Gmailパスキーは危険?デメリットと二段階認証との違い

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「パスキーは安全」——世の中はそんな風潮ですが、本当にそうでしょうか?新しい技術に安易に飛びつく前に、そのデメリットやリスクを冷静に見つめてみませんか。この記事では、元新聞記者の視点でパスキーの知られざる弱点や、「二段階認証で十分」という思い込みの危険性を徹底分析します。メリットだけでなく、全てを知った上で「あなたにとっての正解」を見つけるための、少し辛口な判断材料を提供します。


結局「Gmailパスキー」って何?パスワード認証との決定的な違い


どうも、近藤です。最近、Google先生が躍起になって「パスキーを使いましょう」と我々に呼びかけていますが、一体全体、これは何なのでしょうか。長年連れ添った「パスワード」が、いよいよ過去の遺物になる時が来たのかもしれません。まずはその違いから、じっくり見ていきましょうか。


あなたの知らない間にパスワードが盗まれる手口


パスワードの問題点を語る上で、避けては通れないのが「どうやって盗まれるか」という現実です。我々は思った以上に無防備な状態に置かれています。


事実として、パスワードはフィッシング詐欺(本物そっくりの偽サイトに誘導して入力させる手口)や、過去にどこかのサービスから漏洩したID・パスワードのリストを使った攻撃でいとも簡単に盗まれてしまいます。


たとえるなら、パスワードは「家の合鍵」そのもの。合鍵の型番(=パスワード)が一度知られてしまえば、誰でも入れてしまう。さらに悪いことに、多くの人が複数の家で同じ合鍵を使い回している(=パスワードの使い回し)わけで、一か所で盗まれたら最後、あらゆるドアがこじ開けられてしまう。まったく、笑えない話ですよね。


パスキーがハッカーに破られない驚きの仕組み


では、パスキーはどうしてそんなに安全なのでしょうか。ここが肝心な点です。魔法のように見えますが、しっかりとした技術的な裏付けがあります。


パスキーは「公開鍵暗号方式」という技術(FIDO2/WebAuthn規格)がベースになっています。ログイン時、あなたのスマホやPCは「秘密の鍵」を使って本人であることの“署名”を作成し、サイト側はその署名が本物か「公開鍵」で確認するだけ。「秘密の鍵」そのものは、あなたの端末から一歩も外に出ないのです。


これは「印鑑証明」の仕組みにそっくりです。あなたが役所に登録した印影(=公開鍵)と、金庫に保管している実印(=秘密の鍵)で本人確認する。偽の契約サイトにうっかり実印そのものを渡してしまう、なんてことはあり得ませんよね。パスワード方式とは、根本的に思想が違うのです。


導入前に知るべき!パスキーの知られざるデメリット3選


と、ここまで聞くとパスキーは完璧な救世主に見えますが、ちょっと待ってください。どんな物事にも光と影がある。導入を検討するなら、その「影」の部分、つまりデメリットもしっかりと直視しておきましょう。


デメリット①:スマホをなくしたらGmailに一生ログインできない?


最も多くの人が心配するのがこれでしょう。「鍵」であるスマホを紛失したら、デジタル世界の家に入れなくなるんじゃないか、と。


結論から言うと、一生ログインできなくなるわけではありません。Googleは公式のアカウント復旧プロセスを用意しており、パスワードや登録済みの電話番号など、別の方法で本人確認を行えばアカウントは取り戻せます。そして、紛失したデバイスのパスキーは無効化できます。


とはいえ、その復旧プロセスが面倒なのは紛れもない事実。スマホをなくした時の精神的ダメージに加えて、アカウント復旧という事務手続きが上乗せされるわけです。これは、物理的な鍵をなくすのと似たような、「リアルな」リスクと言えるでしょう。


デメリット②:まだ使えないサイトも多くて面倒?


次に考えられるのが、この「過渡期ならでは」の問題です。せっかくパスキーを導入しても、対応しているサービスが少なければ宝の持ち腐れです。


事実、Yahoo! JAPANやNTTドコモ、一部のネット証券や銀行など、日本でも対応サービスは増えてきてはいます。しかし、あなたが日常的に使う全てのサービスが対応済みかというと、残念ながらまだその段階にはありません。


結局、当面はパスキーでログインするサイトと、旧来のパスワードでログインするサイトが混在することになります。セキュリティ管理が逆に煩雑になる、という皮肉な状況も起こり得るわけです。これは、新しい規格が普及する過程で必ず起きる痛みと言えますね。


デメリット③:仕組みが複雑…本当に信用して大丈夫?


「公開鍵暗号?」「FIDO2?」…こうした専門用語が出てくると、途端に拒否反応を示す人もいるでしょう。分からないものは、怖い。これは人間の自然な感情です。


パスキーは確かに高度な技術ですが、その核心は「デバイス間の移行・バックアップ」や「プラットフォーム間の互換性」にまだ課題を抱えている点にあります。例えば、iPhoneからAndroidへ機種変更する際に、パスキーをスムーズに移行できないケースも報告されています。


Apple、Google、Microsoftという巨大IT企業が主導していますが、各社の思惑もあり、完全な互換性が確立されるまでにはまだ時間がかかる可能性があります。見えないところで起きる「大人の事情」に、我々ユーザーが振り回されるリスクは考慮しておくべきでしょう。


「二段階認証で十分」は危険な勘違い!パスキーとの安全性の差


「いやいや近藤さん、私は二段階認証(2FA)を設定してるから大丈夫ですよ」という声が聞こえてきそうですね。しかし、その「大丈夫」は、本当に大丈夫なのでしょうか。立ち止まって考えてみましょう。


あなたのSMSも狙われる!「SIMスワップ詐欺」の恐怖


特に注意したいのが、認証コードをSMSで受け取るタイプです。これが、今や深刻な弱点として認識されています。


近年、「SIMスワップ詐欺」という手口が世界的に拡大しています。これは、犯人が携帯キャリアを言葉巧みに騙してあなたの電話番号を乗っ取り、SMSで送られてくる認証コードを根こそぎ横取りする、という恐ろしい手口です。


つまり、二段階認証の「二段階目」を丸ごと奪われてしまう。もはや二段階認証が機能していないのと同じです。「SMSに届けば安全」という、私たちの思い込みこそが最大の脆弱性なのかもしれません。


なぜパスキーはフィッシング詐欺に最強と言われるのか?


ここで、パスキーの真価が発揮されます。パスキーは、このフィッシング詐欺やSIMスワップ詐欺に対して圧倒的な耐性を持っています。


その理由は、パスキーが「ドメイン(サイトのアドレス)と紐付いている」から。たとえ偽サイトにアクセスしても、本物のサイト(例: google.com)に登録されたパスキーは反応しません。ユーザーがどんなに騙されそうになっても、技術的に認証が通らない仕組みになっているのです。


これは、人間の「うっかり」をシステムがカバーしてくれる、ということです。どんなに巧妙な偽サイトが出てきても、パスキーを使っている限りは原理的に騙されない。これは非常に大きな安心材料と言えるでしょう。


結論:あなたはGmailにパスキーを設定すべき?判断基準を辛口解説


さて、メリット・デメリットを踏まえた上で、結局我々はどうすればいいのでしょうか。全員が今すぐ設定すべきかというと、私は少し違う見方をしています。


もしあなたが、お使いのスマホやPCのOSを常に最新に保ち、ITニュースにもある程度アンテナを張っているようなら、今すぐパスキーを試してみる価値は十分にあります。その利便性と安全性の高さは、間違いなく魅力的です。


一方で、「機種変更の時のデータ移行が不安」「古いPCもまだ現役で使っている」という方は、無理に飛びつく必要はないでしょう。まずは、より安全な二段階認証(認証アプリを使うタイプなど)を確実に設定しつつ、世の中の動向を見守るのが賢明かもしれません。


スーパーで新しい電子マネーが導入された時と同じです。すぐに飛びついてポイントを稼ぐ人もいれば、しばらくは現金払いで様子を見る人もいる。どちらが絶対的に正しいということはなく、ご自身のライフスタイルやリテラシーに合わせて判断することが肝要です。


まとめ:メリット・デメリットを理解して賢くセキュリティ対策を!


今回は、Gmailのパスキーについて、その仕組みからデメリット、二段階認証との違いまでを深掘りしてみました。


間違いなく言えるのは、パスワードの時代が終わりを告げようとしているということ。パスキーはその大きな潮流の最前線にいる技術です。メリットとデメリット、そしてご自身の状況を天秤にかけ、冷静に判断することが重要です。


完璧なセキュリティは存在しませんが、技術の進化に合わせて知識をアップデートし、自分に合った対策を選び取っていく。そんな主体的な姿勢こそが、これからのデジタル社会を生き抜く上で最も強力な「鍵」になるのかもしれませんね。

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