120TBのSSDは何に使われる?AI・データセンター・映画業界での活用を解説!

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「120TBのSSDが登場!」と聞いて、多くの人が驚いたのではないでしょうか?
これほどの超大容量ストレージ、一体何に使われるのでしょうか?

キオクシアが発表した LC9シリーズ は、AIのトレーニングデータ保存やデータセンター用途、映画業界での大容量映像データ管理に活用されると考えられています。

本記事では、 120TB SSDの用途、メリット・デメリット、価格予測、今後の普及の可能性 について詳しく解説します。

120TB SSDが登場!なぜ話題になっているのか?

キオクシアが発表した 120TB SSD は、エンタープライズ向けストレージとして登場しました。この超大容量SSDは、 AIやデータセンターなどのハイエンド環境 で活用されることを想定しており、一般向けの製品ではありません。
しかし、ここまでの大容量SSDが登場することで、今後のストレージ技術の進化にも大きな影響を与える可能性があります。

キオクシアの120TB SSDとは?スペック・価格をチェック

まずは、キオクシアの120TB SSDの基本スペック を見ていきましょう。

  • 製品名:キオクシア LC9シリーズ
  • 容量:122.88TB
  • インターフェース:PCIe 5.0、NVMe 2.0対応
  • フォームファクター:2.5インチ
  • 耐久性:0.3 DWPD(Drive Write Per Day)
  • 価格予測:数百万円以上(推定)

このSSDは エンタープライズ向け(企業向けのこと)の製品であり、 個人での購入はほぼ不可能 と思われます。価格はまだ正式発表されていませんが、同等のストレージ製品を参考にすると 数百万円以上 になると予想されています。

一般ユーザーでも使える?用途や制限を解説

「個人で120TB SSDを使うことはできるの?」と疑問に思う人もいるでしょう。

結論から言うと、 一般ユーザーがこのSSDをフル活用するのは難しい です。

理由としては、

  1. 価格が高すぎる(数百万円レベル)
  2. データ転送速度が一般的なPCでは活かせない(PCIe 5.0対応の専用環境が必要)
  3. 一般的な用途ではここまでの容量は不要

ただし、将来的には技術の進化により、 大容量SSDの価格が下がる可能性 もあります。現在は企業向けですが、数年後には個人向けに 10TB~20TBのSSD が一般化するかもしれません。

120TB SSDの主な用途とは?

では、実際にこの 超大容量SSD はどのような用途で使われるのでしょうか?
主に、AI・データセンター・映画制作 など、膨大なデータを扱う業界での活用が期待されています。

AI・機械学習分野での活用(生成AIの処理速度向上)

AI技術の発展に伴い、大量のデータを扱う必要があるため、高速かつ大容量のストレージ が求められています。

具体的な用途としては、

  • 生成AIのトレーニングデータ保存(ChatGPTのような大規模モデルの学習)
  • リアルタイムデータ処理(AI推論の高速化)
  • ラージスケールデータセットの管理

特に、生成AIのような 膨大なデータを処理するモデル では、HDDでは読み書きが追いつかず、SSDが必須となります。

データセンター・クラウドストレージでのメリット

データセンターやクラウドストレージ では、企業が扱うデータ量が年々増加しています。
そのため、 大容量で信頼性の高いストレージ が必要とされています。

120TB SSDのメリットとして、

  • HDDよりも高速なデータ処理が可能
  • 省スペースで大量のデータを保存できる(データセンターの物理スペースを削減)
  • 耐久性が向上し、システム障害を減らせる

GoogleやAWSのような クラウドプロバイダー も、大容量SSDの導入を進めており、今後 企業向けのストレージ環境 において標準化されていく可能性があります。

映画制作・映像業界での大容量データ管理

映像制作の現場では、8K・12Kといった超高解像度映像 の撮影が一般化しており、膨大なデータを扱う必要があります。特に、映画・ドラマ・CM制作の現場では ストレージの速度と容量の両方が求められる ため、大容量SSDが重要な役割を果たします。

映像制作で120TB SSDが求められる理由

超高解像度の映像データは、圧縮しなければ 1時間で数十TB~100TB以上 に達することがあります。例えば、

  • 8K解像度(7680×4320ピクセル) の未圧縮映像 → 1時間で約86TB
  • 12K解像度(11520×6480ピクセル) の未圧縮映像 → 1時間で約190TB

こうしたデータを保存・編集するために、高速なSSD が不可欠です。HDDでは データ転送速度が遅く、編集作業に支障が出る ため、大容量SSDの導入が進んでいます。

120TB SSDの導入で変わる映像業界の未来

大容量SSDの普及により、映像制作の現場では次のような変化が期待されています。

  • 編集作業の高速化(データ転送が速くなり、スムーズなワークフローを実現)
  • ストレージの省スペース化(複数のHDDを束ねる必要がなくなり、作業環境をシンプルに)
  • バックアップの効率化(大容量SSD1台で大量のデータを安全に保存)

すでにハリウッドの映画制作スタジオでは、4K~8Kの映像データを扱うためにSSDを活用する事例が増えており、今後は12K対応の環境も整備されていくでしょう。

120TB SSDのメリットとデメリット

120TB SSDは、超大容量のストレージとして注目されていますが、導入にはメリットとデメリットの両方 があります。

超大容量ストレージのメリットとは?

120TB SSDの主なメリットは以下の通りです。

  • 圧倒的な容量:従来のSSDでは不可能だったデータ量を1台で保存可能
  • 高速なデータ転送:HDDの数十倍のスピードで読み書きができ、AI・映像制作・クラウド用途に最適
  • 耐久性が向上:HDDと比べて故障リスクが低く、信頼性の高いストレージ環境を構築可能

特に、データセンターやAI用途 では「ストレージの速度」が最も重要であり、大容量SSDの導入は大きなメリットをもたらします。

高コスト・耐久性・実用性の課題について

一方で、120TB SSDにはいくつかのデメリットもあります。

  • 価格が高すぎる:現在の市場では、数百万円以上の価格帯であり、一般ユーザーには手が届かない
  • 書き込み耐久性の問題:QLC NAND採用のため、書き込み回数に制限があり、長期間の使用には注意が必要
  • 一般用途ではオーバースペック:個人ユーザーが使うには容量が大きすぎて活用しにくい

特に、SSDの価格は技術の進化とともに下がる傾向がありますが、120TBクラスのSSDが一般向けに普及するには、まだ数年の時間がかかる と考えられます。

まとめ&120TB SSDはどんな人に向いている?

120TB SSDは、主に 企業向けの超大容量ストレージ として設計されており、一般ユーザーには現時点では不要なスペックです。では、どのような人や企業がこのSSDを導入すべきなのでしょうか?

企業向け?個人でも導入可能?

120TB SSDは、次のような用途を持つ企業や団体に最適です。

  • AI・機械学習:大規模なデータセットを扱うAIのトレーニング環境
  • データセンター・クラウド事業者:クラウドサービスのストレージ強化
  • 映画・映像制作会社:8K・12K映像の保存と編集環境の構築

一方、個人での導入は、現状では コスト面や実用性の観点から難しい でしょう。ただし、技術が進歩すれば 大容量SSDの価格が下がり、一般向けの製品も登場する可能性 があります。

今後の価格動向と普及の可能性

120TB SSDの価格は現在 数百万円以上 と予想されますが、過去のストレージの価格推移を見ると、

  • 1TB SSD → 10年以上前は数十万円、現在は1~2万円程度
  • 10TB HDD → 数年前は高価だったが、現在は5万円程度

と、大容量ストレージのコストは年々下がっています。そのため、数年後には120TB SSDもより低価格化し、一部のハイエンドPCユーザーやクリエイター向けの製品として登場する可能性 があります。

ただし、HDDの大容量化も進んでおり、コストパフォーマンスの面ではHDDが優位な状況が続く でしょう。そのため、120TB SSDが広く普及するのは 2028年以降になる可能性 も考えられます。


📌 村上 陽介|テクノロジーライター
元プログラマー。最新のIT技術やガジェットを分かりやすく解説することを得意とする。
「難しい技術をシンプルに伝える」がモットー。

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