近年、水道水に含まれるPFAS(有機フッ素化合物)による健康への影響が懸念されています。そこで今回は、人気の浄水器ブランド「ブリタ」のPFAS除去性能について詳しく解説します。
ブリタの浄水器はPFASを本当に除去できるのか、おすすめの製品は何か、他社製品と比べてどうなのかなど、気になる疑問にお答えしていきます。
ブリタ浄水器はPFASを除去できる?公式発表の内容
ブリタが公式に発表したPFAS除去に関する情報を詳しく見ていきましょう。信頼性の高い第三者機関による試験結果に基づいた内容となっています。
ブリタが発表したPFAS除去に関する情報
ブリタは2023年8月23日、公式サイトでPFAS除去に関する重要な発表を行いました。この発表によると、以下の2種類のブリタ浄水フィルターカートリッジがPFOS及びPFOAを80%以上除去できることが確認されました。
- マクストラプラス フィルターカートリッジ ピュアパフォーマンス(ポット型浄水器、タンク型浄水器用)
- マイクロディスク フィルターカートリッジ(ボトル型浄水器、カラフェ型浄水器用)
この結果は、一般社団法人浄水器協会の規格基準に基づいた試験によるものです。
PFAS除去試験の詳細
ブリタが実施したPFAS除去試験は、以下の規格に基づいています。
- 試験規格: JWPAS B.210「浄水器の除去性能等試験方法に関する規格基準」
- 実施機関: 日本国内の第三者機関
- 除去率: 80%以上
この試験結果により、ブリタの浄水器がPFASに対して高い除去性能を持つことが公式に認められました。
ブリタ浄水器のPFAS除去性能を詳しく解説
ブリタ浄水器のPFAS除去性能について、具体的な数値や仕組みを詳細に解説します。どの程度の効果があるのか、どのような原理で除去しているのかを理解しましょう。
除去可能なPFAS物質
ブリタの浄水器が除去可能なPFAS物質は主に以下の2種類です。
- PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)
- PFOA(パーフルオロオクタン酸)
これらはPFASの中でも特に注目されている物質で、環境や健康への影響が懸念されています。
除去率と浄水能力
ブリタの公式発表によると、PFOS及びPFOAの除去率は80%以上となっています。ただし、具体的な数値は公表されていません。
浄水能力に関しては、カートリッジ1個あたりの総ろ過水量は150Lとなっています。1日5.3Lを使用した場合、約4週間で交換が必要です。
カートリッジの仕組みとPFAS除去の原理
ブリタのカートリッジには主に以下の成分が含まれており、それぞれが異なる役割を果たしています。
- 活性炭: 塩素や有機物、PFASなどを吸着除去
- イオン交換樹脂: 水の硬度を下げ、重金属を除去
- メッシュフィルター: 微粒子をろ過
PFASの除去は主に活性炭の働きによるものです。活性炭の表面積が非常に大きいため、PFASのような有機化合物を効果的に吸着することができます。
PFAS対応のおすすめブリタ製品3選
PFAS除去に対応したブリタの製品の中から、特におすすめの3つを紹介します。それぞれの特徴や使用シーンを考慮して選んでいますので、自分に合った製品選びの参考にしてください。
1. ブリタ ポット型浄水器 スタイル
- 全容量: 2.4L
- ろ過水容量: 1.26L
- カートリッジ: マクストラプラス ピュアパフォーマンス(PFAS対応)
- 特徴: LED式カートリッジ交換お知らせ機能付き
- 価格: 約4,500円
PFAS除去に対応したカートリッジを使用し、使いやすいサイズと機能を兼ね備えた人気モデルです。
2. ブリタ カートリッジ マクストラプラスピュアパフォーマンス
- 対応製品: ブリタのポット型/タンク型浄水器全モデル(クラシックを除く)
- 総ろ過水量: 150L
- 交換目安: 4週間に1回(1日5.3L使用の場合)
- 除去物質: 塩素、PFOS/PFOA、鉛、銅など
- 価格: 4個入り約4,300円
PFAS除去試験済みのカートリッジで、安心して使用できます。バイオベースプラスチック素材を50%使用したサステナブルな製品です。
3. ブリタ ボトル型浄水器
- 容量: 0.6L
- カートリッジ: マイクロディスク浄水フィルター(PFAS対応)
- 特徴: 携帯可能、食洗機対応(フタを除く)
- 除去物質: 塩素、PFOS/PFOA、農薬、除草剤など
- 価格: 約2,000円
外出先でもPFAS除去された水が飲めるコンパクトな浄水器です。ヤシ殻由来の活性炭を使用したエコフレンドリーな製品です。
これらの製品はいずれもPFAS除去に対応しており、用途や使用場所に応じて選ぶことができます。
ブリタ浄水器でPFASを除去する際の注意点
ブリタ浄水器を使ってPFASを効果的に除去するためには、いくつか注意すべき点があります。ここでは、長期間にわたって高い除去性能を維持するためのポイントを解説します。
カートリッジ交換の重要性
PFASを効果的に除去し続けるためには、適切なタイミングでのカートリッジ交換が非常に重要です。ブリタの推奨する交換頻度は以下の通りです。
- 交換目安: 4週間に1回
- 総ろ過水量: 150L
カートリッジの交換が遅れると、PFAS除去性能が低下する可能性があります。多くのブリタ製品には交換時期をお知らせする機能が付いているので、それを活用するとよいでしょう。
適切な使用方法とメンテナンス
PFAS除去性能を最大限に発揮させるためには、以下の点に注意して使用しましょう。
- 水道水以外の液体を入れない
- 定期的に本体を洗浄する
- カートリッジ交換時は説明書に従って正しく装着する
- 直射日光の当たる場所や高温になる場所での使用・保管を避ける
これらの点に気をつけることで、長期間にわたって安定したPFAS除去性能を維持することができます。
ブリタ以外のPFAS対応浄水器との比較
ブリタ以外にもPFAS除去に対応した浄水器を販売しているメーカーがあります。ここでは、他社製品との性能比較やコストパフォーマンスの違いを分析し、より適切な選択の助けとなる情報を提供します。
他社製品のPFAS除去性能
ブリタ以外にも、PFAS除去に対応した浄水器を販売しているメーカーがあります。主な競合製品との比較は以下の通りです。
- クリンスイ: 一部モデルでPFOA・PFOS除去率95%以上を達成
- パナソニック: 一部モデルでPFOA・PFOS除去率80%以上を実現
- 東レ: 一部モデルでPFOA・PFOS除去率90%以上を達成
ブリタの公式発表では具体的な除去率は明らかにされていませんが、少なくとも80%以上の除去率があることが確認されています。
コストパフォーマンスの比較
浄水器のコストパフォーマンスを比較する際は、初期費用とランニングコスト(カートリッジ交換費用)の両方を考慮する必要があります。
ブリタと他社製品のコストパフォーマンスを比較すると、以下のような特徴があります。
- 初期費用:
- ブリタ:約3,000円〜5,000円(ポット型)
- クリンスイ:約8,000円〜15,000円(蛇口直結型)
- パナソニック:約10,000円〜20,000円(蛇口直結型)
- カートリッジ交換費用(1年あたり):
- ブリタ:約10,000円(4週間ごとに交換の場合)
- クリンスイ:約6,000円〜10,000円(2〜4ヶ月ごとに交換)
- パナソニック:約8,000円〜12,000円(3〜4ヶ月ごとに交換)
ブリタは初期費用が比較的安価ですが、カートリッジの交換頻度が高いため、長期的には他社製品と同程度のコストになる可能性があります。
ただし、使用量や水質によって実際の交換頻度は変わってくるため、個々の使用状況に応じて判断する必要があります。
また、ブリタのポット型やボトル型は設置工事が不要で、賃貸住宅でも気軽に使用できるというメリットがあります。
まとめ:ブリタ浄水器のPFAS対策は有効か
ブリタの浄水器におけるPFAS対策について、以下のようにまとめることができます。
- 有効性:
- 公式発表によりPFOS・PFOAの80%以上の除去が確認されています。
- 第三者機関による試験結果に基づいており、信頼性が高いと言えます。
- 製品ラインナップ:
- ポット型、ボトル型、カラフェ型など、様々なニーズに対応した製品があります。
- PFAS対応のカートリッジが多くの製品で使用可能です。
- 使いやすさ:
- 設置工事不要で、簡単に使い始められます。
- カートリッジ交換のお知らせ機能付きの製品もあり、適切なメンテナンスが行いやすいです。
- コストパフォーマンス:
- 初期費用は比較的安価ですが、カートリッジ交換の頻度が高いため、長期的なコストを考慮する必要があります。
- 注意点:
- 適切なカートリッジ交換と日常のメンテナンスが重要です。
- 使用する水の量や質によって、実際のPFAS除去効果は変わる可能性があります。
総合的に見て、ブリタの浄水器はPFAS対策として有効な選択肢の一つと言えるでしょう。特に、設置の手軽さや製品の多様性という点で優れています。
ただし、より高い除去率を求める場合や、長期的なコストを重視する場合は、他社製品も含めて比較検討することをおすすめします。
最終的には、個々の使用環境や予算、重視するポイントに応じて、最適な浄水器を選択することが大切です。PFAS対策としてブリタの浄水器を選ぶ場合は、本記事で紹介した注意点を踏まえ、適切に使用・メンテナンスを行うことで、効果的にPFASリスクを低減することができるでしょう。