はんじょう発言の裏側!カードショップの価格競争と協力の実態

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
出来事
スポンサーリンク

「価格競争、めんどくさい」――人気ゲーム実況者でカードショップ経営者でもある、はんじょう氏のこの一言が、大きな波紋を広げました。「それって談合じゃないの?」とネットは大騒ぎ。いやいや、でもちょっと待ってください。この発言の裏には、もしかしたら私たちが知らないカードショップ業界のリアルな悩みや、価格設定の知られざる事情が隠されているのかもしれません。

この記事では、はんじょう氏の発言をきっかけに、普段なかなか見えないカードショップの価格設定の仕組みや、激しい価格競争、そしてウワサされる「協力体制」の実態について、元新聞記者の視点から分かりやすく掘り下げていきます。

この記事を読めば、カードショップの裏側が少し見えてきて、明日からのお店選びの視点が変わるかもしれませんよ。

はんじょう氏「価格競争めんどくさい」発言、何が問題だった?

まず、今回の騒動の発端となった出来事を簡単におさらいしておきましょう。人気ゲーム実況者であり、秋葉原で「カードショップはんじょう」を経営するはんじょう氏。彼が自身の配信中、カードショップ運営について語った言葉がきっかけでした。

「(同業者とは)仲良い方がいいね、正直。めんどくせえもん」「価格競争に巻き込まれる、普通に」「(価格を)吊り上げたりとかさ、めんどくさいんだよ、色々」といった発言や、「お互いに(価格を)下げ始めてさ…お互いにマジで旨みがない」「潰し合い、意味ない」として定価販売をすべき、という趣旨の発言。

これが、事業者同士が価格などを取り決める「カルテル」や「談合」(

)にあたるのでは?とSNSなどで一気に広まり、大きな騒ぎになったわけです。

カルテル・談合とは?:簡単に言うと、会社同士が「この商品は〇〇円以下で売らないようにしよう」とか「この地域はA社、あの地域はB社が取ることにしよう」みたいに、裏で話し合って競争を避けること。自由な競争が妨げられ、結果的に消費者が損をする可能性があるため、独占禁止法という法律で禁止されています。

はんじょう氏自身は、後に「カルテルへの関与はない」と否定し、軽率な発言だったとして謝罪しています。しかし、この一連の騒動は、私たちにカードショップ業界の価格設定や競争のあり方について、改めて考えるきっかけを与えてくれました。

そもそもカードショップの「値段」ってどう決まるの?基本をおさらい

じゃあ、普段私たちがカードショップで見かけるカードの値段って、一体どうやって決まっているんでしょうか?スーパーの野菜みたいに、毎日値段が変わることも珍しくありませんよね。それには、いくつかの理由があります。

まず基本となるのが、カードのレアリティ(珍しさ)やゲームでの強さ、そして市場での需要と供給のバランスです。たとえば、大会で活躍したカードは欲しがる人が増えるので値段が上がりやすいですし、逆に新しいカードパックが出て使われなくなったカードは値段が下がる傾向にあります。アニメやゲームで特定のキャラクターが人気になったり、カードのデザインがコレクターに好まれたりすることも、価格に影響しますね。

意外と知らない?「希望小売価格」と「定価」の違い

ここで一つ、注意したいのが「希望小売価格」と「定価」の違いです。はんじょう氏の発言にも「定価販売」という言葉が出てきましたが、多くのトレーディングカードにはメーカーが設定した「希望小売価格」があります。これは文字通り「このくらいの値段で売ってほしいな」というメーカーの希望であって、お店が必ずしもその価格で売らなければならないわけではありません。

法律(独占禁止法)で、メーカーがお店に対して「この値段で売りなさい!」と強制することは、原則として禁止されているんです(これを「再販売価格の拘束」と言います)。だから、お店は「希望小売価格」を参考にしつつも、自由に値段を決めることができる、というのが基本ルールなんですね。

はんじょう氏の発言から透ける「価格競争疲れ」?経営者の本音とは

はんじょう氏の「価格競争めんどくさい」「潰し合い、意味ない」という発言。これは、もしかしたら多くの個人経営カードショップが抱える「本音」なのかもしれません。

考えてみてください。トレーディングカードは価格変動が激しい商品です。仕入れたカードが、翌週には価値が下がってしまうかもしれない。かといって、近隣のお店が安売りを始めたら、自分の店だけ高い値段のままでは売れ残ってしまうかもしれない…。常に市場の動向やライバル店の価格をチェックし、ギリギリの利益で戦っているお店も少なくないはずです。

[独自考察] なぜ「めんどくさい」?値下げ競争の先に待つもの

「価格競争がめんどくさい」という言葉の裏には、単なる怠慢ではなく、過度な値下げ競争がもたらす消耗戦への懸念があるのかもしれません。

考えてみれば、お店同士が体力勝負のように値下げ合戦を繰り広げると、一時的に消費者は安く買えて嬉しいかもしれません。しかし、その結果、お店の利益はどんどん減っていきます。利益が減れば、新しいカードの仕入れが難しくなったり、お店の維持が困難になったりする可能性も出てくる。

最悪の場合、お店が潰れてしまい、その地域でカードを買える場所自体が減ってしまう…なんてことにもなりかねません。これは、長い目で見れば消費者にとっても決して良いことではないですよね。

「同業者と仲良く」は業界あるある?それとも…

「同業者と仲良くした方がいい」という発言も、物議を醸しました。もちろん、露骨に価格を話し合って決めるのは問題外ですが、地域のお店同士で情報交換をしたり、ある程度の価格帯を意識しあったりする、いわゆる「暗黙の了解」のようなものが存在する可能性は否定できません。

実際にSNSなどを見ていると、「あそこの地域のお店は、なんとなく価格帯が揃っている気がする」といった声や、元店員らしき人から「過度な競争を避ける空気はあった」といった書き込みが見られることもあります。

これが果たして「協力」なのか、それとも単なる「市場観察の結果」なのか、線引きは非常に難しいところですが…。

【ここが知りたい】カードショップ間の「協力」や「暗黙のルール」って実際あるの?

さて、ここが一番気になるところですよね。本当にカードショップの間で、価格に関する「協力」や「暗黙のルール」は存在するのでしょうか? これは非常にデリケートな問題で、明確な答えを出すのは難しいです。

[独自考察] グレーゾーン?地域コミュニティと価格の「空気感」

法律で禁止されているような明確な「カルテル」や「談合」は論外としても、特に地域に根差した個人経営のお店が多い業界では、見えにくい「空気感」のようなものが価格に影響を与えている可能性は考えられます。

たとえば、「あの店がこの値段なら、うちはこれくらいかな」とか、「あまり極端な安売りをして、地域の相場を壊さないようにしよう」といった意識が働くことは、自然なことかもしれません。これは、法律的にグレーゾーンと言えるかもしれませんが、ある意味では、過当競争を防ぎ、地域のお店全体が存続していくための知恵、とも言えるのかもしれません。

海外、例えば北米のカードショップなどでは、価格の明示性が高かったり、コミュニティスペースとしての役割が重視されたりする一方で、やはりお店同士の関係性というものは存在します。

SNSで見かける「あの店は高い/安い」情報の裏側

私たちがSNSなどで目にする「〇〇店は安い!」「△△店は高い!」といった情報も、こうした業界の事情を少し知っておくと、見方が変わってくるかもしれません。単にそのお店が高い・安いというだけでなく、地域全体の価格帯や、お店がどのような戦略(常に安いEDLP戦略か、セールで一気に売るハイロー戦略か、など)をとっているのか、といった背景があるかもしれないのです。

他業界の事例から学ぶこと

過去には、ABC-MARTが実際より高い「メーカー希望小売価格」を表示して問題になったり、富士通が電力会社向けの機器で談合を行っていたりと、価格に関する問題は様々な業界で起こっています。これらの事例は、価格に関する情報交換や調整がいかに慎重に行われるべきかを示唆しています。

それって消費者(私たち)にはどう影響するの?メリット・デメリットを考える

では、こうしたカードショップ間の価格競争や協力(のようなもの)は、カードを買う私たち消費者にとって、どう影響するのでしょうか?

価格安定はメリット?デメリット?購入者目線での本音

お店同士の過度な価格競争が抑えられると、極端な安値でカードを買える機会は減るかもしれません。これは一見デメリットに思えます。しかし、一方で、価格が比較的安定していれば、「昨日買っておけばよかった!」と後悔することも減るかもしれませんし、お店が安定して経営できれば、品揃えが維持されたり、丁寧な接客を受けられたりするメリットも考えられます。

アンケートなどを見ると、消費者がカードショップに求めるものは、必ずしも「価格の安さ」だけではありません。「欲しいカードがちゃんと置いてあること(品揃え)」「店員さんの知識が豊富で相談しやすいこと」「お店が綺麗で居心地が良いこと」「大会などのイベントがあること」なども、お店選びの重要なポイントになっています。

[独自視点] 価格だけじゃない?お店選びで本当に大切なこと

結局のところ、私たち消費者にとって大切なのは、価格も含めたトータルでの「満足度」ではないでしょうか。値段はもちろん重要ですが、それだけにとらわれず、品揃え、お店の雰囲気、店員さんの対応、イベントの有無など、自分にとって何が重要なのかを考えてお店を選ぶことが、より豊かなカードライフにつながるのかもしれませんね。

【まとめ】はんじょう氏騒動から見えたトレカ業界と、私たちが考えるべきこと

今回のはんじょう氏の発言騒動は、単なる一個人の問題として片付けるのではなく、トレーディングカード業界が抱える価格設定の難しさや、激しい競争の実態、そして情報発信のあり方を改めて浮き彫りにしました。

「価格競争は当然」「安く買えるのが一番」という考え方もあれば、「過度な競争は業界全体を疲弊させる」「安定した経営のためにはある程度の協調も必要」という側面もあるのかもしれません。明確な答えはありませんが、今回の件は、私たち消費者がカードショップという存在とどう向き合っていくかを考える、良いきっかけになったのではないでしょうか。

あなたは今回の件、どう思いますか? カードショップに何を一番求めますか?


📌 近藤 健太郎|フリーライター(元新聞記者) 新聞社で社会部・経済部記者を経験後、フリーランスに。世の中の出来事の「なぜ?」を分かりやすく、時に鋭く切り込む解説記事が得意。硬いニュースも、読者の視点に立って柔らかく伝えることを心がけている。

タイトルとURLをコピーしました