「ギャルってこんなんだっけ?」そんな声が視聴者から次々と上がった朝ドラ『おむすび』。
“ギャルマインド”をテーマに据えた意欲作でしたが、想定外の違和感が広がり、視聴率はワースト級。
本記事では、なぜ『おむすび』のギャル描写が共感を得られなかったのか、SNSの声や文化背景を交えて徹底分析します。
視聴者が感じた“違和感”の正体とは?
ギャル文化を描いた朝ドラという斬新な挑戦に、視聴者の間で賛否が分かれました。なぜそこまで違和感が生まれたのでしょうか。
ギャルの描き方が「古い」「雑」と言われた理由
「仲間が呼んだらすぐ駆けつける」「他人の目は気にしない」「ダサいことは死んでもするな」――ドラマ内で語られた“ギャルの掟”は、どこか記号的で、リアルさに欠けていた印象があります。
平成のギャル文化を知る層からは「これはギャルというよりテンプレのコスプレ」との指摘も。外見や口調だけでギャルを表現しようとした結果、「中身が空っぽに見えた」という声が多く聞かれました。
「ギャルマインド」が共感を得られなかった背景
制作側が掲げた“ギャルマインド”――つまり「自分らしさ」「仲間との絆」は、一見ポジティブに思えます。
しかし、視聴者からは「それってギャルじゃなくても大事にしてるよね?」と疑問の声が。
「夢を追う=ギャル」といった強引な演出に、価値観の押し付けを感じた人も少なくありませんでした。
SNSでの声はどうだった?
視聴率だけでなく、SNSやコメント欄でも『おむすび』は物議を醸しました。その中には鋭い指摘も多く含まれています。
X(旧Twitter)・Yahooコメントに寄せられた反応まとめ
「脚本が雑すぎてついていけない」「わざとらしさが目立って共感できなかった」――こうした声が目立ちました。
とくに序盤の“ギャルパラパラ演出”や、“夢を追う彼氏を見てギャルだと称賛する”展開には「それってギャル関係ある?」という戸惑いも。
一方で、「若手俳優の努力を感じた」「挑戦作として面白かった」という温かい意見もあり、評価は二極化していました。
世代別の感想の違いも?リアルな視点を分析
平成ギャル世代(30〜40代)からは「これがギャルなら、当時はギャルだらけだったよ」と冷静な声が。
一方、Z世代の一部には「ギャルってよく知らないけどカッコいい」と受け入れた人も。
ただし、物語を通じて“ギャル”というキャラが一貫性を持って描かれたとは言い難く、世代を超えて違和感が残ったようです。
平成ギャル文化と現代のズレを考察
ギャルを主役に据えるなら、文化背景への理解は欠かせません。その点で、本作はやや軽率だったかもしれません。
ギャルは“時代”と共に変わってきた
平成のギャルといえば、日焼け肌にルーズソックス、独自の言葉遣いで“型破り”なイメージでした。
一方、現代のギャルは多様性を大切にし、メイクやファッションも個人主義的。
ドラマが描いた「ザ・ギャル像」は、令和の視聴者にとっては“古臭い再現ドラマ”のように映った可能性があります。
なぜギャルが「朝ドラのヒロイン」としてミスマッチだったのか
“清く正しく美しく”の朝ドライメージと、“破天荒で自由”なギャル像。この2つの世界観が噛み合わなかったのは否めません。
また、主人公・結のキャラ造形がぶれていたことも問題でした。
「ギャルをやりたいの? 栄養士になりたいの? どっち?」というモヤモヤが視聴者の置いてけぼり感につながっていたのです。
まとめ|“共感できる主人公”が朝ドラのカギ
結局、視聴者が朝ドラに求めているのは「成長を見守りたくなる主人公」。
今回の『おむすび』は、その軸が揺らいでしまったことで、最後まで共感を得られなかったのかもしれません。
“ギャル”という大胆なテーマは悪くなかっただけに、もう少し丁寧に描けば…という惜しさも残ります。
📌 水野 恵理|心理学専攻ライター
エンタメと心理学を掛け合わせた視点で、ドラマ・映画・人間関係の「なぜ?」をわかりやすく解説する記事を得意としています。