くと、どんなイメージを持ちますか？ しつこく電話がかかってきたり、家の前で待ち伏せされたり…。でも、その恐怖の本質は、もっと深く、じわじわと心を蝕むものなんです。
志田選手が感じた「ホテルまで…」終わらない恐怖とは？
志田選手が語った「ホテルの中までつきまとわれた」という経験。想像してみてください。本来なら、一日の終わりにほっと一息つけるはずのプライベートな空間にまで、見知らぬ誰かの影が忍び寄る…。常に誰かに監視されているような感覚、次に何をされるか分からない不安。
これは、一時的な恐怖というより、24時間心が休まらない、終わりの見えない拷問に近い状態だったのではないでしょうか。被害に遭われた方の多くが、こうした「日常が安全な場所ではなくなる」感覚に苦しめられると言われています。
[独自考察] 被害者が「何もできない」「自分が悪いかも」と感じてしまう心理的ワナとは？
ストーカー被害に遭っている方から、「自分が何かしたからじゃないか」「もっとうまく対応すればよかったのかも」といった声を聞くことがあります。これは、心理学でいう「学習性無力感」に近い状態かもしれません。
何をしても状況が変わらないと感じたり、加害者から巧みに精神的な揺さぶりをかけられたりすることで、「もう抵抗しても無駄だ」と諦めてしまったり、なぜか自分を責めてしまう…。本当に心がきゅっとなります。
でも、絶対に忘れないでください。悪いのは100%、あなたではなく加害者です。あなたがどんな行動をとったとしても、ストーカー行為は決して正当化されません。もし今、苦しい状況にいる方がいたら、どうか自分を責めないでくださいね。
恋愛感情だけじゃない？職場、SNS…意外と身近なストーカーの種類と兆候
ストーカーというと、元恋人からの復縁要求などを想像しがちですが、実はそれだけではありません。
- 元交際相手型： 別れた相手が諦めきれずに連絡してきたり、待ち伏せしたりするケース。
- 職場関係型： 上司や同僚が、仕事を超えた個人的な関係を迫ってきたり、拒否したら嫌がらせをしてきたりするケース。
- 面識のない相手型： 一方的に好意を持たれたり、妄想を抱かれたりして、つきまとわれるケース。
- サイバー型： SNSで執拗にメッセージを送ってきたり、個人情報を晒したり、誹謗中傷を繰り返したりするケース。
このように、ストーカー行為は様々な関係性の中で起こりえます。「まさかあの人が？」と思うような相手が、加害者になる可能性もあるんです。ちょっとした違和感や、「ん？」と思うような兆候を見逃さないことが大切かもしれません。
被害に遭う前に！今すぐできる自衛策【日常でできることリスト】
「じゃあ、具体的にどうすればいいの？」と思いますよね。もちろん、100%防ぐ方法はありませんが、被害に遭うリスクを少しでも減らすために、今日からできることがあります。リストでチェックしてみましょう。
- SNSの公開範囲、大丈夫？個人情報を守るための必須設定チェック
- 位置情報（GPS）は基本的にOFFにする。
- 投稿の公開範囲を「友達のみ」などに限定する。
- 見知らぬ人からの友達申請やフォローリクエストは慎重に判断する。
- 個人情報（住所、電話番号、職場など）が特定できる投稿は避ける。
- 安易に顔写真を公開しすぎない。
- 「いつもと違う」に気づく！通勤・帰宅時の防犯意識ポイント5つ
- できるだけ毎日同じ時間、同じルートで帰らないようにする。
- 人通りが多く、明るい道を選ぶ。
- 歩きスマホやイヤホンで音楽を大音量で聴くのは避ける（周囲への注意力が散漫になります）。
- 時々後ろを振り返るなど、周囲を警戒している姿勢を見せる。
- もし誰かにつけられている気がしたら、コンビニなど人のいる場所に駆け込む。
- [独自視点] 「まさか自分が」の油断が一番危ない？安心しきる前に確認したいこと
- 「自分は大丈夫だろう」という思い込みが、一番危険かもしれません。
- 家の鍵のかけ忘れはないか、ドアチェーンはしっかりかけているか、基本的な防犯を習慣づける。
- 見知らぬ訪問者には、ドアスコープで確認し、安易にドアを開けない。
- 宅配便などは、置き配を利用したり、時間指定を活用したりする。
- 100均でも揃う？持っておくと安心な防犯グッズ
- 防犯ブザー： 大きな音で相手を威嚇し、周囲に助けを求めることができます。すぐに取り出せる場所に付けておきましょう。
- ホイッスル： ブザーの電池切れが心配な場合に。
- 窓用補助錠： 窓からの侵入を防ぐために。取り付けが簡単なものもあります。
- ドアスコープカバー： 外からの覗き見を防止します。
- （※これらはあくまで「お守り」のようなもの。過信せず、基本的な注意を怠らないことが大前提です。）
もし「あれ…？」と感じたら。初期対応と”証拠”の集め方
どんなに気をつけていても、被害に遭ってしまう可能性はゼロではありません。「もしかして、ストーカーかも…？」と感じた時、パニックにならず、冷静に対応することが大切です。
「気のせいかな？」で済ませないで！見逃してはいけない初期サイン
「ちょっとしつこいだけかも」「考えすぎかな？」…そう思ってしまう気持ち、よく分かります。でも、ストーカー行為はエスカレートすることが多いと言われています。以下のような初期サインに気づいたら、決して「気のせい」で済ませず、警戒レベルを上げてください。
- 理由もなく何度も電話やメール、SNSメッセージが来る。
- 断っているのに、しつこくデートや食事に誘われる。
- 自分の行動（どこに行った、誰と会ったなど）を、なぜか知っている。
- 偶然を装って、何度も出くわす。
- 家の近くや職場の周りをうろついているのを見かける。
[実践] いつ、どこで、何をされた？具体的な記録の付け方【無料テンプレ配布】
もし被害が始まったら、どんな些細なことでも記録に残すことが、後々あなたを守るための強力な武器になります。難しく考えず、日記をつけるような感覚で記録しましょう。
記録すべき項目例:
- 日付と時間： いつ起こったか（例：2025年4月15日 18:30頃）
- 場所： どこで起こったか（例：自宅アパート前、〇〇駅改札口、SNSのDM）
- 相手（加害者）： 誰からか（分かれば名前や特徴、車のナンバーなど）
- 具体的な内容： 何をされたか、何を言われたか（例：無言電話が3回あった、家の前で待ち伏せされ「話がある」と言われた、SNSで「ずっと見ている」とメッセージが来た）
- その時の自分の気持ち： どう感じたか（例：怖かった、不安になった、気持ち悪かった）
- 目撃者： もし誰か見ていた人がいれば、その人の名前や連絡先
- 警察への相談状況： いつ、どこの警察署に相談したか、担当者の名前など
【ポイント】
- 具体的に: できるだけ詳しく書きましょう。
- 継続的に: 毎日でなくても、何かあったら必ず記録する習慣を。
- 客観的に: 感情的にならず、事実を淡々と書くのがコツです。（気持ちは別の欄に書きましょう）
- 保存方法: ノートでも、スマホのメモ帳でもOK。メールやSNSのメッセージはスクリーンショットで保存。可能ならバックアップも取っておくと安心です。
（※後日、ブログ内でダウンロードできる簡単な記録用テンプレートを用意するのも良いかもしれませんね！）
[深掘り] なぜ証拠が重要？警察や専門家が「客観的事実」を求める理由
「怖い思いをしているのに、なんで証拠が必要なの？」と感じるかもしれません。警察や法律家は、個人の感情だけでは動くことが難しい場合があります。
誰が見ても「これは異常だ」「被害が発生している」と分かるような「客観的な証拠」があることで、警察は警告や禁止命令といった具体的な対応を取りやすくなります。また、弁護士に相談したり、法的な手続きを進めたりする場合にも、証拠は不可欠です。面倒に感じるかもしれませんが、あなた自身を守るために、記録は本当に大切なんです。
あなたは一人じゃない！必ず頼れる相談窓口＆サポート【完全版】
もし、ストーカー被害に悩んでいたら、絶対に一人で抱え込まないでください。あなたをサポートしてくれる場所は、必ずあります。
まずはココ！警察（#9110）や配偶者暴力相談支援センターなど公的機関
- 警察相談専用電話「#9110」
- 緊急ではないけれど警察に相談したい、という時にかける全国共通の番号です。
- ストーカーだけでなく、DVや悪質商法など、様々な相談に応じてくれます。
- どこに相談すればいいか分からない時、まずはこちらに電話してみるのがおすすめです。（通話料はかかります）
- 配偶者暴力相談支援センター（DV相談ナビ「#8008」など）
- 「配偶者暴力」と名前が付いていますが、恋人からの暴力やストーカーの相談も受け付けている場合があります。
- 一時保護や自立支援など、具体的なサポートも行っています。お住まいの地域のセンターに確認してみてください。
- 法テラス（日本司法支援センター）
- 法的なトラブル全般について相談できる場所です。
- ストーカー行為をやめさせるための法的な手続き（警告の申出、接近禁止命令など）についてアドバイスをもらえます。
- 経済的な余裕がない場合、無料の法律相談や弁護士費用の立て替え制度を利用できることもあります。
専門家の力を借りたい…NPO法人、弁護士などの探し方・選び方
公的機関だけでなく、民間のサポート団体も心強い味方になってくれます。
- 被害者支援を行っているNPO法人
- 全国被害者支援ネットワーク（NNVS）や、女性ネットSaya-Saya、ハーティ仙台など、犯罪被害者やDV・性暴力被害者の支援に特化したNPO法人があります。
- 電話相談やカウンセリング、警察への同行支援など、きめ細やかなサポートを提供していることが多いです。インターネットで「〇〇（お住まいの地域名） 被害者支援 NPO」などで検索してみてください。
- 弁護士
- 法的な手続きを具体的に進めたい場合（加害者に対して警告を出したい、慰謝料を請求したいなど）は、弁護士に相談するのが有効です。
- 法テラスや、お住まいの地域の弁護士会で、無料相談を実施している場合があります。まずはそういった機会を利用してみるのも良いでしょう。
- 弁護士を選ぶ際は、ストーカー問題やDV問題に詳しい、経験豊富な先生を選ぶのがポイントです。
「相談するの、怖い…」その気持ち、すごく分かります。でも…
「相談したら、逆恨みされないかな…」「こんなこと、恥ずしくて誰にも言えない…」「警察に行っても、ちゃんと対応してくれるのかな…」 そうやって、相談することをためらってしまう気持ち、痛いほどよく分かります。勇気がいることですよね。
でも、思い出してください。あなたは何も悪くないんです。そして、あなたは決して一人ではありません。 今回ご紹介した相談窓口は、あなたのプライバシーを守りながら、安全な方法で話を聞き、一緒に解決策を考えてくれる場所です。 小さな一歩かもしれませんが、誰かに話すことで、心が少し軽くなったり、具体的な解決策が見えてきたりすることがあります。 どうか、一人で苦しみを抱え込まないでくださいね。
【まとめ】恐怖を乗り越え、自分の「安心」を取り戻すために私たちができること
今回は、バドミントン志田選手の痛ましいニュースをきっかけに、決して他人事ではないストーカー被害の恐怖と、私たち自身が身を守るための対策、そして頼れる相談先についてお伝えしてきました。
この記事のポイントをまとめると…
- ストーカー被害は誰にでも起こりうる身近な脅威。
- 被害者の心理的な負担は計り知れず、「日常の安心」が奪われる。
- SNS設定の見直しや日常の防犯意識で、リスクを減らすことは可能。
- 「おかしい」と感じたら、どんな些細なことでも記録（証拠）に残すことが重要。
- 警察（#9110）、DV相談ナビ、法テラス、NPO、弁護士など、頼れる相談先はたくさんある。
何よりも伝えたいのは、「あなたは一人ではない」 ということ、そして 「ストーカー被害は、絶対に、被害者が悪いわけではない」 ということです。もし今、あなたが、あるいはあなたの大切な人が、同じような恐怖の中にいるとしたら、どうかこの記事で紹介した情報を頼りに、助けを求めることをためらわないでください。
そして、もし周りに悩んでいる人がいたら、「大丈夫？」「何かできることある？」と、そっと声をかけてあげるだけでも、大きな支えになるかもしれません。
この記事が、あなたの、そしてあなたの大切な人の「安心」を守るための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。 この記事を読んで、何か感じたこと、あなたの体験談、あるいは「こんな対策もあるよ！」という情報があれば、ぜひ下のコメント欄で教えてくださいね。みんなで情報を共有し、支え合っていけたらと思います。
📌 水野 恵理｜心理学専攻 / フリーライター 大学で心理学を学び、人の心の動きや関係性に深い関心を持つ。現在はフリーライターとして、エンタメやライフスタイルの分野を中心に、心理学的な視点を取り入れた温かみのある記事を執筆。読者の心に寄り添い、共感を呼ぶ文章を心がけている。
