「イオンカードの不正利用に遭ったけど、補償がいつ受けられるのか分からない…」
そんな声がSNSや掲示板で多く見られます。2025年2月期連結決算では、イオンフィナンシャルサービスが不正利用による99億円の特別損失を計上すると発表しました。しかし、多くの被害者が補償の遅れに不満を抱えています。
本記事では、イオンカードの不正利用の手口、補償の実態、なぜ対応が遅れるのか、そして対策について 分かりやすく解説します。
イオンカードの不正利用問題とは？
近年、クレジットカードの不正利用が増加していますが、特にイオンカードの被害が大きく報じられました。イオンカードの不正利用はどのように発生し、どれほどの影響を及ぼしたのでしょうか？
被害総額99億円！事件の概要を簡単に解説
2025年2月期の決算発表で、イオンフィナンシャルサービスは不正利用による損失額が99億円に達したと報告しました。これは、過去最大級のクレジットカード不正利用事件の一つと言われています。
- 被害者数は数万人
- Apple PayのiD決済が悪用された
- オフライン決済の脆弱性が狙われた
イオンカード利用者の中には、カード停止の手続きを行ったにもかかわらず、その後も不正決済が続いたケースも報告されています。
なぜイオンカードが狙われた？不正利用の手口とは
不正利用の手口として、特に「Apple Pay iD決済」や「オフライン決済」の仕組みが悪用されました。
- フィッシング詐欺でユーザーのカード情報を取得
- Apple Payへ不正登録し、決済に利用
- オフライン決済を利用し、通信を遮断して決済を継続
通常、クレジットカードの決済にはネットワーク接続が必要ですが、少額決済では「オフライン決済」という仕組みを使って認証なしで決済できる場合があります。犯罪者はこの仕組みを悪用し、スマホを機内モードにして通信を遮断したまま、何度も少額決済を繰り返しました。
補償はいつ受けられる？被害者の声と現状
被害者の多くが「補償が遅い」と不満を抱えています。実際に補償までどれくらいの時間がかかるのか、どのような手続きが必要なのかを見ていきましょう。
補償の流れと実際にかかった期間
イオンカードが不正利用された場合、被害者は補償を受けることができます。しかし、実際に補償が適用されるまでに時間がかかることが大きな問題となっています。ここでは、補償の流れをできるだけ分かりやすく説明します。
1. 不正利用を発見したら、すぐにカード会社に連絡する
まず、身に覚えのない請求があった場合は、すぐにイオンカード詐欺被害相談ダイヤル（０１２０−５５７−３０５）に相談しましょう。９：００-１８：００で年中無休、電話料金はフリーダイヤルのため掛かりません。
- 電話をすると、「受付番号」が発行されます。
- この受付番号は、補償の手続きを進めるために必要なので、必ずメモを取っておきましょう。
2. カードの利用停止と再発行
不正利用が確認されると、カード会社はカードを停止し、新しいカードを発行する手続きを進めます。
- 注意！ ここで新しいカードが届くまで1週間～10日ほどかかることが多いです。
- その間に引き落としがある場合は、カードが使えないため、別の支払い方法を用意する必要があります。
3. カード会社による調査が始まる
カード会社は、不正利用が本当に起きたのかを確認するために調査を行います。
- どこで、どのようにカードが使われたのかを詳しく調べます。
- ここで問題になるのが、「オフライン決済」を悪用された場合、調査が難航することがある点です。
- オフライン決済とは、スマホや機械がインターネットにつながっていなくても決済ができる仕組みのこと。
- この仕組みを悪用した犯罪では、「カードを止めたのに使われた」という事例も報告されています。
4. 書類の提出を求められることも
カード会社が不正利用を調査する過程で、本人確認や追加情報の提供を求められることがあります。
- 例えば、「不正利用があったことを証明する書類」の提出を求められることがあります。
- これは、他人が「嘘をついて補償を受ける」ことを防ぐために行われます。
この手続きがあるため、補償の手続きがさらに遅れる場合があります。
5. 調査結果の通知と補償の判断（約1〜2ヶ月）
調査が完了すると、カード会社から「補償が適用されるかどうか」の結果が通知されます。
- 早ければ1ヶ月以内に結果が出ることもありますが、通常は1〜2ヶ月かかることが多いです。
- もしカード会社が「補償対象外」と判断した場合、被害額が戻ってこないこともあります。
補償が認められないケースの一例
- カードの管理が不十分だった場合（パスワードを他人と共有していたなど）
- 家族や知人が不正利用した場合（補償の対象外）
- 被害発生から61日以上経過していた場合（期限切れ）
6. 補償金の支払い
調査の結果、補償が適用されると、被害額が返金されます。
- 補償金の支払い方法は、「銀行振込」や「カード利用額からの相殺」などが一般的です。
- ただし、手続きが完了しても、返金までにさらに数週間かかることもあるため、注意が必要です。
補償をスムーズに受けるためのポイント
補償を早く受けるためには、以下のポイントを意識しましょう。
✅ すぐにカード会社に連絡する（61日以内）
→ 補償の期限があるため、「あとで連絡しよう」はNG！
✅ 受付番号をメモしておく
→ 問い合わせ時に必要になるので、忘れずに記録すること。
✅ 調査に協力し、必要な書類を早めに提出する
→ 書類の提出が遅れると、補償も遅れてしまう。
✅ カードの利用通知をオンにして、すぐに異常に気づけるようにする
→ 早めに気づけば、被害額を最小限に抑えられる。
✅ カードの利用明細をこまめにチェックする
→ 数ヶ月後に気づいても、補償の期限を過ぎていることがあるので要注意。
イオンカードの不正利用補償には1〜2ヶ月以上かかることが多いため、早めの対応が重要です。
特に、オフライン決済を悪用したケースでは補償判断が難しくなるため、カード会社の指示に従い、速やかに手続きを進めましょう。
また、カードの管理をしっかり行い、万が一のときに備えることが何より大切です。
SNSや掲示板での被害者の口コミまとめ
実際に補償された被害者の声
SNSや掲示板では、イオンカードの対応について不満を訴える声が多数投稿されています。
これらの声からも分かるように、補償の遅れが大きな問題になっていることが明らかです。
補償が遅れる理由と対策
イオンカードの不正利用に対する補償が遅れている理由は何なのでしょうか？ 企業側の対応やシステムの問題点を分析するとともに、補償を早めるための対策について解説します。
なぜ補償が遅れるのか？企業側の対応を分析
イオンカードの補償が遅れている主な理由として、以下の3点が挙げられます。
- 被害件数の多さ
- 数万人規模の被害が発生しており、対応が追いついていない
- 一件ごとの調査に時間がかかる
- 調査の複雑さ
- 不正利用の手口が巧妙化しており、適正な補償判断が難しくなっている
- オフライン決済の特性上、不正利用かどうかの判別に時間がかかる
- セキュリティ対策の後手対応
- 被害拡大のスピードに対して、企業の対応が遅かった
- 「カードを止めても使われた」という事例が報告されており、システムの改善が必要
特に「オフライン決済を悪用されたケース」では、カードを停止しても少額決済が継続できるため、被害が拡大したと考えられます。イオンFS側もこの問題を認識しており、2025年以降、Apple Payへの登録認証強化を進めると発表しています。
被害を未然に防ぐためのクレカ利用のポイント
不正利用を防ぎ、被害に遭った際の補償をスムーズに受けるために、利用者ができる対策を紹介します。
✅ カードの利用通知をオンにする
→ カード利用時に即座に通知を受け取れる設定にする（イオンウォレットアプリで設定可能）。
✅ Apple PayやGoogle Payに無断で登録されていないか確認
→ カードが勝手に登録されていないか、定期的にチェックする。
✅ 「安心設定」を活用する
→ イオンカードには、オンライン決済を一定時間オフにする「安心設定」があるので活用する。
✅ 明細チェックを徹底する
→ 毎月の利用明細をこまめに確認し、不審な取引があれば即時対応する。
✅ 被害に遭ったらすぐに連絡する
→ 補償の申請期限（61日以内）があるため、早急にコールセンター（0120-557-305）に連絡する。
これらの対策を行うことで、不正利用のリスクを減らし、万が一の際にも補償を受けやすくなります。
まとめ＆安全なクレジットカードの使い方
イオンカードの不正利用問題は、多くの被害者を生み、補償の遅れが大きな課題となっています。しかし、クレジットカードの不正利用はイオンカードに限らず、他のカード会社でも発生しているリスクです。では、今後の対策としてどのようなことを意識すればよいのでしょうか？
今後の不正利用対策とおすすめの対処法
不正利用を未然に防ぎ、万が一の際に迅速に対応できるように、以下のポイントを押さえておきましょう。
✅ SMS認証やワンタイムパスワードを設定する
→ Apple PayやGoogle Payに登録する際、SMS認証を必須にすることで、不正登録を防止できます。
✅ カードの利用限度額を低めに設定する
→ 万が一不正利用された際の被害額を最小限に抑えるため、必要以上の限度額を設定しないのが重要です。
✅ 「オフライン決済ができる機能」を見直す
→ 一部のカードでは、少額決済の際にオフラインでも使用できる機能があります。この設定をオフにできるか確認し、必要でなければ制限するのが良いでしょう。
✅ カード会社の不正利用補償ポリシーを把握する
→ カード会社ごとに補償条件が異なるため、補償期限（60日〜90日以内など）を必ず確認しておきましょう。
✅ クレジットカードとデビットカードの違いを理解する
→ デビットカードは即時決済されるため、不正利用時に即座に引き落とされるリスクがあることを認識し、適切に使い分けましょう。
今後のポイント
- イオンFSはセキュリティ強化を進めると発表している
- Apple Payなどの決済サービスの認証プロセスが強化される可能性が高い
- ユーザー自身も対策を講じ、クレカの使い方を見直すことが重要
クレジットカードの利便性は高いですが、その一方で不正利用のリスクもあります。補償の遅れや被害拡大を防ぐために、事前にできる対策をしっかりと講じましょう。
📌 近藤 健太郎｜フリーライター（元新聞記者）
政治・経済・事件・ニュース解説を得意とし、鋭い視点で考察を提供する。
