人気YouTuberの中町兄妹が、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故に関して「秒で死んだらおもろいよね」と発言し、大炎上しています。この不謹慎な発言に対し、SNSでは「人の命を軽視しすぎ」「もう許されない」と批判が殺到しました。
本記事では、発言の経緯や炎上の背景 を詳しく整理し、過去の炎上事例と比較しながら、なぜこのような発言が出てしまうのか? について心理的な視点から考察します。SNS時代における共感力の低下や、YouTuberの過激発言の傾向についても掘り下げていきます。
中町兄妹の「秒で死んだらおもろいよね」発言が炎上した理由
中町兄妹のYouTube動画内での「秒で死んだらおもろいよね」という発言が大きな批判を浴び、SNSで炎上しました。この発言は埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故 に関連するものであり、多くの人々が「不謹慎すぎる」と感じたのです。
では、この発言がどのような背景でなされたのか、そしてなぜこれほどまでに問題視されたのかを詳しく見ていきます。
埼玉県八潮市の道路陥没事故に関する発言
2025年2月2日、中町兄妹はYouTubeチャンネルで「妹がアホ過ぎて世の中の事何も知らないんだけど皆んなは流石に知ってるよね?笑」 というタイトルの動画を公開しました。(※現在は削除済み)
この動画の中で、妹の中町綾さんが埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故 について話し、兄の中町JPさんが笑いながら「秒で死んだらおもろいよね」と発言。この言葉は、被害者の存在や事故の深刻さを考慮していないものとして、視聴者から強い非難を浴びました。
この事故では、トラックの運転手が道路陥没に巻き込まれ、大きな危険にさらされたことが報道されており、決して笑い話にしてよい話題ではありませんでした。そのため、「冗談では済まされない」と多くの人が感じたのです。
事故の重大さを知らずに軽いノリで話していた?
中町兄妹は炎上後、削除した動画について「事故の実態を理解せずに発言してしまった」 と釈明しました。しかし、ネット上では「なぜそんな重大な事故について軽いノリで話せるのか?」という疑問が投げかけられています。
この問題の本質には、「他人の不幸を身近な問題として認識できていなかった」 ことがあると考えられます。事故に直接関わっていない人々にとって、ニュースの出来事はどこか遠い話のように感じられることがあり、その結果として、軽率な発言が生まれるのです。
特に、YouTuberの動画はエンタメ要素が強く、「面白い」「ウケる」ことが重視されがちです。そのため、深刻なニュースであっても、軽いトーンで扱ってしまう傾向 があります。この文化が、今回のような不謹慎発言を生む土壌となっている可能性があります。
ネット上で「不謹慎すぎる」と大炎上
この発言に対し、SNSではすぐに批判が殺到しました。
X(旧Twitter)やYouTubeのコメント欄では、次のような意見が目立ちました。
こうした批判を受け、2月9日に中町兄妹は1分10秒の謝罪動画 を公開しました。しかし、謝罪動画に対しても、「態度が軽すぎる」「本当に反省しているのか疑問」との声が相次ぎ、さらなる炎上を招く結果となりました。
このように、一度「不謹慎」というレッテルが貼られると、それを払拭するのは容易ではありません。 一時的な謝罪では済まされず、過去の発言や行動も掘り返され、さらなる批判へとつながるのです。
中町兄妹のこれまでの炎上歴とYouTuberの過激発言
ここでは、中町兄妹の過去の炎上事例 を振り返るとともに、なぜYouTuberは過激な発言をしてしまうのか、そして他の炎上YouTuberと比較した場合にどのような違いがあるのか について考察していきます。
中町兄妹の過去の炎上騒動
中町兄妹の炎上は今回が初めてではありません。彼らは過去にも「ノリが軽すぎる」 という理由で批判を浴びたことがあり、特に不適切な発言や行動が問題視されてきました。
これまでにも何度か問題発言が話題に
中町兄妹は、過去にもさまざまな発言や行動が問題視されてきました。代表的なものを挙げると以下のようなものがあります。
- 2021年6月:コロナ禍の自粛期間中、大勢のYouTuberと飲み会を開いたことが発覚し、大炎上。
- 2023年4月:飲食店の店員に対し、「こんな態度の店員はダメでしょ」 という発言を動画内で行い、批判を浴びる。
- 2024年12月:海外旅行中に、現地の文化や人々を茶化すような発言が問題視され、SNSで炎上。
これらの炎上の特徴は、いずれも 「配慮に欠ける発言」や「軽率な態度」 によるものです。今回の「秒で死んだらおもろいよね」発言も、この流れの中にあると言えるでしょう。
「ノリが軽すぎる」と指摘されることが多い
中町兄妹のYouTube動画は、もともとテンションが高く、軽いノリで会話をするスタイル です。これが彼らの人気の理由でもありますが、同時に「状況を考えずに軽率な発言をしてしまう」という問題を引き起こしてきました。
特に、社会的な出来事や他者に関わる話題において、「場の空気を読まない発言」 が目立ちます。これは、普段の動画の雰囲気がそのまま外部の出来事にも適用されてしまうことが原因の一つかもしれません。
炎上後の対応はいつも同じパターン?
中町兄妹は、過去の炎上時も 「動画削除 → 短い謝罪動画の公開」 という対応を取っています。
今回の「秒で死んだらおもろいよね」発言に対する謝罪も同様の流れでした。しかし、視聴者はこの対応に疑問を抱いています。
このように、「一時的に謝罪するだけで、根本的な改善が見られない」 という点が、炎上を繰り返す原因になっている可能性があります。
YouTuberが過激発言をしてしまう理由
YouTuberが炎上しやすい発言 をしてしまうのには、いくつかの理由があります。特に、「視聴回数を伸ばすためのマーケティング手法」 や 「身内ノリの延長」 が影響していると考えられます。
再生数を狙うために「攻めた発言」をする傾向
YouTubeの収益化は「視聴回数」によって大きく左右されます。そのため、「目を引くような発言をすることで、再生数を伸ばそうとする傾向」 があります。
特に、最近では「普通の動画では埋もれてしまう」という危機感を持つYouTuberも多く、「過激な発言や挑発的な内容」 を前面に出すことで、話題を作ろうとするケースが増えています。
収益化・視聴回数アップのための“炎上マーケティング”
「炎上すると注目される」という考えから、意図的に過激な発言をするYouTuberも存在します。いわゆる 「炎上マーケティング」 です。
炎上することでニュース記事やSNSで拡散され、結果的にチャンネル登録者数や再生回数が増える ことがあります。この仕組みを利用し、あえて炎上しそうな発言をするケースもあります。
ただし、今回の中町兄妹のケースは、意図的に炎上を狙ったというよりも「軽いノリで発言してしまった結果、炎上した」可能性が高いでしょう。
身内ノリの延長で「ウケ狙い」した結果、大炎上
YouTuberは、視聴者と距離が近いため、「友達同士の会話の延長」 のような感覚で動画を作ることがあります。
今回の発言も、動画の中では「その場のノリで出た言葉」であった可能性が高いです。しかし、SNSではこうした発言が切り取られ、文脈を無視して拡散されることが多いため、「これはひどすぎる」と炎上するケースが多い のです。
過去に似た炎上例と比較すると?
中町兄妹の「秒で死んだらおもろいよね」発言は、過去に不謹慎発言で炎上したYouTuberたちと比較すると、どのような特徴があるのでしょうか?
ここでは、過去の代表的な炎上事例と照らし合わせながら、中町兄妹の炎上がどのような特徴を持つのかを分析します。
ヘラヘラ三銃士の不謹慎発言との共通点
人気YouTuberグループヘラヘラ三銃士は、過去に特定の事件を茶化すような発言をし、大炎上したことがあります。彼女たちは、YouTube上でリラックスした雑談形式の動画を投稿することが多く、その中での何気ない一言が視聴者の反感を買いました。
特に、「場のノリで発言したことが、視聴者には不謹慎に映った」 という点は、中町兄妹のケースとよく似ています。普段から気軽な雰囲気で動画を制作しているYouTuberは、「ファン向けの身内ノリ」と「公の発言」の区別が曖昧になりやすい という問題を抱えています。その結果、動画を見た視聴者の間で「これはシャレにならない」と炎上し、謝罪に追い込まれるケースが後を絶ちません。
朝倉未来の過去の発言が炎上したケース
格闘家でありYouTuberとしても活動する朝倉未来氏も、過去に不適切な発言で炎上したことがあります。彼の場合、発言の背景には「マッチョな価値観」 があり、発言内容が一部の視聴者にとって攻撃的に映りました。
例えば、スポーツ選手や一般の視聴者に対して「努力が足りない」「負けるのは自己責任」といった発言をし、これが「社会的な弱者への配慮に欠けている」として批判を受けたことがあります。このような炎上の特徴は、中町兄妹のケースとはやや異なります。
その他のYouTuberの炎上と比較してどう違う?
過去に炎上したYouTuberの多くは、意図的に過激な発言をして話題を集める ことで再生数を伸ばそうとするケースが多いです。しかし、中町兄妹の炎上は、そうした計算された炎上マーケティングではなく、「日常的な会話のノリでの発言」が問題視された点が特徴的です。
一般的に、YouTuberの炎上には次の2つのタイプがあります。
- 意図的な炎上発言 → 過激な発言で話題を集め、再生数や注目を得る目的
- 軽率な発言による炎上 → その場のノリで話した内容が不謹慎と受け取られる
中町兄妹のケースは明らかに2つ目のタイプ に該当し、計算されたものではなく、単純に「軽率な発言が問題視された」 形です。
そのため、視聴者の受け取り方としても、「わざとではないけれど、やっぱり無神経すぎる」 という感情が大きく、謝罪してもすぐには許されにくい構造になっています。
「他人事」として捉えてしまう心理の背景
なぜ、人は他人の不幸に対して軽率な態度をとってしまうのでしょうか?ここでは、「事故の深刻さを実感できない心理」 や、「SNS時代が生む共感力の低下」 に焦点を当てて分析します。
なぜこんな発言をしてしまったのか?
中町兄妹の炎上の背景には、「他人の不幸を軽視してしまう心理」 が大きく関わっています。特に、SNS時代においては、「自分に直接関係のない出来事」に対する共感力が低下しやすい という傾向が指摘されています。
事故の深刻さを実感できない「他人事」マインド
中町兄妹の発言が問題になったのは、実際の事故の重大さを理解せずに、冗談のように扱ってしまった ことにあります。このような態度は、決して彼らだけの問題ではなく、現代社会全体に見られる傾向 です。
- 「自分が直接被害に遭っていないから、実感がわかない」
- 「ネットのニュースとして見ただけなので、現実の出来事として感じにくい」
- 「身の回りで起こっていないことは、どこか遠い世界の話に思えてしまう」
こうした心理が働くと、人は「深刻なニュースでも、軽い話題のように扱ってしまう」ことがあります。実際に事故の現場を目撃したり、被害に遭った人と関わる機会がなければ、その痛みをリアルに感じるのは難しくなるのです。
今回の炎上も、「他人事だからこそ、不謹慎な発言が軽率に出てしまった」 という点が根本的な問題と言えるでしょう。
ネット越しだと発言の責任が薄れる心理
SNSやYouTubeなどのオンライン空間では、「発言の責任が軽くなる」 という特徴があります。
現実世界では、不謹慎な発言をすれば周囲の空気が変わり、相手の表情や態度から「これは言ってはいけないことだった」と気づくことができます。しかし、YouTubeの動画やSNSの投稿では、目の前に相手がいないため、発言の影響をリアルタイムで感じにくい のです。
- 「この発言がどれほどの影響を与えるか想像しづらい」
- 「視聴者のリアクションが直接伝わらないため、軽いノリのまま話してしまう」
- 「身近な友達との会話の延長線上で、感覚が麻痺する」
中町兄妹の発言も、このような「ネット空間特有の発言の軽さ」 が影響していた可能性が高いでしょう。
「関係ないからOK」という感覚が生まれる理由
もう一つの大きな要因として、「関係がないから軽く考えてしまう」心理があります。
人は、自分に直接関係する出来事には強く感情移入しますが、関係が薄いと途端に共感力が低下します。これは、心理学的に「心理的距離の影響」として知られる現象 です。
- 「家族や友人が関係する事故なら深刻に受け止めるが、赤の他人だとそこまで気にしない」
- 「海外のニュースは自分に関係がないと感じ、気に留めない」
- 「知らない人の不幸より、身近な出来事のほうが感情に響きやすい」
このような心理が働くことで、事故の被害者に対して本来なら持つべき共感を抱かず、「冗談のネタ」にしてしまうことがあります。
SNS時代では、こうした心理的距離がさらに広がりやすくなっているのです。
SNS時代が「共感力」を奪っている?
以下の心理的要因が絡み合うことで、「事故の深刻さを理解せずに軽率な発言をしてしまう」 という事態が生まれます。SNS時代においては、情報の受け取り方や発言の仕方に、より一層の注意が必要になっていると言えるでしょう。
毎日大量のニュースに触れることで感覚が麻痺
現代では、SNSやニュースサイトを通じて大量の情報が流れてきます。これにより、私たちは毎日のように「事件」「事故」「災害」「戦争」などのネガティブなニュースに触れています。
- 「また事故か…」と慣れてしまい、感覚が鈍る
- 「毎日どこかで悲惨なことが起きている」と思うと、個々の出来事に対する関心が薄れる
- 「情報量が多すぎて、一つひとつに深く共感する余裕がなくなる」
このような状態を「共感疲労(エンパシーファティーグ)」と呼びます。あまりにも多くの不幸な出来事に触れ続けることで、心が疲弊し、共感する力が低下してしまうのです。
「バズればOK」という文化が影響している
SNSでは、「話題性」 や「バズること」が何よりも重要視される傾向があります。そのため、不謹慎な発言や過激な発言が、時に「ネタ」として拡散されやすくなっています。
- 「問題発言でも、バズれば注目される」
- 「拡散された後に謝罪すればいい、という考えが生まれやすい」
- 「炎上すれば再生回数が伸びるため、無意識にリスクを軽視する」
こうしたSNSの特性が、「不謹慎な発言をしてしまう土壌」となっている可能性があります。
不謹慎な話題ほど拡散されやすいSNSの構造
SNSのアルゴリズムは、「感情的な反応を引き起こす投稿」 を優先的に拡散します。そのため、炎上しやすい発言や、賛否が分かれる話題が急速に広まります。
- 「怒り」や「批判」の感情を引き出す投稿は、より多くの人に拡散される
- 「こんなひどい発言があった」という投稿がバズりやすい
- 「面白い」と思って発言したものが、実際には炎上の火種になることも多い
中町兄妹の発言も、最初は軽いノリで話したものであっても、SNSで拡散されることで「不謹慎な発言」として炎上が加速した と考えられます。
まとめ
今回の中町兄妹の「秒で死んだらおもろいよね」発言は、軽率なノリが不謹慎と受け取られ、大炎上につながった 典型的なケースでした。彼らの発言は、事故の深刻さを理解せずに発せられたものであり、視聴者からは「無神経すぎる」「他人の命を軽く扱っている」と厳しい批判が寄せられました。
また、今回の炎上は、YouTuber特有の 「場のノリで発言してしまうリスク」 や 「身内ウケの感覚と公の発言のギャップ」 が招いたものであり、過去の炎上事例と共通する部分も多く見られました。特に、ヘラヘラ三銃士の不謹慎発言 とは、場の雰囲気を優先した結果、視聴者には不謹慎に映ってしまった点で似ています。
さらに、SNS時代における 「共感疲れ」 や 「ネット越しで発言の責任が軽くなる心理」 も、このような発言が生まれる背景として考えられます。現代では、ニュースや事故の情報が日常的に流れてくるため、「またか」という感覚が麻痺を引き起こし、他人の不幸を深刻に捉えにくくなっている のです。
書いた人:水野 恵理|ライター・大学で心理学を専攻
