2024年1月8日にフランスのボルヌ首相が辞任し、翌9日はマクロン大統領がガブリエル・アタル教育相を首相に任命したと発表しました。
このガブリエル・アタルさんは日本だとあまり知名度がなく、「この人は誰だろう?」となった方も多いのではないでしょうか。
そこで、どのような人なのかこの記事に詳細を分かりやすくまとめました。
これから先、フランスのニュースでガブリエル・アタルさんが出てくると思うので、この記事を読めば理解しやすくなりますよ。
ガブリエル・アタルさんのプロフィール
まずはガブリエル・アタルさんのプロフィールを確認してみましょう。
年齢や出身地、学歴について
- 氏名:ガブリエル・アタル(Gabriel Attal)
- 生年月日:1989年3月16日
- 出身地:フランス北部のオードセーヌ県のクラマール
父のイヴ・アタルは、弁護士で映画のプロデューサーでもあった人物。母のマード・ド・クーリスは映画製作会社の社員として働いていました。アタルさんには、3人の姉妹がいます。
私立学校であるエコール アルザシエンヌに通い、2008年からパンテオンアサス大学で法律を学び、2011年に卒業。2012年には、パリ政治学院で公共問題修士を取得しています。
このパリ政治学院の卒業者は、元フランス大統領のジャック・シラクさんやマクロン現大統領などそうそうたる顔ぶれ。そのため、パリ政治学院はトップエリート達の母校としても知られています。
出身校で見ると、マクロン大統領は卒業した学校の後輩を首相に任命したことになりますね。
政治家としてのキャリア
ガブリエル・アタルさんの政治活動は、2006年に行われた若者の抗議活動に参加した時から始まりました。
2012年に大統領選挙期間中に、フランス国会でインターンシップ。その後に保健大臣の顧問として5年勤務し、議会との連絡やスピーチライティングなどの仕事をしています。
2014年の地方選挙で社会党の名簿で5位にランクされ、ヴァンヴ市(Vanves)で市議会議員として選出されました。
国会議員の前に地方から市議として活動していたんですね。
2018年6月18日、オードセーヌ県第10選挙区から立候補しフランス国民議会議員に選出されます。
国会議員となった時の評判は、「アメリー・ド・モンシャラン(Amélie de Montchalin)という女性政治家と共に、最も才能がある新人議員」と言われていました。
2018年10月16日、国民教育・青少年大臣の次官に任命。この時29歳で第5共和制下の政府で最年少メンバーとなりました。
2020~2022年まではジャン・カステックス首相の下で政府報道官を務めています。この時は新型コロナウイルスによるパンデミックでしたので、フランスでよく知られるようになりました。
2022年5月に公共活動・会計大臣に就任。
2023年7月に国民教育・青少年大臣に就任。
2024年1月にフランス首相に就任。
かなりのスピードで出世していますが、新人の時からその能力を高く評価されていたのですね。
政治家としての実績は?
ガブリエル・アタルさんの実績で有名なものは、いじめ対策といった学校改革の推進です。
日本でもニュースになりましたが、フランスの中学校でいじめをした子が法律違反で逮捕されたという出来事がありましたよね。
実は逮捕に繋がった法律は、ガブリエル・アタルさんが推進したいじめ対策によるものです。
日本でも、いじめられた子が悲惨なことになっているニュースを見ます。
なぜかいじめた子をかばう人もいますが、逮捕まではともかくいじめをした子に何らかのペナルティは必要ですね。
実はガブリエル・アタルさんも学生時代にいじめに遭いとてもつらい経験をしています。
なぜ新首相へ抜擢された?
2024年の1月8日に、前任者のボルヌ首相が辞任したためです。ボルヌさんは、フランス初の女性首相でした。
辞任した背景は、新しい移民法や年金改革などで野党から反発を招き、議会対応に苦戦してしまい、マクロン大統領の支持率も低迷したことがあります。
支持率を回復するために、近く内閣改造があるのではとされ、それに先立ちボルヌ首相が辞任した形です。
ボルヌ首相が辞任した翌日の1月9日に、マクロン大統領は新首相にガブリエル・アタル教育相を任命と発表。
この時点で34歳でしたので、フランス史上最年少の首相が誕生しました。
なお、ガブリエル・アタルさんを首相に任命した背景は、同氏がフランスでも知名度があり好感度も高いため、低迷した支持率にテコ入れしたい思惑があるとされています。
ガブリエル・アタルさんがフランス国民に広く知られているのは、新型コロナウイルスによるパンデミック時に政府報道官を務めていたためです。
フランスではどのように報道されている?
フランスのニュースサイト(Le Figaro・Le Monde・franceinfo・Le Parisien)をチェック。なお、チェックしたのは就任翌日である2024年1月10日のものです。
全体的な傾向として、どこのニュースサイトも冷静に見ており、「マクロン大統領が若く人気があるガブリエル・アタルさんを首相に任命することで支持率の低迷を何とかしようとしているのだろう」といった論調でした。
本人については特にスキャンダルもなく、「人気がある」「高評価」といった表現が多いですね。
最年少で首相になったことについては、能力や人気の高さからあまり批判はありません・
ただし、ガブリエル・アタルさんが首相になっても、何も変わらないのではないという意見はそこそこ見ました。
首相となると大変ですが、ぜひ活躍して欲しいですね。
同性愛者であることを公表!
ガブリエル・アタルさんは、フランスの政治家として初めて同性愛者であることを公表しています。
実はフランスでは2013年5月に、同性婚を合法化されています。ただし、フランスでも同性婚へ反対し過激な行動を取る方も。
そのような事情があるため、なおかつ政治家であるガブリエル・アタルさんが公表するのは勇気が必要で、誰でもできることではありません。
日本との関係は?
調査してみましたが、ガブリエル・アタルさんが日本について言及しているものはありませんでした。
日本でもこれまで知られていなかったので、これからということですね。
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