「え、あのハリボーに大麻成分が? 子どもたちも大好きなグミなのに…」そんな衝撃的なニュースが飛び込んできました。担当ライターの近藤健太郎です。
今回は、オランダで発生したハリボー「ハッピーコーラ F!ZZ」への大麻成分混入事件について、その経緯と原因、そして私たち消費者が知っておくべき点を、元新聞記者の視点から分かりやすく掘り下げていきます。一体何が起きたのでしょうか?
オランダで発覚!ハリボー「ハッピーコーラ」大麻成分混入事件とは?
まずは、今回の騒動の基本的な情報から整理していきましょう。世界中で愛されるハリボーのグミに、なぜ、そしてどのようにして大麻成分が混入してしまったのでしょうか。事件の概要、問題となった商品、そしてリコールの状況について、オランダ消費者製品監督局(NVWA)やハリボー社からの公式発表、主要報道機関の情報を基に、時系列で見ていきます。
事件発生の概要:いつ、どこで報道された?

ことの発端は2025年5月28日頃、オランダ東部のツベント地域でした。ある家族が1キロ入りの「ハリボー ハッピーコーラ F!ZZ」を食べた後、子どもを含む複数人が体調不良を訴え、地元警察に通報したのです。これを受けて、オランダ食品消費者製品安全庁(NVWA)が調査を開始。同日夜から29日早朝にかけて最初の届け出があり、警察とNVWAが共同で現地調査を実施しました。
そして、5月29日には、NVWAが「ハッピーコーラ F!ZZ」シリーズ全量のリコールを発表。ハリボー社も同日、「オランダ国内で一部製品から大麻成分が検出されたため、該当する製品はすべて自主回収する」との声明を発表し、リコールを開始しました。このニュースは、ロイターやAFPといった国際的な通信社によって、またたく間に世界中に報じられたのです。
問題となった商品「ハッピーコーラ F!ZZ」と検出成分
今回、問題の中心となったのは、1キロ入りの大袋で販売されていた「ハッピーコーラ F!ZZ」という商品です。具体的には、製造ロットコード「L341-4002307906」、賞味期限が2026年1月までのものがリコール対象とされています。
調査の結果、少なくとも3袋から大麻成分(THCを含むと報道)が検出されたとのこと。NVWAは「消費時にめまいなどの健康被害を引き起こす可能性がある」と警告しています。検出された大麻成分の種類や濃度については、NVWAもハリボー社も具体的には公表していませんが、「少量だが消費者への影響を考慮し回収措置を取った」と説明しています。つまり、ごく微量でも健康への影響が否定できない、ということです。
リコールの範囲と現在の状況【最新情報】
NVWAは、大麻成分が検出されたのは特定の3袋のみだったものの、安全を最優先し、予防措置として「ハッピーコーラ F!ZZ」シリーズ全量のリコールを指示しました。これは消費者にとっては安心材料ですが、企業にとっては大きな決断です。
ハリボー社は、対象製品を返却した消費者には全額返金または別製品との交換対応を行うと発表。店舗にも回収協力を要請し、棚からの撤去を進めています。2025年5月30日の時点で、NVWAは「市場に出回っていた全製品の70~80%が回収済み」と報告。ハリボー社側も「回収率は現在90%を超えており、残りは6月上旬までに全量を回収見込み」とのコメントを発表しており、事態の収拾に向けて迅速に対応している様子がうかがえます。
なぜ大麻成分が?考えられる混入経路と警察の捜査状況
さて、読者の皆さんが最も気になるのは、「なぜ、あのお菓子に大麻成分が混入したのか?」という点でしょう。ここでは、現時点で報じられている混入の可能性や、警察の捜査状況、そして過去の類似事例から私たちが何を学ぶべきかについて考えていきます。
現時点で報じられている混入の可能性とは
ハリボー社は、「どの段階で、製造工程のどこに問題があったかは現時点では不明」としていますが、警察は「包装段階」や「物流過程」での混入の可能性を視野に捜査を進めていると報じられています。
オランダ警察による捜査の進捗と今後の焦点
オランダ警察は、NVWAと協力し、混入経路の特定を急いでいます。ハリボー社も「オランダ当局と密接に協力しながら、調査を進めている」と表明しています。今後の捜査の焦点は、製造工場内の監視カメラの映像解析や、関係者からの事情聴取、そして原材料の追跡調査などが考えられます。
ここで重要なのは、原因が特定されるまでは憶測で語るべきではない、ということです。 捜査の進展を冷静に見守る必要があります。
過去の類似した食品混入事例から学ぶべき教訓(もしあれば)
食品への異物混入事件は、残念ながら過去にも繰り返し発生しています。例えば、日本でも数年前に冷凍食品への農薬混入事件があり、社会に大きな衝撃を与えました。こうした事例から学ぶべき教訓は、製造過程における徹底した品質管理と、従業員の意識教育の重要性です。
今回のハリボーの件は、まだ捜査段階ですが、食品メーカーがいかに細心の注意を払って安全管理に取り組むべきか、改めて警鐘を鳴らす出来事と言えるでしょう。
ハリボー社の公式見解と初期対応まとめ
このような事態が発生した際、企業の対応は消費者の信頼を左右する重要なポイントとなります。ハリボー社は今回の件にどのように向き合い、どのようなメッセージを発信しているのでしょうか。ここでは、同社の公式見解と初期対応について見ていきましょう。
ハリボー本社からの発表内容とそのポイント
ハリボー社は、各報道機関を通じて「消費者の安全が最優先事項であり、この事案を非常に重大なものとして受け止めている」と発表しています。明確な「お詫び」という言葉は使われていないものの、「消費者の健康に影響を与えたことを深刻に受け止める」という姿勢を示しています。
企業としては、まず事実関係を正確に把握し、その上で透明性のある情報開示を迅速に行うことが求められます。 ハリボー社は、NVWAや警察と協力して原因究明を進めている点を強調しています。
「消費者の安全が最優先」とする姿勢と具体的な取り組み
ハリボー社は、リコールの実施、全額返金または交換対応といった具体的な措置を迅速に講じました。これは、「消費者の安全が最優先」という言葉を行動で示したものと言えるでしょう。
さらに、同社は今後の品質管理体制の強化策として、「製造ラインおよび包装工程の追加検査体制強化」「サプライチェーンの再点検」「製品出荷前のランダムサンプリング試験の頻度増加」などを検討していると述べています。また、外部監査法人による工程監査の実施や、消費者向けの情報開示の強化、問い合わせ窓口の増設なども発表しており、信頼回復に向けた具体的な取り組みを進める方針です。
まとめ:ハリボー大麻混入事件のポイントと今後の情報に注目
さて、ここまでオランダで発生したハリボー「ハッピーコーラ F!ZZ」への大麻成分混入事件について、その経緯や原因、企業の対応などを追ってきました。世界的に有名な製菓メーカーで起きた今回の事件は、私たち消費者にとっても、食品の安全性について改めて考えるきっかけとなったのではないでしょうか。
事件のポイントを整理すると、「オランダでハリボーの特定商品から大麻成分が検出されリコール」「子どもを含む数人が体調不良を訴えた」「原因は現在捜査中だが、企業は迅速な回収と情報提供に努めている」といったところでしょう。
私たち消費者としては、不確かな情報に惑わされず、公的機関や企業からの正式な発表を冷静に確認することが大切です。 そして、万が一、購入した商品に不安を感じた場合は、速やかにメーカーや販売店に問い合わせるようにしましょう。
今回のハリボーの件は、まだ全容が解明されたわけではありません。今後の捜査の進展や、ハリボー社のさらなる対応について、引き続き注目していく必要がありそうです。食の安全は、私たちの日々の暮らしに直結する重要な問題ですから。