ねえ、あの万博のアフタヌーンティーのニュース、見ました?「5000円でこれはないよ…」「期待してたのにひどい!」って、SNSでもすごい話題になってましたよね。正直、「わかるー!」って思った方も多いんじゃないでしょうか?
なんであんなにガッカリしちゃったんだろう? ただ値段が高いとか、見た目が残念ってだけじゃない、もっと深い理由がある気がしませんか?
この記事では、心理学を学んだ私、水野恵理が、あの騒動に隠された私たちの「期待」の正体と、裏切られた時にモヤモヤしたり、怒りを感じてしまう心の仕組みを、あなたと一緒にやさしく紐解いていきたいと思います。
読み終わる頃には、「あ、だからあんなに腹が立ったんだ!」ってスッキリして、これからの「がっかり」を減らすヒントも見つかるはずですよ。
あの衝撃…!万博アフタヌーンティー「がっかりポイント」を冷静におさらい
まずは、記憶も新しいかもしれませんが、今回の万博イギリス館での出来事を少し振り返ってみましょうか。「何があったんだっけ?」という方も、「もう知ってるよ!」という方も、ちょっとだけお付き合いくださいね。
写真と全然違う?スコーン1個&衝撃の紙コップ事件
ことの発端は、2025年4月27日。ある来場者の方が、イギリス館で「アフタヌーンティーセット」(5000円!)を注文したときの体験をSNSに投稿したことでした。
メニューには「スコーン2個」って書いてあったのに、出てきたのは1個だけ…。しかも、楽しみにしていた紅茶は、なんと紙コップにティーバッグが入った状態で提供されたそうなんです。
この投稿、あっという間にSNSで広がって、「え、5000円でそれは…」「英国文化への冒涜では?」なんて、たくさんの驚きや批判の声が集まりましたよね。想像するだけで、楽しみにしていた気持ちが裏切られたようで、ちょっとツラくなります…。
「これで5000円!?」誰もが感じた価格へのモヤモヤ感
やっぱり、一番の「え?」ポイントは、5000円という価格設定だったのかもしれません。
もちろん、万博という特別な場所ですし、本場イギリスのアフタヌーンティーは、ロンドンのホテルだと1万円を超えることも珍しくないんです。(例えば、カフェ・ロイヤルは約1万3000円、ブラウンズ・ホテルは約1万5000円だそうですよ!)
でも、日本国内に目を向けると、たとえば福島のブリティッシュヒルズのような本格的な場所や、都内のデメララベーカリーさん(スコーン3個とクリーム等のセットで1785円!)のように、もっと手頃な価格で素敵なアフタヌーンティーを楽しめる場所もたくさんありますよね。
だからこそ、「それにしても5000円でこの内容は…」というモヤモヤを感じた人が多かったのではないでしょうか。SNSでは「業務用ケーキを使っているのでは?」なんて声も一部で見られました。真偽は分かりませんが、それだけ多くの人が価格と内容のギャップに疑問を感じていたということなのかもしれませんね。
大使館の謝罪と「改善後」も残る疑問点
この騒動を受けて、5月1日には駐日英国大使館が公式SNSで謝罪し、「サービスの一部を改善しました」と発表しました。紅茶は陶磁器のティーカップで提供されるようになったそうです。
改善されたのは良かったのですが、「指摘されるまで気づかなかったの?」「根本的な解決になってる?」といった声もまだまだ残っているようです。一度失った信頼を取り戻すのは、なかなか難しいことなのかもしれませんね。
なぜ私たちはあんなに「期待」しちゃったの? アフタヌーンティーに夢見る乙女心(と現実)
そもそも、なぜ私たちは「アフタヌーンティー」と聞くと、あんなにも心がときめいて、大きな期待を抱いてしまうのでしょうか? その背景には、私たちの心の中にある、いくつかの理由が隠れている気がするんです。
「イギリス館」「本格的」…魔法の言葉が描かせた夢
「万博のイギリス館で、本格的なアフタヌーンティーを体験できる!」
この言葉を聞いただけで、なんだか特別な気分になりませんか? 「イギリス」という言葉には、なんとなく「伝統」「上品」「洗練」といったイメージがありますし、「アフタヌーンティー」と聞けば、優雅なティースタンドに並んだ可愛いスイーツやサンドイッチ、香り高い紅茶…そんなキラキラした光景が目に浮かびますよね。
さらに「本格的」なんて言われたら、「きっと素晴らしい体験ができるはず!」と期待が高まるのは、ごく自然なことだと思います。言葉が持つ力って、本当に大きいですよね。
キラキラSNS時代の「映え」への憧れと無意識のプレッシャー
それに、今の時代、InstagramなどのSNSの影響も大きいですよね。おしゃれなカフェのアフタヌーンティーの写真を見て、「わぁ、素敵!私も行ってみたい!」って思ったこと、一度はあるんじゃないでしょうか?
キラキラした写真を見ていると、無意識のうちに「アフタヌーンティーとは、こういうものだ」という理想のイメージが出来上がっていくのかもしれません。そして、「せっかく行くなら、私も素敵な写真を撮りたい!」なんて、ちょっとしたプレッシャーを感じてしまうことも…。「映え」を意識するあまり、現実とのギャップにがっかりしやすくなっている可能性もありそうです。
毎日頑張る主婦だからこそ!「非日常の贅沢」への特別な想い
そして、特に毎日家事や育児、お仕事に忙しい主婦の方々にとっては、「アフタヌーンティー」は特別な意味を持つのかもしれません。
普段は自分のことより家族を優先しがちだけど、たまには日常を忘れて、ちょっと贅沢な時間を過ごしたい。おしゃれな空間で、美味しいものを食べながら、ゆったりとした時間を楽しみたい…。そんなささやかな願いが、「アフタヌーンティー」という体験に託されているのではないでしょうか。
だからこそ、その期待が裏切られた時のショックは、他の方よりも大きくなってしまうのかもしれませんね。「家族で楽しみにしていたのに…」「子どもをがっかりさせたくなかった」というコメント欄の声には、そんな切実な想いが込められているように感じました。
【心理学でスッキリ!】期待を裏切られると「怒り」が2倍になる心のカラクリ
「それにしても、なんであんなに腹が立ったんだろう?」 「ただのがっかり、じゃ済まされないような、強い怒りを感じたのはなぜ?」
そう思った方もいるかもしれませんね。実は、期待を裏切られた時に私たちが感じる強い感情には、心理学的な理由があるんです。ちょっとだけ、心の仕組みを覗いてみましょうか。
脳がバグる?「認知的不協和」がモヤモヤを引き起こす仕組み【やさしく解説】
私たちって、心の中に「矛盾」を抱えるのが、すごく苦手なんですって。これを心理学では「認知的不協和(にんちてきふきょうわ)」って呼んだりします。
たとえば、今回のケースで言うと… 「5000円も払ったんだから、きっと素敵な体験ができるはずだ!」(期待・信念) 「…あれ? スコーン1個? 紅茶は紙コップ?」(現実)
この二つの間に大きなギャップ(矛盾)が生まれると、私たちの心は「うわっ、なんか気持ち悪い!」「モヤモヤする!」って不快な状態になるんです。
そして、この不快感をなんとか解消しようとして、無意識に「提供した側が悪いんだ!」って怒りを感じたり、「いや、でも万博だから仕方ないのかも…?」って自分を納得させようとしたりするんですね。あのモヤモヤの正体は、この心の葛藤だったのかもしれません。
「約束が違う!」と感じる心のスイッチとは?(裏切り感の正体)
メニューに「スコーン2個」って書いてあったのに、1個しか出てこなかった。これは、単なるミスというより、「約束を破られた」と感じてしまう、強い「裏切り感」につながりやすいですよね。
私たちは心のどこかで、「世の中は公平であってほしい」「払った対価に見合うものが得られるべきだ」って信じているところがあります。(これを公正世界仮説なんて言ったりもします。)
だから、明らかに不当だと感じることや、期待していたものが得られないと、「なんで私だけこんな目に?」「ひどい!」って、強い不満や怒りを感じてしまうんです。今回の件は、まさにこの「公正さ」が損なわれたと感じた人が多かったのかもしれませんね。
“たかが紙コップ”で済まされない!私たちが「許せない」と感じる境界線って?
「紙コップくらい、いいじゃないか」と思う人もいるかもしれません。でも、多くの人が「それは許せない!」と感じたのはなぜでしょう?
それはきっと、「アフタヌーンティー」という体験に、単なる飲食以上の「価値」を求めていたからではないでしょうか。優雅な雰囲気、美しい食器、丁寧なサービス…そういったものすべてを含めての「体験」であり、それに対して5000円という対価を払うつもりだった。
だから、紙コップでの提供は、単に安っぽいというだけでなく、その「体験全体の価値」を大きく損なうもの、もっと言えば、その文化や時間に対する敬意が感じられない行為だと受け止められたのかもしれません。あなたにとって、「これは許せない!」と感じる境界線はどこにありますか?
「わかる!」「ひどい!」の嵐。SNSで共感が止まらなかったワケ
今回の騒動が、これほどまでに大きな話題になった背景には、SNSの存在が欠かせませんよね。一個人の体験談が、なぜ瞬く間に日本中に広がり、多くの人の共感を呼んだのでしょうか?
「私も同じ経験ある!」個人的な怒りが社会的な怒りへ変わる瞬間
SNSを見ていると、「私も似たような経験ある!」「わかる、そういうの許せないよね!」といった声がたくさん見られました。
個人的な「がっかり体験」や不満が、SNSを通じて他の人の体験と結びつき、「これは私だけの問題じゃないんだ」「社会全体の問題なのかも?」という意識に変わっていく。そうやって、個人的な感情が、大きな「社会的な怒り」へと増幅していったのかもしれませんね。
ネット時代の共感はもろ刃の剣? 炎上と隣り合わせの危うさ
SNSって、同じような考えや価値観を持つ人が集まりやすい場所でもありますよね。(これをエコーチェンバー効果って言います。)
「ひどいよね!」「ありえない!」という意見が繰り返しシェアされるうちに、その意見がどんどん強まって、まるでそれが唯一の正しい意見のように感じられてしまう…。共感が連鎖しやすい一方で、ちょっとしたことで一気に燃え上がりやすい「炎上」の危険性もはらんでいるのが、SNS時代の特徴なのかもしれません。
また、匿名だとつい強い言葉を使ってしまったり、感情的になりやすかったりする(脱抑制効果)のも、炎上を加速させる一因と言われています。
声を上げた人への「よく言った!」に隠された私たちの本音
最初に声を上げた投稿者の方に対して、「勇気がある!」「よくぞ言ってくれた!」と称賛する声もたくさんありましたよね。
これって、もしかしたら「自分も言いたいけど言えなかった」「代わりに言ってくれてありがとう」という気持ちの表れなのかもしれません。あるいは、不正や不誠実なことに対して「おかしい」と声を上げること自体を応援したい、という純粋な気持ちもあるでしょう。
誰かが勇気を出して行動することで、それに共感した人たちが繋がり、社会が少しずつ変わっていく。そんな可能性を感じさせてくれる出来事でもありましたね。
【まとめ】もう期待外れに傷つかない!万博騒動から学ぶ「ごきげん」でいるためのヒント
さて、ここまで万博のアフタヌーンティー騒動をきっかけに、私たちの心の中に隠された「期待」や「怒り」のメカニズムを見てきました。なんだか、自分の心の動きが少しだけ見えたような気がしませんか?
結局、あの騒動の「がっかり」の正体はこれだった!
今回の騒動で私たちが感じた「がっかり」や「怒り」の正体…。それは、
- 「アフタヌーンティー」という言葉や価格から生まれる大きな「期待」
- その期待と、提供された「現実」との大きなギャップ
- 「裏切られた」「不公平だ」と感じる心の自然な反応(認知的不協和など)
- SNSによる共感の連鎖と増幅
…といった、いろんな要因が複雑に絡み合った結果だったのかもしれませんね。決して、あなたが怒りっぽかったり、期待しすぎだったりしたわけではないんですよ。
「期待値」と上手に付き合って、心を軽くする3つのコツ
じゃあ、これから私たちは、どうすれば「期待外れ」に心を振り回されずに、ごきげんに過ごせるようになるんでしょうか? 完璧な答えはありませんが、心理学の専門家のアドバイスなどを参考に、3つのヒントを考えてみました。
- 自分の「期待」に気づいてみる: 「私、今、何に期待してるんだろう?」って、ちょっと立ち止まって考えてみる。広告や周りの評判に流されすぎていないかな? 高すぎる期待を抱いていないかな? って、自分の心に正直に問いかけてみるだけでも、冷静になれるかもしれません。
- 「完璧」じゃなくて「最善」を目指す: 世の中に完璧なものなんて、なかなかないですよね。「絶対こうじゃなきゃ嫌だ!」と思うとしんどくなるけど、「まあ、こんな感じならOKかな」「良いところもあったな」って、少し肩の力を抜いて「最善」を探してみる。そうすると、小さな幸せにも気づきやすくなるかもしれません。
- もし「がっかり」したら、自分の感情を受け止める: それでも、やっぱりがっかりしちゃうことはあります。そんな時は、「がっかりしちゃダメだ」って抑え込まずに、「そっか、私、期待してたんだな。だから悲しいんだな」って、自分の感情を優しく受け止めてあげることも大切です。
📌 水野 恵理|心理学ライター
[大学で心理学を専攻。現在はフリーライターとして、エンタメ作品の深掘り考察や、人間関係・ライフスタイルに関する記事を執筆中。読者の心に寄り添い、分かりやすく解説することを心がけています。]