「うちの子、最近ゲームばっかりで…」「将来大丈夫かしら?」なんて、心配になること、ありますよね。特に、ニュースで話題になった小学生YouTuber・Tarou君の「中学校には行かない」「1日10時間以上ゲーム練習する」という宣言を聞いて、驚いた方も多いのではないでしょうか?
この記事では、プロゲーマーを目指すTarou君のリアルな生活や、それを支えるご両親の考え方、そして専門家の意見などを交えながら、子供の「大好き!」な気持ちとどう向き合い、どうサポートしていくか、そのヒントを探っていきます。Tarou君親子の選択は特別に見えるかもしれませんが、きっとあなたの家庭の子育てにも役立つ気づきが見つかるはずですよ。
話題の小学生YouTuber・Tarou君ってどんな子?
最近、メディアで取り上げられることも多いTarou君。「一体どんな子なの?」と気になっている方もいるかもしれませんね。まずは、Tarou君がどんなお子さんなのか、そしてなぜ注目されているのかを見ていきましょう。
フォートナイトでプロを目指す12歳
Tarou君は、大人気のオンラインゲーム「フォートナイト」の実力派プレイヤーとして知られる12歳の男の子。小学校2年生の頃からゲーム実況を始め、YouTubeチャンネル「たろうチャンネル」は、なんと登録者数19万人を超える人気ぶりなんです!すごいですよね。
そんなTarou君の目標は、「フォートナイト」のプロゲーマーとして世界大会に出場すること。その夢に向かって、日々練習に励んでいます。
「中学校には行かない」宣言が物議に
Tarou君が一躍注目を集めたのは、今年2月、「小学校卒業後、中学校には通わない」とX(旧Twitter)で宣言したことでした。「義務教育なのに?」「勉強はどうするの?」と、ネット上では様々な意見が飛び交い、大きな話題となりました。
学校という一般的なルートではなく、プロゲーマーという夢に最短距離で進むことを選んだTarou君。その決断の背景には、ご家族との話し合いがあったようです。
【親目線】1日10時間ゲームって…Tarou君のリアルな生活、大丈夫?
「1日に10時間もゲーム!?」と聞くと、親としては「えっ、健康は?」「勉強は?」「友達付き合いは?」なんて、心配事が次々と浮かんできませんか?私も同じです…。ここでは、気になるTarou君のリアルな生活について、もう少し詳しく見ていきましょう。
睡眠時間は10時間確保!ゲームと健康の両立は?
まず驚くのが、睡眠時間は最低でも10時間きっちり確保しているということ。これは、厚生労働省が推奨する子供の睡眠時間なんだとか。お母さんも最初は「10時間って多くない?」と思ったそうですが、プロとしてゲームをするなら、集中力を保つために質の高い睡眠が不可欠、という考えのようです。
たしかに、寝不足だと頭がボーッとしてしまいますもんね。これはゲームに限らず、勉強や他のことにも言えそうです。
運動や学習はどうしてる? 親子での取り組み
じゃあ、運動不足は大丈夫なの?という点も気になりますよね。Tarou君は、健康な体づくりのために、毎日決まった時間に運動を取り入れているそうです。
インタビューによると、親子で一緒に山を散歩したり、ストレッチをしたり。最近では、短時間で効果が高いとされる高強度インターバルトレーニング(HIITのようなものでしょうか)も週に1〜2回行っているとのこと。都会から自然豊かな村へ移住した環境も、体を動かす機会につながっているのかもしれませんね。
学習面については、「中学の学習指導要領をカバーしようとは思わない」とご両親は語っています。これは、「学校で学ぶことが将来本当に役立つのか懐疑的」という考えがあるからだそう。
でも、放任しているわけではなく、Tarou君が興味を持ったこと(今はフォートナイト)を深く掘り下げたり、AIツールを使って調べたり、家族と話したりする中で、科目にとらわれない形で教養を深めていくことを目指しているようです。
東大卒のお父さんならではのユニークな発想かもしれません。
ゲーム漬けで心配…依存やコミュニケーション不足は?
それでもやっぱり、「ゲームばっかりで大丈夫?」という心配は残りますよね。ゲーム依存になったり、友達と遊ぶ時間が減ってコミュニケーション能力が育たないのでは…?と感じる方もいるでしょう。
この点について、ご両親がどう考えているかは記事からは読み取れませんでしたが、Tarou君自身はインタビュー動画で「学校のみんなと毎日会えなくなるのは残念だけど、友達とはオンライン(フォートナイト)で遊ぶことの方が多い」と話していました。また、お母さんによると、村では放課後に友達と遊ぶ機会が元々あまり多くないという事情もあるようです。
ただ、児童精神科医の吉川徹氏は、子供がゲームやネットに夢中になること自体を頭ごなしに否定せず、まずはその熱中を肯定的に受け止め、親子でルールを決めていくことが大切だと指摘しています。Tarou君のご家庭も、きっとたくさん話し合って、今のスタイルを決めたのでしょうね。
なぜそこまで? Tarou君の「好き」を支える両親の覚悟と想い
中学校に行かせず、1日10時間もゲーム。なかなか思い切った決断ですよね。しかも、ご両親ともに高学歴。なぜ、いわゆる「普通の道」ではなく、息子の「ゲーム」という情熱をここまで応援できるのでしょうか?そこには、ご両親の確固たる信念と覚悟があるようです。
高学歴なのに…? 親が語る「学歴より大切なもの」
お父さんは筑駒から東大法学部、お母さんは海外大学卒と、輝かしい学歴の持ち主。だからこそ、「なぜ子供には学歴を求めないの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
お父さんはインタビューで、「いい大学に入り、新卒で大企業に入ることが目標なら受験勉強はした方がいい」としつつも、「6年後の受験システムは分からないし、システムが変わっても対応できる柔軟性を育ててやりたい」と語っています。また、「勉強は人生いつでもできる。むしろ興味を持った時の方が身につく」とも。
ご自身の経験(東大卒→フリーランス)や、時代の変化を見据えた上で、「学歴」というレールに乗ることよりも、息子自身の興味関心や、変化に対応できる力を育むことを重視しているのかもしれませんね。なんだか、これからの時代を生きる私たち親にとっても、考えさせられる言葉です。
子供の才能を信じる「覚悟」とは
とはいえ、子供の将来を思うと、不安になるのが親心ですよね。特にeスポーツの世界は、競争が激しく、活躍できる期間も短いと言われています。そのリスクを承知の上で、息子の才能を信じ、全力でサポートすると決めたご両親の「覚悟」は、並大抵のものではないはずです。
そこには、「子供の人生は子供のもの」という考え方と、息子への深い信頼があるように感じます。「もし将来、学力が必要になったとしても、本人が必要だと思えばその時になんとかできるはず」という言葉からは、Tarou君の主体性や学ぶ力を信じている様子がうかがえます。
批判も覚悟の上? 親としてのサポート体制
「中学不登校」宣言には、やはり批判的な声も多く寄せられています。「親の責任放棄だ」「社会性が身につかない」といった厳しい意見も。ご両親も、そうした反応はある程度覚悟していたのではないでしょうか。
それでも自分たちの選択を貫くためには、具体的なサポート体制が不可欠です。睡眠や運動といった健康管理はもちろん、学習面でのフォロー、そして何より、子供の心のケアが重要になってくるでしょう。ご両親がフリーランスや会社経営という自由な働き方を選んでいることも、息子に寄り添う時間を確保するためなのかもしれません。
我が家でもできる? 子供の「好き」を伸ばすヒントと注意点
Tarou君親子の話を聞いて、「うちの子の『好き』も、もっと応援してあげたいな」と感じた方もいるかもしれません。でも、「プロを目指すわけじゃないし…」「どこまで自由にさせていいの?」と迷うこともありますよね。ここでは、一般家庭でも参考にできるヒントと、注意点を考えてみましょう。
才能の見つけ方・向き合い方のヒント
子供が何かに夢中になっている時、それは才能の芽かもしれません。大切なのは、まずその熱中を否定せずに、興味を持って見守ること。「へぇ、面白いね!」「どんなところが好きなの?」と声をかけるだけでも、子供は「自分の好きを認めてもらえた」と感じ、自己肯定感につながるかもしれません。
心理学的に見ても、内発的な動機(好きだからやる!)は、学習効果や持続力を高めると言われています。親が一方的に期待を押し付けるのではなく、子供自身が「やりたい!」と思えることを見つける手助けをしてあげたいですね。
「ゲーム=悪」じゃない? ポジティブな側面
つい「ゲームばっかりして!」と叱ってしまいがちですが、ゲームにも良い面はたくさんあります。たとえば…
- 戦略的思考力や問題解決能力が養われる
- チームで協力することで協調性が身につく
- オンラインで多様な人と交流できる
- 目標達成のために努力する経験ができる
もちろん、やりすぎは禁物ですが、ゲームの種類や関わり方によっては、子供の成長につながる可能性も秘めているんです。どんなゲームをしているのか、親子で話してみるのも良いかもしれませんね。
一般家庭が真似する際の注意点
Tarou君のケースは、ご両親の経済力や学歴、特殊な環境があってこそ、という側面も否定できません。そのまま真似するのは難しいかもしれませんが、参考にできる考え方はあります。ただし、注意点も。
- 親子でしっかり話し合う: 子供の意思を尊重しつつ、現実的な目標やルールを一緒に決めることが大切です。専門家も「守れるルールを一緒に作ること」を推奨しています。
- リスク管理も忘れずに: もしその道がうまくいかなかった場合の「プランB」も、親子で考えておく必要があるかもしれません。学業との両立や、他の選択肢を残しておくことも大切です。
- 心と体の健康を最優先に: 長時間ゲームのリスク(視力、運動不足、メンタルなど)を理解し、睡眠・運動・栄養のバランスを意識しましょう。
- 多様な経験の機会を: ゲーム以外の世界(リアルな友達付き合い、自然体験、読書など)にも触れる機会を作り、視野を広げてあげることも忘れずに。
「好き」を応援することと、子供の将来のために必要な基盤を作ってあげること。そのバランスをどう取るかが、私たち親の腕の見せ所なのかもしれませんね。
まとめ:Tarou君親子から学ぶ、これからの時代の子供との向き合い方
今回は、プロゲーマーを目指す小学生YouTuber・Tarou君と、そのご家族の選択について掘り下げてきました。
中学校に行かない、1日10時間ゲーム練習…という選択は、多くの人にとって衝撃的だったかもしれません。でも、その背景には、子供の情熱を信じ、既成概念にとらわれずに未来を切り拓こうとする親の覚悟がありました。
Tarou君親子の生き方が唯一の正解ではありませんが、「学歴だけが全てじゃない」「子供の『好き』という気持ちを大切にしたい」というメッセージは、変化の激しいこれからの時代を生きる子供を持つ私たち親にとって、大きなヒントを与えてくれたのではないでしょうか。
ゲームとの付き合い方、子供の才能の伸ばし方、そして親子のコミュニケーション。Tarou君親子の事例を通して、ご自身の家庭での子供との向き合い方を、改めて考えてみるきっかけになれば嬉しいです。
📌 水野 恵理|心理学専攻 / フリーライター 大学で心理学を専攻し、人間の心理や行動に関心を持つ。現在はフリーライターとして、エンタメやライフスタイルを中心に、心理学的な視点を交えながら、読者の心に寄り添う記事を執筆中。