NHKが香川県の旧金毘羅大芝居で収録中に文化財を破損したことが話題となっています。本記事では、NHKの過去の文化財破損事件について詳しく解説し、再発防止策についても考察します。
2024年6月にNHKによる文化財破損が発生
2024年6月10日、NHKは番組収録中に香川県琴平町の「旧金毘羅大芝居」で国の重要文化財を破損したことを公表し、謝罪しました。
Eテレの番組『芸能きわみ堂』のロケ中、撮影担当者が花道から客席に転落し、升席を仕切る木製の角材の一部を破損してしまいました。幸い、出演者や関係者にけがはなく、一般公開や公演にも影響はありませんでした。
NHKは「貴重な文化財を破損したことを深くお詫びいたします。関係機関の指導に従い、適切に対応してまいります。改めて文化財の保護を徹底してまいります」とコメントしました。
破損させてしまった旧金毘羅大芝居とは?
旧金毘羅大芝居(金丸座)は香川県仲多度郡琴平町に位置する日本最古の現存する芝居小屋で、1835年に建設されました。
この劇場は江戸時代の芝居文化を今に伝える貴重な施設で、国の重要文化財に指定されています。館内には役者が出入りする花道や、客席を見下ろす桟敷席など、伝統的な劇場の要素が多く残されています。
毎年春には「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開催され、多くの観光客が訪れます。
NHKによる過去の文化財破損
NHKはこれまでにも文化財を破損したことがあります。特に有名なのは以下の事例です。
- 高野参詣道の破損: 2022年、NHKが発注した工事によって、和歌山県の世界遺産である高野参詣道の階段や路肩が破損しました。和歌山県は工事を中止するよう指導しました。
- 百済寺の破損: 2023年、NHKのドラマ撮影中に滋賀県東近江市の百済寺で国の重要文化財が破損されました。濡れ縁に10人が集まったことで木材に負担がかかり、破損したと報告されています。
- 国宝への釘打ち事件: NHKの番組『ゆく年くる年』の中継準備中に、国宝の鐘楼に釘を打ち込みケーブルを固定したことがありました。この行為は大きな批判を呼びました。
NHKによる再発防止策と対応
NHKは、文化財の保護に対する意識を高めるため、以下の再発防止策を講じています。
- 事前調査の徹底: 撮影前に文化財の状態を詳細に調査し、撮影に伴うリスクを最小限に抑える。
- 撮影スタッフの教育: 文化財の保護に関する専門的な教育を行い、意識を高める。
- 保護対策の強化: 撮影中は、文化財を保護するための対策を徹底し、必要に応じて専門家を同行させる。
まとめ
NHKは文化財に関わることが多く、破損させてしまうことがあるのは仕方がありません。今回もわざとではなく転落してしまったことによる事故です。ただし、過去には文化財に釘を打ってしまうという信じられない出来事もありました。
NHKの文化財破損事故は、文化財の保護の重要性を改めて考えさせる出来事です。NHKは再発防止策を講じ、今後同様の出来事が起こらないよう努めることが求められます。文化財は私たちの歴史と文化を象徴する重要な財産であり、その保護と継承が何よりも大切です。