【なぜ勝てない?】米大統領選の謎ルール!選挙制度の問題点を中高生向けに解説

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最近、アメリカでトランプ大統領に対する大きなデモがあったよね。ニュースでもたくさん報じられていたけど、実はその裏で「そもそも、あのアメリカの大統領選挙の仕組みって、ちょっとおかしくない?」なんて声も結構上がっているんだ。

「え、選挙って、一番票を集めた人が勝つんじゃないの?」って思うかもしれない。でも、アメリカの大統領選挙はちょっと特別で、全体の票数(総得票数)で勝っていても、最終的に大統領になれないことがあるんだ。不思議だよね。

この記事を読めば、そんなアメリカ大統領選挙のちょっと複雑な「謎ルール」、特に「選挙人制度」っていう仕組みがどうなっているのか、そしてどんな問題点が指摘されているのかが、スッキリわかるはず。ニュースの背景がもっと深く理解できるようになるかもしれないよ。

トランプ大統領へのデモ…実は「選挙制度がおかしい!」って声も?

最近アメリカであった大規模なデモ、ニュースで見た人も多いんじゃないかな。主にトランプ大統領やイーロン・マスクさんの政策、たとえば公共サービスの削減とか移民政策なんかに「NO!」を突きつけるものだったんだけどね。

ニュースのデモ、どんな意見が出てる?

デモの現場やネット上、特にSNSなんかを見てみると、政策への直接的な不満だけじゃなくて、もっと根本的なところ、つまり「大統領選挙のやり方自体、これでいいの?」っていう疑問の声も少なくないんだ。

「なんで自分たちの一票が直接カウントされないんだ?」「選挙人の『総取り』って、なんか不公平じゃない?」みたいなコメントが結構見られる。これは、アメリカが採用している独特の「選挙人団制度(Electoral College)」に対するモヤモヤ感の表れなんだろうね。多くの人が、自分の声が政治にちゃんと届いているのか、不安に感じているのかもしれない。

【基本のキ】アメリカ大統領選挙ってどうやって決まるの?

じゃあ、そのアメリカ大統領選挙って、具体的にどうやって大統領が決まるんだろう?日本の選挙とはちょっと違う、その基本をサクッと見ていこう。ポイントは「選挙人」と「総取り方式」だ。

国民が直接選ぶんじゃないの?「選挙人」って一体だれ?

そう、ここが一番のポイントなんだけど、アメリカでは国民が大統領を直接選ぶんじゃないんだ。「選挙人(Elector)」と呼ばれる人たちを選んで、その選挙人たちが大統領を選ぶ、という間接的な仕組みになっている。

各州には、その州の人口に応じて決められた数の「選挙人」の枠がある。たとえば、人口が多いカリフォルニア州は55人、テキサス州は38人、といった具合だね。有権者は投票日に、自分が支持する大統領候補を書いて投票するんだけど、それは実質的に「どの候補者を支持する選挙人グループを選ぶか」という投票になるんだ。

得票数で負けても勝てる!?「総取り方式」のカラクリとは

そして、ほとんどの州で採用されているのが「勝者総取り方式(Winner-take-all)」っていうルール。これは、その州の中で一番多くの票を獲得した候補者が、その州に割り当てられている選挙人票を「全部」獲得できる、っていう仕組みなんだ。

たとえば、ある州でA候補が51%、B候補が49%の票を獲得したとする。

わずかな差でも、勝者総取り方式だと、A候補がその州の選挙人票をすべて持っていくことになる。だから、国全体で見るとB候補の方が多くの票を集めていても(総得票数で勝っていても)、各州での選挙人獲得数でA候補が上回れば、A候補が大統領になれちゃう、というわけ。これが「負けても勝てる」カラクリなんだね。

ちなみに、メイン州とネブラスカ州だけは例外で、「議会地区方式」といって、州全体と各選挙区の結果に応じて選挙人票を分け合う方式をとっているよ。

過去には、これで全体の票数で負けた候補が大統領になったケースが実際に5回もあるんだ。最近だと、2000年のブッシュ大統領(対ゴア候補)や2016年のトランプ大統領(対クリントン候補)がそうだね。こういうことがあるたびに、「この制度で本当にいいの?」って議論が巻き起こるんだ。

なんでこんな複雑なルールなの?【知っておきたい歴史的背景】

「なんでそんなややこしい仕組みにしたの?」って思うよね。実はこれには、アメリカという国ができた頃の、古い歴史的な背景があるんだ。

昔のアメリカならではの事情があった?(建国時の考え方)

アメリカができたばかりの頃(18世紀後半)、建国の父たちは大統領をどうやって選ぶか、すごく悩んだんだ。直接選挙に踏み切れなかったのには、いくつか理由があると言われているよ。

  • 州の力を保ちたかった: 当時のアメリカは、独立した州が集まってできた国。大きな州も小さな州もあって、小さな州は「人口が多い大きな州の意見ばかり通ったら困る!」と考えた。選挙人制度なら、各州に一定の選挙人がいるから、小さな州の声も無視されにくくなる、というわけだね。
  • 奴隷制との兼ね合い: これはちょっとデリケートな話だけど、当時、南部の州には多くの奴隷がいた。彼らに選挙権はなかったけど、州の人口にはカウントされたい。選挙人制度は、そういった複雑な利害調整の産物でもあったんだ。
  • 情報が伝わりにくかった: 今みたいにインターネットもテレビもない時代。国民みんなが全国の候補者のことをよく知るのは難しかった。だから、各州で選ばれた「賢明な」選挙人が、情報を集めて判断するのが良いだろう、と考えられた側面もあるようだね。

今もこの制度が続くのはナゼ?変えられない理由

じゃあ、時代も変わったんだから、制度も変えればいいのに、って思うよね。でも、これがなかなか難しい。

一番大きな理由は、制度を変えるには「憲法改正」が必要になるから。これは、議会での承認とか、各州での承認とか、ものすごくハードルが高い手続きなんだ。

それに、今でもやっぱり「小さな州」は、この制度のおかげで相対的に大きな発言力を持っている側面がある。だから、制度を変えることに反対する声も根強いんだね。

【ここがヘンだよ】アメリカ大統領選挙、主な問題点を整理

歴史的な背景はわかったけど、やっぱり今の時代に照らし合わせると、「うーん…」と考えちゃう部分もあるよね。この選挙制度、具体的にどんな点が問題視されているんだろうか?

問題点①:全体の人気より「一部の州」がカギ?民意はどこへ…

さっき話した「勝者総取り方式」のせいで、結局、選挙の勝敗を分けるのは、どちらの候補が勝つかギリギリまで分からない「スイングステート(激戦州)」と呼ばれる一部の州だけ、ということになりがちなんだ。

候補者たちは、選挙活動の時間もお金も、この激戦州に集中投下する。

そうなると、それ以外の「どうせ勝てる州」や「どうせ負ける州」の有権者の声は、どうしても軽視されがちになっちゃう。国全体の人気(総得票数)があっても大統領になれないことがあるのは、まさにこの仕組みが原因。「国民全体の意思が反映されてないんじゃない?」って批判が出るのも無理はないかもしれないね。

問題点②:「どうせ勝てないし…」投票に行かない人も?

自分が住んでいる州が、もう明らかに「共和党が強い州」とか「民主党が強い州」だと分かっている場合、「自分が一票入れたって、どうせ結果は変わらないしな…」って思っちゃう人も出てくる。

特に、自分が入れたい候補が、その州では少数派だったりすると、投票に行くモチベーションが下がってしまう、という指摘もあるんだ。これも、選挙制度が有権者の参加意識に影響を与えちゃってる例かもしれないね。

問題点③:時代遅れ?現代に合わない部分も【私たちも疑問】

建国の父たちがこの制度を作った頃とは、もう社会が全然違うよね。インターネットのおかげで、どこにいても候補者の情報は手に入るし、国民が直接判断できる材料はたくさんある。

それに、「州の代表としての選挙人」っていう考え方自体が、現代のアメリカ社会の実態と合わなくなってきているんじゃないか、という意見も多いんだ。「そろそろ、もっとシンプルで分かりやすい、直接的な民意が反映される仕組みに変えるべきじゃない?」…うん、私たちもそう思うよね。

まとめ:複雑な選挙制度、今後どうなる?私たちにできること

ここまで見てきたように、アメリカの大統領選挙の仕組み、特に選挙人制度には、歴史的な背景と、現代から見ると「?」が付くような問題点が混在しているんだ。

もちろん、すぐにこの制度が変わるかは分からない。憲法改正のハードルは高いし、いろんな人の利害も絡んでいるからね。でも、「National Popular Vote Interstate Compact(全国民投票州間協定)」っていう動きもある。これは、「全米の総得票数で勝った候補者に、ウチの州の選挙人票を全部あげますよ」って州同士で約束する取り組みで、少しずつだけど賛同する州が増えているんだ。

こういう動きが、アメリカの民主主義のあり方を考えるきっかけになっているのは間違いないだろうね。

私たち日本人に直接関係ないように見えるかもしれないけど、世界で最も影響力のある国の一つであるアメリカのリーダーがどう選ばれるのか、その仕組みを知っておくことは、これからの国際ニュースを見る上でもきっと役立つはず。そして、「当たり前」だと思っている仕組みにも、疑問を持ってみる視点も大切なのかもしれないね。あなたはどう思う?


📌 近藤 健太郎|元新聞記者 / フリーライター 新聞社勤務を経てフリーランスに。社会・経済・政治といった硬派なテーマを、独自の視点と柔らかい語り口で解説するのが得意。難しいニュースの裏側を、読者目線で紐解くことを心がけている。アニメやVtuberなどサブカルチャーにも意外と詳しい。

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