新型コロナウイルスの流行により、日本ではハンドドライヤーの使用が禁止されました。
しかし、海外では通常通り使用されていたのです。なぜ日本だけがこのような対応をとったのでしょうか?その理由と現在の状況について見ていきましょう。
衝撃の事実!日本と海外のハンドドライヤー事情
新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、日本では多くの施設でハンドドライヤーの使用が禁止されました。しかし、海外では異なる対応が取られていたのです。
日本:全面禁止の大号令
2020年5月、日本政府は新型コロナウイルス感染症対策の一環として、ハンドドライヤーの使用停止を推奨しました。
これを受けて、多くの施設や企業が一斉にハンドドライヤーの使用を禁止しました。
海外:むしろ推奨される使用
一方で、世界保健機関(WHO)はハンドドライヤーの使用を奨励していました。
日本以外の国々では、ハンドドライヤーは通常通り使用されていたのです。
なぜ日本だけがハンドドライヤーを禁止したのか?
日本でハンドドライヤーが使用禁止となった背景には、いくつかの要因が考えられます。
感染拡大への過剰な警戒心
政府のガイドラインに「ハンドドライヤー利用停止」が盛り込まれたことで、多くの施設が感染拡大を恐れて使用を控えました。
科学的根拠が不十分なまま、過剰な警戒心が働いたと言えるでしょう。
本当に感染を広げるのか?科学的検証の結果は…
実際には、ハンドドライヤーが感染拡大につながる可能性は「極めて小さい」ことが後の検証で明らかになりました。
三菱電機株式会社の調査によると、オフィスで7時間過ごす場合の感染率が約6.8%であるのに対し、ハンドドライヤーを使用した場合の感染率は0.01%未満でした。
2024年現在のハンドドライヤー事情
ハンドドライヤーの使用禁止から4年が経過した現在、状況はどのように変化しているのでしょうか?
メーカーの声:風評被害との戦い
東京エレクトロンの井上聖一社長は、ハンドドライヤー禁止を「今でも風評被害だと思っています」とインタビュー記事で語っています。
科学的に安全性が確認されているにもかかわらず、一度「悪」とみなされると巻き返しが難しい現状を嘆いています。
需要回復への取り組み
2023年5月の新型コロナウイルス感染症の「5類移行」を機に、ハンドドライヤーの利用再開の動きが加速しています。
三菱電機、TOTO、パナソニックなどの主要メーカーは、衛生面を強化した新製品を投入し、需要喚起を図っています。
ハンドドライヤーについての専門家の見解
社会心理学者の碓井真史氏は、Yahooニュースのコメントで以下のように指摘しています。
「私たちは、『安全なもの』(科学的に安全なもの)ではなく、『安全そうなもの』(安全に感じるもの)を使う。そのような人の心理を無視するべきではない。不安に感じる人の気持ちにも寄り添いたい。しかし同時に、人々の非科学的な言動によって苦しむ人が生まれることも避けたい。」
この見解は、ハンドドライヤー問題の本質を突いていると言えるでしょう。
科学的根拠に基づいた判断と、人々の心理的安心感のバランスをどのように取るべきか。今後の感染症対策において重要な課題となりそうです。