「お宅は対象です」――そんな言葉で契約を急かす訪問販売業者が増えています。
近年、電気代の高騰や太陽光発電の固定価格買い取り制度（FIT）終了を背景に、家庭用蓄電池の訪問販売トラブル が急増中です。
実際、国民生活センターの報告では、蓄電池に関する相談件数はここ数年で5倍以上 に増加。
不適切な営業手法や強引な勧誘による被害が後を絶ちません。
本記事では、
✅ 訪問販売トラブルが増加している理由
✅ 悪質業者の手口と具体的な事例
✅ トラブルを防ぐ方法と正しい断り方
✅ 信頼できる蓄電池業者の選び方
などを、わかりやすく解説 していきます。
蓄電池の訪問販売トラブルが急増中！背景と原因
家庭用蓄電池の訪問販売トラブルは なぜ今、急増しているのか？
この現象の背後には、いくつかの重要な要因があります。
なぜ今、蓄電池の訪問販売が増えているのか？
ここ数年で蓄電池の訪問販売が増えた背景には、以下の3つの要因が挙げられます。
- FIT制度の終了で市場が変化
太陽光発電の固定価格買い取り制度（FIT）が終了する家庭が増加。これに伴い、「売電よりも蓄電が得」と勧誘する業者が増えています。 - 電気代の高騰
電気料金が上昇する中、「蓄電池を使えば電気代を節約できる」 と訴求するセールスが活発化。 - 国の補助金を利用した販売戦略
2025年も自治体ごとに蓄電池の補助金制度があり、「補助金でお得に設置できる」とアピールする業者が増加。
しかし、これらの変化を利用して 虚偽の情報を伝える悪質業者 も増えているのが現状です。
悪質業者が狙うターゲットとは？
悪質な訪問販売業者は ターゲットを絞って 勧誘しています。
特に狙われやすいのは、以下の層です。
✅ 高齢者や一人暮らしの家庭
→「電気代が安くなる」と言われると判断に迷い、強引な勧誘に流されやすい。
✅ FIT終了後の太陽光発電ユーザー
→「売電価格が下がるので、蓄電池を設置しないと損」と煽られる。
✅ 新築住宅のオーナー
→「今ならお得な補助金が使えます」と言われ、即決を迫られるケースが多い。
これらのターゲットに対し、業者は「お宅は対象です」「今ならお得」などの言葉を使い、契約を急がせます。
冷静に対応することが重要です。
悪質業者の手口とは？実際の被害事例を紹介
蓄電池の訪問販売における悪質な勧誘の手口は年々巧妙化しています。
ここでは、実際に報告されている手口と、被害に遭わないためのポイントを解説します。
「お宅は対象です」などの巧妙な勧誘トーク
訪問販売業者がよく使う 勧誘フレーズ には共通点があります。
ターゲットの心理を突いた巧妙な話術に注意が必要です。
✅ 「お宅は補助金の対象になっています」
→ 【要注意！】自治体の補助金は通常、業者が勝手に決めるものではない。
業者に言われたからといって、すぐに信用しないようにしましょう。
✅ 「近くで工事をしていて、ご挨拶に来ました」
→ 訪問販売業者がよく使う手口。ご近所の工事とは無関係の可能性が高い。
✅ 「今契約しないと、特別価格が適用できません」
→ 即決を迫る手法は要警戒。信頼できる業者なら、じっくり検討する時間をくれるはずです。
✅ 「太陽光パネルの点検に来ました」
→ 実際は営業目的で、点検後に「故障している」と嘘をついて蓄電池を勧めるケースも。
「補助金」「お得」「対象」などのキーワードで契約を急かされたら、一旦冷静に考えることが重要です。
契約を急かす「残り○件」詐欺の実態
「お得なキャンペーンはあと2件だけ！」
「この価格で契約できるのは本日まで！」
このように 「今すぐ決めないと損をする」 という心理を煽る手口が横行しています。
これは 「希少性の原理」 を利用した営業テクニックの一種です。
✅ 実際の被害事例
・「特別割引が適用されるのは今日まで」と言われ、その場で契約。
→ 後日調べると、常に同じ価格で販売されていた。
・「地域限定の補助金がある」と言われ、契約を急かされる。
→ 自治体のHPで確認したら、そのような補助金は存在しなかった。
対策:
🚨 「今決めないと損」と言われたら、いったん冷静に考える。
🚨 公式サイトや自治体の補助金情報を事前に確認する。
🚨 訪問販売ではなく、複数の業者から見積もりを取る。
「今すぐ契約しないと損」なんてことはありません。
じっくり検討し、納得できる業者を選びましょう！
蓄電池の訪問販売トラブルを防ぐには？
悪質な訪問販売業者の手口がわかったところで、どうすればトラブルを回避できるのか？
ここでは、勧誘を断る方法と信頼できる業者の見極め方を解説します。
しつこい勧誘を断る方法（具体的な対応例）
訪問販売の勧誘は、一度対応すると何度も続くケースがあります。
しつこい営業に対しては、毅然とした態度で対応することが重要です。
✅ 効果的な断り方
🔹 「結構です」「興味ありません」と短く伝える
→ 長く話すと相手につけ込まれるため、シンプルに即答するのがベスト。
🔹 「家族と相談するので、その場では決められません」
→ 高額な契約を即決するのは不自然。冷静に考えたいことを伝える。
🔹 「契約する場合はこちらから連絡します」
→ 相手のペースではなく、自分のペースで決める意志を明確にする。
🔹 「再訪問はお断りします」+ 証拠を残す
→ 一度断ったのに再訪問された場合、スマホで録音や記録を残すのも有効。
また、特定商取引法では「再勧誘の禁止」が規定されています。
一度断ったにもかかわらず、しつこく勧誘してくる場合は違法となるため、消費生活センターに通報するのも有効です。
信頼できる業者の見分け方と安全な購入方法
訪問販売がすべて悪いわけではありませんが、契約するなら「本当に信頼できる業者」を見極める必要があります。
以下のポイントをチェックしましょう。
✅ 信頼できる業者の特徴
- 名刺や会社概要をきちんと提示する（社名・住所・連絡先の確認）
- 公式HPがあり、事業実績が確認できる（実在する企業か調査）
- しつこい営業をせず、契約を急かさない
- 国や自治体の補助金対象になっている正規の業者である
- 口コミや評判が良い（SNSやレビューサイトを確認）
✅ 安全な蓄電池の購入方法
📌 訪問販売ではなく、複数の業者から見積もりを取る
📌 自治体の補助金リストに掲載されている業者を選ぶ
📌 契約書や見積書を十分に確認し、即決しない
「少しでも怪しい」「話がうますぎる」と感じたら、すぐに契約せずに消費生活センターや自治体の補助金窓口に相談しましょう。
蓄電池は本当に必要？購入前に考えるべきポイント
蓄電池の訪問販売で「電気代が安くなる」「今後必須になる」と勧められることが多いですが、本当に導入すべきなのか？
ここでは、蓄電池のメリット・デメリットや補助金の活用について解説します。
蓄電池のメリット・デメリット
蓄電池には節約や非常用電源としてのメリットがありますが、高額な初期費用や劣化の問題も無視できません。
導入前にコストと効果を慎重に比較しましょう。
✅ メリット
✔ 電気代の節約 → 昼間の太陽光発電を貯めて夜間に使用できる
✔ 災害時の非常用電源になる → 停電時に電力を確保できる
✔ 電力の自給自足が可能 → FIT終了後でも売電に依存しない運用が可能
❌ デメリット
✖ 初期費用が高額 → 設置コストは100万円〜200万円前後かかる
✖ バッテリーの劣化 → 10〜15年で交換が必要（買い替えコストがかかる）
✖ 補助金がないと回収が難しい → 助成制度なしでは採算が合わないことも
「導入すれば必ずお得になる」というわけではないため、家計にメリットがあるか慎重に判断することが重要です。
補助金や助成金を活用する方法
蓄電池の導入費用を抑えるには、自治体や国の補助金を活用するのが賢い選択です。
2025年も多くの自治体で補助金制度が用意されています。
✅ 2025年の主な補助金制度（例）
📌 国の「DR補助金」 → 上限60万円（蓄電容量に応じて支給）
📌 自治体ごとの補助金 → 東京都の場合、最大150万円の助成制度あり
📌 ZEH支援事業（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス） → 補助対象の設備として認定される場合あり
💡 補助金を活用する際の注意点
- 補助金の申請には期限があるため、早めに確認すること
- 業者に言われるままではなく、自分で自治体の公式サイトを調べること
- 補助金を理由に高額な契約を迫る業者には注意
「補助金があるからお得」と言われても、本当に必要かどうかをじっくり検討することが大切です。
まとめ＆重要ポイント
蓄電池の訪問販売トラブルは年々増加しており、悪質な業者に騙されないための知識が必要です。
ここで、訪問販売の注意点と対策を整理しておきましょう。
訪問販売の注意点と正しい対策を整理
✅ 訪問販売業者の手口に注意
- 「お宅は対象です」「補助金が使えます」といった営業トークは要警戒
- 「本日中に契約しないと損をする」など急かす業者は信用しない
- 「太陽光パネルの無料点検」を装う営業には特に注意
✅ 悪質業者の勧誘を断る方法
🚨 「結構です」「必要ありません」と短く答える
🚨 「再訪問はお断りします」と明確に伝える
🚨 万が一しつこく勧誘された場合は、消費生活センターに相談
✅ 蓄電池を導入する際の安全な方法
📌 複数の業者から見積もりを取る（訪問販売だけで決めない）
📌 自治体の補助金対象になっている信頼できる業者を選ぶ
📌 契約書をよく確認し、納得するまで即決しない
不安な場合の相談先（消費者センターなど）
もし蓄電池の訪問販売でトラブルに遭ったり、不審な勧誘を受けたりした場合は、専門機関に相談しましょう。
🔹 国民生活センター（消費者ホットライン）
📞 188（いやや！） → 最寄りの消費生活センターにつながる
🔹 各自治体の消費生活センター
→ 地域ごとに設置されているため、公式サイトで連絡先を確認
🔹 警察（悪質な場合）
→ しつこい訪問販売や脅迫的な勧誘は110番通報も検討
💡 トラブルに巻き込まれそうになったら、すぐに相談するのが大切です。
最後に：蓄電池の導入は慎重に検討しよう！
蓄電池は便利な設備ですが、決して安い買い物ではありません。
訪問販売に流されるのではなく、自分に本当に必要かどうかを見極めることが重要です。
✔ 信頼できる業者を選ぶ
✔ 補助金があるからといってすぐに契約しない
✔ 「お得」「特別割引」の言葉に惑わされない
この記事が、訪問販売トラブルを避け、賢く蓄電池を導入するための参考になれば幸いです。
📌 近藤 健太郎｜フリーライター / 元新聞記者
社会・経済・事件ニュースを専門に取材・執筆。鋭い視点でわかりやすく解説します。
