2023年7月、久保凜選手（当時16歳）が陸上女子800mで日本記録（1分59秒93）を樹立しました。
しかし、この快挙は世界陸連（WA）によって公認されませんでした。
なぜこのような事態が起きたのでしょうか？
本記事では、久保選手の記録が公認されなかった理由と、陸上競技における記録認定の仕組みを解説します。
また、過去の非公認記録の事例やSNSの反応、専門家の見解も紹介しながら、この問題について考察していきます。
なぜ久保凜の800m日本記録は公認されなかったのか？
久保選手の800m記録は、日本陸連では正式な日本記録として認められましたが、世界陸連では公認されませんでした。
ここでは、記録が公認されなかった理由を詳しく整理し、過去の類似事例と比較していきます。
記録が認定されなかった理由を整理
今回、久保選手の記録が世界陸連に認定されなかった最大の理由は、「競技会が事前に世界陸連に申請されていなかった」ことです。
▶ 世界陸連の認定条件を満たしていなかった
世界陸連が記録を公認するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 公認競技会での記録：大会が事前に世界陸連に申請され、承認を受けていること
- 競技規則の遵守：世界陸連の競技規則に則って運営されていること
- 使用施設・器具の基準：公認された競技場・規格に合った器具を使用すること
- 審判員の資格：公認審判員が競技を監督すること
しかし、今回の大会は日本陸連の公認競技会ではあったものの、世界陸連には申請されていなかったため、認定対象外となりました。
▶ 記録が無効ではなく、「公認」されなかった
今回のケースでは、記録が「無効」となったわけではありません。
日本陸連では正式な日本記録として認められています。
しかし、世界陸連の基準を満たしていなかったため、国際的な記録としては扱われなかったということです。
▶ 主催者の申請ミス？それとも仕組みの問題？
一部では「主催者側の申請ミスなのでは？」という声もありますが、今回の大会はローカルな記録会であり、もともと世界陸連への申請を想定していなかった可能性が高いです。
このようなケースは陸上競技では珍しくなく、「記録を狙う大会」と「調整目的の大会」では運営の仕組みが異なるため、
事前に競技会のレベルを把握することが重要です。
過去にもあった？公認されなかった日本記録の事例
陸上競技において、記録が公認されないケースは今回が初めてではありません。
ここでは、過去に「公認されなかった日本記録」の事例を紹介します。
▶ 風速超過による非公認（短距離・跳躍種目）
陸上競技では、追い風が2.0m/sを超えると記録が公認されません。
例えば、100m走で「日本記録」を上回るタイムが出たものの、風速が基準を超えていたため公式記録とならなかったケースがありました。
▶ 測定機器の不備（写真判定装置の故障）
2010年代、日本の陸上大会で写真判定装置の故障により、記録が公認されなかった例があります。
世界陸連では、記録の正確性を確保するために厳格なルールを設けており、測定機器の故障や不具合があれば認定されません。
▶ 非公認の競技会での記録
久保選手のケースと似た例として、「非公認の競技会で日本記録を更新したが、公認されなかった」事例があります。
大会が世界陸連の基準を満たしていない場合、どれだけ素晴らしい記録が出ても、公式な記録として認められないのです。
このように、記録認定には厳格なルールがあり、事前に大会の公認状況を確認することが極めて重要だと言えます。
陸上の記録認定ルールとは？
久保凜選手の800m記録が世界陸連（WA）に公認されなかった背景には、陸上競技の厳格な記録認定ルールが関係しています。
ここでは、日本陸連（JAAF）と世界陸連の記録認定基準の違いや、公認競技会の条件について詳しく解説します。
世界陸連と日本陸連の基準の違い
陸上競技の記録認定には、日本陸連（JAAF）と世界陸連（WA）で異なるルールが適用されます。
両者の主な違いを整理すると、次のようになります。
▶ 公認競技会の範囲
- 日本陸連（JAAF）：国内の公認競技会での記録を認定する
- 世界陸連（WA）：国際的な基準を満たした競技会のみを認定対象とする
▶ 申請手続きの違い
- 日本陸連：国内大会で記録が出た場合、自動的に日本記録として認定される
- 世界陸連：世界記録や各国の記録を認定する場合、事前に世界陸連への申請が必要
▶ 基準の厳格さ
世界陸連の基準は国際的な統一性を保つために、日本陸連よりも厳格になっています。
例えば、競技会場の条件、使用機材、審判の資格など、細かい基準を満たさなければ記録は公認されません。
今回の久保選手のケースも、世界陸連の厳しい基準をクリアしていなかったため、公認されなかったと考えられます。
公認競技会に必要な条件とは
世界陸連が記録を公認するためには、以下の条件を満たす必要があります。
▶ 公認競技会での記録であること
大会が事前に世界陸連に申請され、「公認競技会」として登録されている必要があります。
これは、競技の公平性を確保するための重要なルールです。
▶ 競技規則の遵守
競技が世界陸連の定める正式な競技規則に則って運営されていることが求められます。
例えば、スタートの合図やタイム計測の方法が正式な手順に従っていなければなりません。
▶ 使用施設・器具の基準
世界陸連が認める競技場や、規格に適合した器具を使用することが必要です。
たとえば、800mトラックの測定誤差が規定内であること、スタートラインやカーブの角度が正確であることなど、細かな基準が存在します。
▶ 審判員の資格
競技を監督する審判員も、公認資格を持つ人でなければなりません。
今回の久保選手の大会では、日本陸連の基準は満たしていましたが、世界陸連の基準には適合していなかった可能性があります。
SNSや専門家の反応は？
久保凜選手の800m日本記録が世界陸連に公認されなかったことについて、SNSや専門家の間でも様々な意見が飛び交っています。
ここでは、X（旧Twitter）や掲示板での反応、陸上関係者や専門家のコメントをまとめました。
X（旧Twitter）や掲示板での意見まとめ
SNS上では、このニュースに対して大きな関心が寄せられ、以下のような意見が多く見られました。
▶ 驚きと残念がる声
- 「せっかく2分切りを達成したのに、公認されないなんて…納得いかない」
- 「久保選手の努力が無駄にならないように、ちゃんと公認競技会で記録を出せる環境を整えてほしい」
▶ 手続きミスを指摘する声
- 「これって主催者の責任じゃないの？事前に申請していれば問題なかったはず」
- 「こういうケースがあるなら、競技会側もちゃんと選手に説明すべきでは？」
▶ 久保選手の今後に期待する声
- 「世界陸連に認められなくても、日本記録としては歴史に残る！次こそは公認競技会で再チャレンジしてほしい」
- 「久保選手はまだ若いし、これから何度でもチャンスはある！次の大きな大会でまた快挙を期待！」
このように、「手続きミスを悔やむ声」「久保選手を応援する声」「今後の改善を求める意見」が多く見られました。
陸上関係者のコメント・考察
専門家や陸上関係者からも、今回の問題について以下のような意見が出ています。
▶ 手続きの重要性を指摘する声
- 「記録を世界的に認定されるためには、事前の適切な申請手続きが不可欠。これは関係者全体で周知する必要がある」
- 「有力選手の記録狙いなら、必ず公認競技会を選ぶべきだった。久保選手の実力を考えれば、次は公認競技会で確実に記録を狙えるはず」
▶ 主催者の責任についての見解
- 「今回のケースでは、主催者が世界陸連への申請を怠ったことが問題視されている。しかし、そもそも世界陸連の基準は厳格であり、ローカル記録会で申請すること自体が難しい場合もある」
- 「日本国内の競技会運営において、選手がこうした問題に巻き込まれないような改善が求められる」
▶ 選手への影響についての意見
- 「今回の記録が世界陸連に公認されなくても、久保選手の実力は変わらない。むしろ、日本人初の800m2分切りという実績は十分に評価されるべき」
- 「この経験を糧に、次の公式戦で堂々と記録更新を狙ってほしい」
陸上関係者のコメントからは、「手続きの問題」「競技会の運営」「選手の将来」といった観点での考察が見られます。
今後、同様の問題が起こらないよう、競技会の運営ルールや周知の仕組みが改善されることが求められそうです。
まとめ：久保凜の記録はどう評価されるべき？
久保凜選手の800m日本記録が世界陸連に公認されなかったことは、多くの陸上ファンや関係者に衝撃を与えました。しかし、公認されなかったからといって、この記録の価値が下がるわけではありません。ここで改めて、今回の出来事をどのように評価すべきかを整理します。
日本人初の2分切りという快挙は揺るがない！
久保選手が16歳という若さで日本人初の800m2分切りを達成したこと自体が歴史的な快挙です。
たとえ世界陸連に公認されなかったとしても、この記録が日本陸連に正式な日本記録として認められたことに変わりはありません。
むしろ、今回の経験を糧に、より大きな舞台で公認記録を狙うチャンスが増えたとも言えます。
今後の活躍が重要！次の公認競技会で再挑戦を
久保選手はまだ若く、これからの競技人生で世界陸連に認められる公認競技会で記録を出す機会は十分にあります。
日本陸連や所属チームが適切な競技会を選び、記録が正式に認定されるような環境を整えることが求められます。
この経験をバネに、さらなる飛躍を期待したいところです。
競技会の運営体制も見直しが必要
今回のように、選手が知らないうちに「記録が公認されない状況」になるのは防ぐべきでしょう。
今後は、主催者が世界陸連の基準を満たした大会運営を意識することや、選手・指導者側も事前に確認を徹底することが重要になります。
特に、有力選手が記録を狙う大会では、競技会の公認状況を明確にすることが不可欠です。
🖋 書いた人：近藤 健太郎｜ライター
冷静な視点でニュースを深掘りし、専門的な情報をわかりやすく伝えます。
