ねぇ、お子さんはおじいちゃん・おばあちゃんのことをなんて呼んでいますか？ 最近よく聞く「じいじ・ばあば」呼び。可愛い響きだけど、なんだかちょっと引っかかる…。「周りのママ友は普通に使ってるし、義母からも『ばあばって呼んでね』って言われたけど、正直モヤモヤする…」「でも、自分の感覚がおかしいのかな？」なんて、一人で悩んでいませんか？
こんにちは、心理学を学んだライターの水野恵理です。実は、あなたと同じように感じているママ、少なくないんですよ。そのモヤモヤ、決してあなたがおかしいわけではありません。
この記事では、なぜ「じいじ・ばあば」呼びに違和感を覚えるのか、その理由をあなたの心に寄り添いながら深掘りしていきます。そして、他の家庭はどうしているのか、さらに、あなたと家族が心地よく過ごせる“わが家流のルール”を見つけるためのヒントを、体験談や専門家の意見も交えながら、一緒に考えていきましょう。読み終わる頃には、きっと心のモヤモヤが少し軽くなっているはずですよ。
そのモヤモヤ、私だけじゃなかった！「じいじ・ばあば」呼びに感じる“違和感”の正体
「じいじ・ばあば」って、響きは可愛いけれど、なぜか心がザワザワする…。そんな経験、ありませんか？ その漠然とした違和感の正体を、少しだけ紐解いてみましょう。もしかしたら、あなたの気持ちにぴったり合う理由が見つかるかもしれません。
理由１：「なんか幼稚…？」言葉の響きと“大人”の感覚とのズレ
まず考えられるのは、言葉そのものの響きに対する感覚かもしれませんね。「じいじ」「ばあば」って、たしかに赤ちゃんや小さい子どもが発音しやすい、いわゆる「幼児語」ですよね。だから、子どもが使う分には微笑ましいけれど、ある程度の年齢になっても使っていたり、ましてや大人が使う場面に出くわしたりすると、「ちょっと幼稚かな…？」と感じてしまうのかもしれません。
元記事のコメント欄にも、「言葉のおぼつかない小さな子どもが言う分には、まだわからなくもない」けれど、「祖父母が自分で自分のことを『じいじ ばあば』と呼ぶケース」は特に嫌、という声がありました。大人としての感覚と、その言葉の持つ幼い響きとの間に、ギャップを感じてしまうのかもしれませんね。
理由２：「距離感近すぎ？」家族だけの“閉じた言葉”への気恥ずかしさ
国立国語研究所の石黒教授は、元記事の中で「じいじ・ばあば」は「パパ・ママ」と同じように、「家庭内だけで閉ざされた、第三者に転用されない言葉」だと指摘していました。つまり、とってもプライベートで親密な関係性の中だけで使われる特別な呼び方、ということですね。
その親密さゆえに、家族にとっては特別な響きを持つ一方で、その輪の外にいる人が聞くと、なんだか「家族だけのルール」を目の当たりにしているような、少し気恥ずかしい気持ちになるのかもしれません。「そんなプライベートな呼び方を、わざわざ外で聞かせなくても…」と感じてしまう、そんな心理もあるのかもしれませんね。
理由３：「昔はこうじゃなかったのに…」世代間の価値観ギャップと“普通”の変化への戸惑い
私たち親世代が子どもの頃って、「じいじ・ばあば」って、今ほど一般的な呼び方ではなかったかもしれませんよね？ コメント欄にも「高校時代までは全く耳にすることはありませんでした」「静岡の方の方言なんだなと思っていた」なんて声がありました。
自分が慣れ親しんだ「おじいちゃん・おばあちゃん」という呼び方がある中で、新しい呼び方がどんどん「普通」になっていく。その変化自体に、少し戸惑いや寂しさを感じている可能性もあります。「昔はこうだったのに…」という気持ちと、今の時代の流れとの間で、心が揺れているのかもしれませんね。
理由４：義実家・実家への遠慮…本当は言えないママたちの本音
そして、これが一番根深い理由かもしれません…。特に義実家に対して、「本当は『じいじ・ばあば』呼び、ちょっと抵抗あるんだけどな…」と思いつつ、なかなか言い出せない。そんな経験はありませんか？
「義母が嬉しそうに『ばあばって呼んでね！』って言うから、断れなかった…」「夫も特に何も言わないし、私だけが気にしすぎなのかな…」そんな風に、自分の気持ちに蓋をして、周りに合わせてしまう。その小さな我慢が積み重なって、モヤモヤとした気持ちになっているのかもしれません。本当は、自分の気持ちも大切にしたいのに…。そんなママたちの、言えない本音が隠れていることも少なくないようです。
みんなどうしてる？ イマドキ家庭のリアルな「祖父母の呼び方」事情
「うちだけなのかな？」なんて不安になるかもしれませんが、実は祖父母の呼び方って、本当に家庭によってさまざまなんです。他のご家庭ではどんな風に呼んでいるのか、ちょっと覗いてみましょう。
「じいじ・ばあば」派の言い分（可愛い、区別しやすい、本人が希望）
もちろん、「じいじ・ばあば」呼びを積極的に選んでいるご家庭もたくさんあります。その理由としては、
- 単純に響きが可愛いから
- 両家のおじいちゃん・おばあちゃんを区別しやすいから（たとえば、「〇〇じいじ」「△△ばあば」のように）
- 祖父母本人たちが「そう呼んでほしい」と希望しているから といった声が聞かれます。特に、祖父母世代がまだ若くて、「おじいちゃん・おばあちゃん」と呼ばれることに少し抵抗がある場合、「じいじ・ばあば」の方が受け入れやすい、ということもあるようです。コメント欄にも「40代前半で孫が産まれました。（中略）『ばあば』と呼ばれるほうが嬉しいです」というリアルな声がありましたね。
「おじいちゃん・おばあちゃん」派のこだわり（伝統、TPO、将来を見据えて）
一方で、昔ながらの「おじいちゃん・おばあちゃん」という呼び方を大切にしているご家庭も。その理由としては、
- 日本語として自然で、しっくりくるから
- 子どもが大きくなった時に、TPOに合わせて使い分けられるように
- 将来、子どもが恥ずかしい思いをしないように といった考えがあるようです。「大きくなってから呼び方を変えるのは大変だから、最初から『お父さん・お母さん』と呼ばせていた」というコメントもありましたね。子どもの将来を見据えて、あえて伝統的な呼び方を選んでいる、というわけですね。
ニックネーム、名前呼び…多様化する呼び方とその背景
実は、「じいじ・ばあば」「おじいちゃん・おばあちゃん」以外にも、もっと自由な呼び方をしているご家庭も増えているんです！
- 名前＋ちゃん/さん: たとえば、「マミちゃん」「ヨッコチャン」のように、下の名前に「ちゃん」や「さん」付け。親しみを込めつつ、個人として尊重する気持ちも表れているのかもしれませんね。ある方のブログでは、カリフォルニアに住むおばあさまを「マミちゃん」と呼んでいる様子が紹介されていました。
- ニックネーム: 「あーちゃん」「ぎんぎん」など、家族ならではの特別なニックネーム。これはもう、その家族だけの宝物、という感じがしますね！
- 地名や特徴で区別: ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃんもご健在だったり、両家の祖父母が近くに住んでいたりする場合、「東京のばあば」「（みかん農家だから）みかんばあば」のように、地名や特徴をつけて区別しているケースも。アメーバブログなどでも、そんな工夫が見られました。長寿化が進む現代ならではの知恵かもしれません。
- その他: 中には、「Gちゃん」と呼ばれているおじい様もいらっしゃるようです（コメント欄より）。本当にユニークですよね！
このように、呼び方が多様化している背景には、長寿化でひい祖父母世代も元気だったり、国際結婚や再婚などで家族の形がさまざまになったり、そして何より、個々の家族の価値観が尊重される時代になってきた、ということがあるのかもしれません。
SNSやコメント欄で見かけた「なるほど！」な使い分けテクニック集
SNSやコメント欄を見ていると、「なるほど！」と思わず膝を打つような、上手な使い分けの工夫も見られました。
- 父方・母方で呼び方を変える: 「夫の両親は『おじいちゃん・おばあちゃん』、私の両親は『じぃじ・ばぁば』と呼んで、子どもが混乱しないようにしています」という声、結構多かったです。これは分かりやすいですよね。
- 家の中と外で使い分けることを教える: 小さいうちは「じいじ・ばあば」でも、成長に合わせて「家の中ではいいけど、お外やお手紙では『おじいちゃん・おばあちゃん』って言おうね」と教えている、というご家庭も。TPOを意識する練習にもなりそうです。
- 本人の希望を尊重しつつ、状況に応じて: 基本的には本人の希望（「ばあばって呼んでね」）を尊重するけれど、子どもが自然に「おばあちゃん」と言い始めたら、無理に訂正しない、という柔軟な対応をしている方も。
大切なのは、完璧なルールを作ることよりも、家族みんなが心地よくいられるバランスを見つけることなのかもしれませんね。
なぜ広まった？ 専門家が読み解く「じいじ・ばあば」呼びの社会的背景
この「じいじ・ばあば」呼び、どうしてこんなに広まってきたんでしょう？ 個人的な好みだけではない、社会的な背景も関係しているようです。専門家の意見を参考に、少し深く見ていきましょう。
「パパ・ママ」呼びの定着との関係性
「じいじ・ばあば」は、「パパ・ママ」の延長線上にある、という見方があります。HugKum（はぐくむ）などの情報によると、「パパ・ママ」という呼び方は、明治時代に洋行帰りの家庭で使われ始め、徐々に一般家庭にも広まっていったそうです。子どもが発音しやすいという理由も大きいようですね。ベネッセの調査では、今では約4割の家庭で「パパ・ママ」と呼ばれているとか。
このように、まず「パパ・ママ」という、よりプライベートで親密な呼び方が定着した土壌があって、その流れで祖父母に対しても「おじいちゃん・おばあちゃん」という少し社会的な響きのある言葉より、「じいじ・ばあば」という、より家庭内の、愛称に近い呼び方が好まれるようになってきた、と考えられるのかもしれません。
「若くありたい」願望？ アンチエイジング志向との繋がり
元記事でも指摘されていましたが、「おじいちゃん・おばあちゃん」と呼ばれると、なんだか急に年を取った気がしてしまう…そんな気持ち、少しわかる気がしませんか？ 現代は、多くの人が「いつまでも若々しくありたい」と願う時代。特に祖父母世代になる方々も、まだまだ元気でアクティブな方が多いですよね。
心理学者の岩原昭彦氏は、加齢による変化に対して心理的なアンチエイジングを適用するという考え方を示しています（日本心理学会）。つまり、年を重ねることをネガティブに捉えるのではなく、工夫して心身の若々しさを保とうとする意識ですね。もしかしたら、「じいじ・ばあば」という呼び方は、「おじいちゃん・おばあちゃん」よりも、その「若々しさ」や「親しみやすさ」を感じさせる言葉として、選ばれている側面もあるのかもしれません。
核家族化と、変化する祖父母との“距離感”
昔に比べて核家族化が進み、祖父母と日常的に一緒に暮らす家庭は減りました。一方で、共働き家庭が増え、子育てにおいて祖父母のサポートを頼る機会は増えているかもしれません。
こうした変化の中で、祖父母との関係性が、以前とは少し変わってきている可能性があります。日常的に接する存在ではないけれど、頼りになる身近な存在。そんな、昔ながらの「威厳のあるおじいちゃん・おばあちゃん」とは少し違う、もっとフレンドリーで「仲間」のような関係性が求められているとしたら…。「じいじ・ばあば」という呼び方は、そんな現代的な祖父母との“ちょうどいい距離感”を表す言葉として、フィットしているのかもしれませんね。
メディアの影響力と、言葉の流行
忘れてはいけないのが、テレビやSNSなど、メディアの影響です。元記事でも、2004年のNHKドラマ「ジイジ～孫といた夏～」に言及されていましたね。人気ドラマやCMなどで特定の呼び方が使われると、それが「おしゃれ」「イマドキ」というイメージで広まっていくことはよくあります。
言葉って、時代とともに移り変わるもの。もしかしたら、「じいじ・ばあば」も、そんな言葉の流行の一つとして、私たちの生活に浸透してきたのかもしれません。
【実践編】もう悩まない！角を立てずに伝える「わが家の呼び方ルール」の見つけ方
さて、ここまで「じいじ・ばあば」呼びの背景にある様々な気持ちや社会状況を見てきました。でも、一番知りたいのは「じゃあ、どうすればいいの？」ということですよね。特に、義実家や実家との関係で悩んでいる方へ、角を立てずに、みんなが納得できる「わが家流ルール」を見つけるためのステップを考えてみましょう。
ステップ１：まずは夫婦で話し合おう！ 我が家の方針を決めるポイント
いきなり義両親や両親に話す前に、まずはご夫婦でしっかり話し合うことが大切です。
- お互いの気持ちを正直に伝える: あなたは「じいじ・ばあば」呼びにどう感じているか、夫（妻）はどう思っているか、まずは素直な気持ちを共有しましょう。「実は、ちょっと抵抗があって…」と切り出してみるだけでも、心が軽くなるかもしれません。
- 子どもの視点も考える: 子どもにとって、どの呼び方が一番分かりやすいか、混乱しないか、という視点も忘れずに。
- 落としどころを探る: 完全にどちらかの意見に寄せるのではなく、「家の中では『じいじ・ばあば』でもOKだけど、外では『おじいちゃん・おばあちゃん』にしようか」とか、「父方は『じいじ』、母方は『おじいちゃん』にしてみる？」など、具体的な落としどころを探ってみましょう。
夫婦でしっかり方針が固まっていれば、いざという時も心強いですよね。
ステップ２：義実家・実家への伝え方【シーン別・例文付き】
ここが一番緊張するステップかもしれませんね…。でも、伝え方次第で、きっと理解してもらえるはず。ポイントは、「相手を否定しない」「自分たちの考えを正直に、でも柔らかく伝える」ことです。
たとえば…
- 【祖父母から希望があった場合】
- 肯定から入る: 「『ばあば』って呼んでほしいんですね！ 響きが可愛くて素敵ですよね。」
- 自分たちの考えを伝える（理由も添えて）: 「ただ、うちでは両家を区別したくて、『〇〇（地名など）ばあば』って呼ばせてもらうのはどうでしょうか？」あるいは、「子どもがもう少し大きくなったら、TPOも考えて『おばあちゃん』とも呼べるようにしたいな、とも思っていて…」
- 相談する形: 「〇〇（子どもの名前）が混乱しないように、どう呼ぶのが一番いいか、一緒に考えていただけると嬉しいです。」
- 【なんとなく定着しそうで、変えたい場合】
- 感謝を伝える: 「いつも〇〇（子どもの名前）を可愛がってくださってありがとうございます。」
- 提案する: 「呼び方のことなんですけど、これから小学校に上がることも考えて、家でも外でも使えるように『おじいちゃん・おばあちゃん』で統一するのはどうかな、って夫と話していて…」
- 相手への配慮: 「もちろん、『じいじ・ばあば』という呼び方も素敵だと思うのですが、いかがでしょうか…？」
心理学でいう「アサーティブ・コミュニケーション」ですね。自分の気持ちも、相手の気持ちも大切にする伝え方を意識してみましょう。そして、相手の話をしっかり聞く「傾聴」の姿勢も忘れずに。
ステップ３：子どもの成長に合わせて見直す柔軟性も大切
一度決めたルールが、ずっと最適とは限りませんよね。子どもが成長して、「『じいじ』って呼ぶの、ちょっと恥ずかしいな…」と感じ始める時期が来るかもしれません。
そんな時は、「そろそろ呼び方、変えてみる？」と、子どもの気持ちに寄り添って、また家族で話し合ってみる。そんな柔軟性を持つことも大切です。家族のルールは、家族みんなが心地よく過ごすためのもの。状況に合わせてアップデートしていく、というくらいの気持ちでいると、楽かもしれませんね。
「呼び方」は手段。本当に大切なのは“心地よい関係性”
ここまで色々なヒントをお伝えしてきましたが、一番お伝えしたいのは、「呼び方」そのものが目的ではない、ということです。どんな呼び方であっても、その根底にあるべきなのは、お互いを思いやり、尊重し合える「心地よい関係性」ですよね。
呼び方一つで関係がギクシャクしてしまうのは、とても悲しいこと。呼び方にこだわりすぎるあまり、本当に大切なことを見失わないようにしたいですね。
【まとめ】「じいじ・ばあば」のモヤモヤから解放！大切なのは“あなたと家族の納得感”
さて、「じいじ・ばあば」呼びをめぐるモヤモヤについて、その理由から他の家庭の事情、そして解決のヒントまで、一緒に考えてきました。
あなたが感じていた違和感は、決してあなた一人のものではなく、言葉の響きや世代間の価値観、家族との距離感など、様々な要因が絡み合っていることが見えてきたのではないでしょうか。そして、呼び方には本当に色々な選択肢があって、「これが絶対正しい」というものはない、ということも感じていただけたかと思います。
呼び方に絶対的な正解はありません。一番大切なのは、あなたと家族が心から納得し、笑顔でいられる関係性を築くことです。
もし今、呼び方のことで少しでも心がザワついているなら、それはあなたが家族を大切に思っている証拠かもしれません。完璧を目指さなくても大丈夫です。あなたにとって、家族にとって、心地よい距離感やコミュニケーションって、どんな形でしょうか？
この記事が、その答えを見つけるための、ほんの小さなきっかけになれたら嬉しいです。
📌 水野 恵理｜心理学ライター
大学で心理学を専攻後、フリーライターに。エンタメや人間関係、ライフスタイルを中心に、人の心の動きに寄り添う記事を執筆。温かく、読者が安心できるような言葉選びを心がけています。
